コラム/2020-09-21
不安を止められない人へ④
<前回からの続き>
前回、
「ネガティブセンサーの遺伝子を持った狩猟時代の人」
の日常を空想してお書きしました。
今回からは、
そういった傾向を持っている人が今の時代の日常生活の中でどうやって
「②不安に繋がる事へ集中する時間を徐々に減らしてゆく」のか?
のヒントをお書きしたいと思います。
<②不安に繋がる事へ集中する時間を徐々に減らしてゆくヒント>
前掲の「狩猟時代の人」の例で言えば、
洞窟の外で”ガサガサ”という音が聞こえた時、
と
遠くに何か(肉食獣)の群れが動いてるのを感じ取った時に、
「ネガティブセンサー」が働いて、不安や恐怖を感じたはずです。
でも、その不安・恐怖は長くは続いていません。
それは何故かと言うと、
(1)不安・恐怖を感じたら、それと向き合ってしっかりと確認した事
(2)適切な対処行動を考え、それを実行した事
によるものだと思われます。
だとすれば、
「ネガティブセンサー」が発達していて「不安を止められない人」も
同様の事を行えば、不安に集中する時間を減らしてゆく事ができる
のではないでしょうか?
以下、その具体例をお書きしたいと思います。
(1)不安・恐怖を感じたら、それと向き合ってしっかりと確認する
例:(Aさんの場合)
「頭痛がする・・・もしかしたら脳梗塞かも?!
今度は腹痛だ・・・癌だったらどうしよう・・・」
→こういった所謂「心気症」的な不安を止められない方は、
病院で色々検査して「異常なし」と言われても、
身体の不調に敏感で、しかも(不安への)集中力も抜群なので、
次から次へと様々な病気を想像してしまうと思います。
一見、「不安と向き合って、しっかりと確認」している様に見えますが、
それでも治まらない場合は、
「本当の不安・恐怖とは向き合っていない」からかも知れません。
だとすれば、この場合のこの人の
「本当の不安・恐怖」とは何なのでしょう?
それを確かめるのは、
「この不安・恐怖が的中したとすれば、
最悪どんな恐ろしい事になってしまうだろうか?」
という、自分にとっての”最悪の結末”に向き合う事が大切だと思います。
即ち、
Q:「もし癌になったとすれば、最悪どんな恐ろしい事になるだろう?」
A:「死んでしまうのが怖い」
Q:「このまま死んでしまうとすれば、最悪どうなるのが怖いのか?
どうなるのだけは嫌なのか?」
A:「最愛の娘の成長を見られないで死ぬのだけは嫌だ!」・・・。
→これが、この人の場合の”最悪の結末”です。
同様に、(Bさんの場合)
「明日会社へ行って、また部長に怒られたらどうしよう?・・・」
という不安を止められない人の”最悪の結末”が、
「会社をクビになって、転職先も見つからず、
引きこもって孤独死する・・・。もっと自分の好きな様に生きたかった」
だったとします。
更に、(Cさんの場合)
「電車に乗って、またパニックが出たらどうしよう?・・・」
といった不安を止められない人の”最悪の結末”は、
「働けなくなって、遊びにも出かけられず、
彼や友人達も離れて行って、孤独になる」
だったとします。
この様に、「こうなるのだけは絶対に嫌だ!」
といった”最悪の結末”にたどり着いたら、それを紙に書き出して、
「〇〇という結果になるのだけは絶対に嫌だ!」
と、恐怖や嫌悪感(即ち(ノル)アドレナリン)が強く出るまで、
感情的に言葉に出してみませんか?
(そうして初めて(2)の、適切な対処行動を考え、それを実行する
為のやる気スイッチがONになると思います)
これでようやく
(1)の不安・恐怖を感じたら、それと向き合ってしっかりと確認する
ができました。
その上で次回からは、
(2)適切な対処行動を考え、それを実行する
についてお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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