コラム/2020-09-23
不安を止められない人へ⑤
<前回からの続き>
前回、
(1)の不安・恐怖を感じたら、それと向き合ってしっかりと確認する
為には、
「こうなるのだけは絶対に嫌だ!」といった”最悪の結末”にたどり着いたら、
それを紙に書き出して、
「〇〇という結果になるのだけは絶対に嫌だ!」
と、
恐怖や嫌悪感(即ち(ノル)アドレナリン)が強く出るまで、
感情的に言葉に出してみる事が有効だと考える、とお書きしました。
この、
「”最悪の結末”を想像する」
「書き出す」
「言葉にする」
事は、不安を止める為の大事なポイントであると私は思っています。
今、巷で不安に対してよく行われている
認知行動療法やマインドフルネスや(怒りに対する)アンガーマネジメント等は
比較的効果的だと言われています。
それらが「何故効果があるか?」と言いますと(私見ですが)、
「不安を止められない人」
や
「怒りを止められない人」
の多くが、いつもよく似た思考や感情が、まるでループするかの様に
頭の中をぐるぐる回っているみたいに感じられていると思います。
恐らくこのパターン化した思考や感情は、海馬や帯状回、視床や扁桃体
などといった所謂「大脳辺縁系」(=古い皮質)と呼ばれる部分で、
繰り返し想起され生じているものだと思われます。
これは古くから「パペッツの回路」と呼ばれ、
情動を創り出す”閉鎖回路”と想定されてきました。
だとすれば、出口の無い”閉鎖回路”の中で不安や恐怖がループしてしまう
のも頷けます。
もしそうだとすれば、その”突破口”は、
前頭前野等の「大脳新皮質」にいかに繋げるか?という事だと思います。
(不安・恐怖や怒り等の情動を制御するのが大脳新皮質です)
そして、(”最悪の結末”や適切な対処行動を考える等の)
「今までと違った思考をする」事、
「(新しい思考を)書き出す、言葉にする」事、
「(新しい思考に基づいた対処行動を)実行する」
という事には「大脳新皮質」の働きが不可欠です。
つまり、
古い皮質の閉鎖的な回路から抜け出す突破口になると思います。
(先に挙げた、認知行動療法やマインドフルネス、アンガーマネジメントは、
どれも「大脳新皮質」を活用しようとするものだと思います)
前置きが長くなってしまいましたが次回こそは(笑)、
(2)適切な対処行動を考え、それを実行する
についてお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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