コラム/2020-09-16
不安を止められない人へ②
<前回からの続き>
前回、
「不安を止められない人」の多くは、(不安に対する)感受性が強く、
しかも、一つの事に集中する能力が高い人ではないか?、
そしてその為に、
慢性的に(心の安定を図る)セロトニン不足や脳の扁桃体が興奮しっ放しなので、
(ノル)アドレナリンも不足し、それを合成する材料であるドーパミンも不足
している状態では?と私の考えを書きました。
もし、そうだとすれば一体どうすれば良いのでしょうか?
今回からは私なりの考えを書かせてもらいたいと思います。
<不安を軽減してゆく方法>
①自己肯定感や自尊感情を損なわない様にする
②不安に繋がる事へ集中する時間を徐々に減らしてゆく
③代わりに、セロトニンやドーパミンが出る方向へ集中する時間を
増やしてゆく
それでは、一つ一つ詳しくご説明してゆきたいと思います。
(※今回は、まず「①」について)
「①自己肯定感や自尊感情を損なわない様にする」
例:
「先輩のAさんは、今日は不機嫌だ。私が昨日ミスしたからかな?
Aさんはきっと私の事を”できない奴”って思って見放したんだわ。
みんなの目線もなんか冷たく感じる・・・。
ああ~もう逃げ出したい。この会社に居られない・・・
同僚のB子に相談したら、”そんな事無いよ”と言ってくれたけど、
本当かな?
きっとB子もこんなネガティブな私なんかと付き合いたくない
と思ってるはずだ・・・」
→
この人は相手の顔色や態度、雰囲気に敏感で
相手の気持ちまで想像(妄想?)して不安を感じています。
つまり、ネガティブな相手の言動や空気への感受性が鋭く、
「できない自分像」「ネガティブで嫌われる自分像」に集中し続けた結果、
より不安に集中し続けている状態、と言えると思います。
そして、ネガティブな自分、不安ばかり感じる自分を否定し続け、
これ以上傷つけられない様に、より一層相手のネガティブな反応を検知する
「ネガティブセンサー」を強化し続けていると思われます。
そしてこの「ネガティブセンサー」は、多くの場合自分の性格や考え方のせい、
ではなく、(以前もお書きしましたが)持って生まれた遺伝的なものである
と私は思います。
例えば人類の狩猟時代、
「(草むらの微かな動きを見逃さず)あそこの草の陰に危険な肉食獣が居るぞ!」
とか
「(空気の動きや湿感、風が運んで来る微かな匂いを感じて)大変だ!嵐が来るぞ!」
等と、集団を危険から守った人たちも居たのではないでしょうか?
そういった人達は、恐らく不安や危険への感受性が高く、
つまり「ネガティブセンサー」が発達していて、
それへの集中力もずば抜けていたのでは?と思います。
もしそうだとすれば、彼らは「できない奴・ダメな奴」と嫌われたり、
「ネガティブな事ばかり考えてる私はダメな人間だ」
と自己否定したでしょうか?
恐らく、その集団では英雄視されたり皆の尊敬を集め、
自身もそんな自分を誇らしく思えていたのではないでしょうか?
そして、この発達した「ネガティブセンサー」は
その個体や種を存続・維持させる為に、
人間だけではなく動物でさえ、ぞの種の20%の個体に、
淘汰される事無く脈々と受け継がれているらしいのです。
(※「HSP」(The Highly Sensitive Person=超敏感な人)
という概念を提唱しているエレイン・アーロン博士の研究による)
つまり、あなたがもし生まれつきの発達した「ネガティブセンサー」
を持っているとすれば、それは両親のいずれかの家系から遺伝した
とても大切な能力だと言う事です。
ですから、どうか「ネガティブな自分」、「不安を感じやすい自分」
「傷つきやす自分」を否定しないで頂きたいです。
逆に、
「私は人類にとって必要な存在なのかも?」
「(望んでないけど)私は選ばれし者かも?」
「なんだ、私のせいではなくて、遺伝なんだ」
等と繰り返し自分に言い聞かせて、
自己否定を止めて、自己肯定感や自尊感情を損なわれませんように。
次回からは、
「②不安に繋がる事へ集中する時間を徐々に減らしてゆく」
について詳しくお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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