コラム/2016-12-01
人と接するのが苦手、他人に心を開けない人の心理
「私は人と接するの怖いです。
だから友人を作りたくても作れない・・・」
「私は誰とでも話はできるけれど、心を開ける親友はいないので、
家に帰るとどっと疲れます」
人と接するの苦手で孤独で苦しんでいる人、
表面上は付き合えるけど、本心を見せる事ができず気疲れしてしまい、
心の中では孤独を抱えてしまう人。
人と接したくないけれど、そんな自分はおかしいのかな?と悩んでいる人・・・。
そんな悩みを抱えてお越しになる方も多いです。
それでは、
こういった人達に働いている(無意識の)心理とは一体何なのでしょう?
思うに、この様な心理は大きく分けて3つに分けられると思います。
そして、そのタイプ毎に改善する方法も違って来ると考えられます。
もしそうなら、まず自分がどのタイプかを知る必要があると思います。
では、どうやって自分のタイプを知る事ができるのか?
→それは以下の様に「自分に質問してみる事」から始まると思います。
質問1:「私はそもそも人と接したい気持ちがあるのだろうか?
ずっと一人ぼっちだと孤独で狂いそうになるのだろうか?」
→この質問への答えが「YES」ならば後述のタイプ②か③、
「NO」な らばタイプ①に分けられると思います。
質問2:「私はあの人と接する(本音を打ち明ける)事を考えた時に
どうなるのが怖いのか?」
→この質問への答えが「拒否されたり否定されたり、
支配・コントロール されるのが怖い」と感じる場合は、タイプ②、
「本当の自分を知られるのが怖い」と感じる場合は、タイプ③
に仮に分類します。
では、以下にタイプ毎の説明と改善方法のヒントをお書きします。
<3つのタイプ毎の改善方法>
タイプ①=そもそも人と接する気持ちが希薄で孤独もそう感じない
→このタイプは所謂アスペルガー的な個性を持った人に多くみられ
「他人と接しようとしない自分がおかしいのでは?」と自責してしまったり、
無理に交友を拡げようとして疲れ切ってしまう場合もあります。
こういったタイプの人は「自分は人と接しなくてもいいんだ」
「決しておかしい事ではないんだ」と自分を責めずに、まず認めてあげて、
一人での楽しみや時間の使い方を考えていかれるのが良いと思います。
タイプ②=人と接したいが、拒否・否定、支配・コントロールされる恐怖があり
それを避けてしまう。
→このタイプの人は、親等に対するトラウマチックな恐怖を他人に転移
してしまい、同時に自己否定感が強いと考えられます。
ですから、まずは、無意識下に抑圧されたものを表出するといった、
フロイトの精神分析やTA、ゲシュタルト療法、フォーカシング等を用い、
その手続きを踏んだ上で、自己肯定感やレジリエンス高める、自我を強化
してゆく、といったアドラー派の勇気づけや、認知行動療法、短期療法、
ナラティブアプローチ、ビリーフチェンジ、ポジティブ心理学等を
併せて用いるのが良いと思います。
タイプ③=人と接したいが、本当の自分(ダメな自分)を知られるのが怖くて
それを避けてしまう。
→このタイプは、自己否定感が強い事が主な苦悩の原因だと考えられますので
「タイプ②」で述べたアドラーや短期療法等の手法にマッチすると思います。
兎に角、どのタイプにも共通する”基本”となるものは
自我強化(=勇気づけ、レジリエンスを高める)する事だと思いますので、
そういった意味では無意識やトラウマを一見無視した様なアドラーや
短期療法等はベースとしては役に立つと思います。
但しタイプ毎に考えると、それに”加えて”無意識を扱った方が良い場合もある
と思います。
そういった考え方をしていますので僕の中では、フロイトやアドラーや
その他の学派が相矛盾するが事なくクライアントさんに応じて使い分ける事
ができているのだと思います。
※因みに先日、日本の短期療法界の重鎮でいらっしゃる長谷川啓三先生とお話していた時に
先生は時にゲシュタルト療法をお使いになる、とお話されていて「我が意を得たり」
と一人にんまりしてしまいました。(先生は元々精神分析からお入りになったので、
それもうなずける気がします)
もし必要がありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
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