コラム/2015-08-10
精神科医小栗康平先生の「内在性解離」
先日、精神科医の小栗康平先生の「人格解離」という本を読みました。
先生は東京で精神科の臨床医として長年現場で多くの患者さんと向き合って
来られている方の様です。
小栗先生は、うつ状態等の原因の多くは「内在性解離」が絡んでいる
と考えておられます。
通常「解離」というのは、「自分が自分で無い様な感覚」に襲われたり、
記憶がないのに自分が何らかの行為や行動を行っていた、
或いは人格が完全に解離して「多重人格」になる、
等の「自我(自己)同一性」が保たれない状態と言えます。
小栗先生は、こういった通常の解離に加えて表には出てこない
「内在性の解離」を想定されています。
(※僕が思うに、その「内在性解離」とはサイコシンセシスやNLPで言う所の
「パート(人格の、ある部分)」と言う概念に近いと思います。)
先生のケース事例を見る限り、通常の解離(先生の定義で言うと”外在性解離”
とでも呼べるのでしょうか?)の場合の人格の統合の鮮やかさは
とても参考になるものでした。
(※もっとも僕は何が何でも人格を統合しなければいけないという立場
ではありませんが・・・。)
また「内在性解離」のクライアントさんとのケースでは
さしずめサイコシンセシスやNLPの「パートの統合」に近い物を感じました。
そして、その様な手法を使っても”統合”できないケースの中には
「霊が憑依」した状態があり、それを霊能者とタッグを組んで
「浄霊」されるという事例がありました。
僕は霊の世界はよくわかりませんので否定も肯定もしない立場です。
ただ、仮に霊障的なものがもしあったとしても心理療法によって
クライアントさんの思考や感情の波動が変われば、
いつまでも憑依し続けられないのでは?と考えています。
いずれにしても3分診療⇒処方箋といった先生方が多い中で
ユニークな視点でセラピーをなさっておられるという点で、
僕が興味を持った先生のお一人です。
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