コラム/2021-03-05
HSPの人の人間関係の悩みのメカニズム①
<前回からの続き>
今回からはHSPの人の人間関係の悩みのメカニズムを
詳しくお書きしたいと思います。
まず今回は「HSPの人の人間関係の悩みのメカニズム」の全般的なものから
お書きしたいと思います。
<HSPの人の人間関係の悩みのメカニズム①>
(1)相手の否定や拒絶に気が付きやすい
=HSPの特徴の一つである「S」(感度の鋭さ)によって、
相手の表情や声(言い方、トーン、大きさ等)、態度、行動、雰囲気等
非HSPの人なら気が付かない些細な部分まで気が付いてしまう。
そして特に「心の傷」や「愛着の問題」を抱えているHSPの人は
相手のネガティブな反応に対してその”高性能センサー”を働かせている
と思われます。
ですからそれに基づいて、「この人、私の事嫌いなのかな?」
→「何故嫌われたんだろう?」→「きっと私が昨日〇〇と言ったからかも?
そういえばあの時も・・・」→「だから私は嫌われちゃったんだ!」
とか
「私が怒らせたのかなあ?」→「何故怒らせたのかな?」
→「あれかな?或いはあの時かな?・・」→「だから私の事を怒ってるんだ!」
とか
「私の事を軽蔑してるんじゃないのかな?」→「何故軽蔑してるんだろう?」
→「あの時私あんな事しちゃったし、
またあの時はあんな事言っちゃったし・・」
→「だからきっと軽蔑してるに違いない!」
という様に、ネガティブなファイルと記憶を参照しながら
「D」の深い処理(深く考えて意味づけしてゆく)を行う事によって
「きっと私は嫌われてる」
とか
「私の事を怒ってるに違いない」
とか
「きっと私は軽蔑されてる」
等と自分に対するネガティブな結論を強化し続けるから
不安や恐怖がどんどん強くなってゆくと考えられます。
(2)相手に確かめない
=自分に対する相手の怒りや軽蔑・嫌悪感・理不尽さ等を感じた時、
非HSPの人ならば(相手や場面にもよるが)
「怒ってるんですか?」
とか
「私の事嫌ってるんですか?」
とか
「馬鹿にされてると感じて不愉快です」
等と相手の真意や感情を確かめる手段を採る事もあるが、
HSPの人の場合は、「D」(深い処理)によって、「こんな事聞いたら、
相手はもっと私の事を嫌う(怒る・軽蔑する)に違いない」等といった
結論を出しちゃう事が多いと思われますので、相手に真意を確かめる事が
できずに益々妄想的に不安や恐怖が膨らんでゆくと考えられます。
(3)助けを求められない
=同じような状況に置かれても、非HSPの人なら他人に相談する事が多い
でしょう。
例えば、「ねえねえ、今朝の部長、何怒ってたのかしら?・・・
朝からテンションが下がっちゃうわ」
→「なんか聞いたんだけど、部長は最近奥さんとうまく行ってない
みたいよ。八つ当たりじゃない?」
→「え!本当?八つ当たり?・・・ならムカつくよね」
で終わる所が、
HSPの人の場合は「D](深い処理)によって、
「A子に相談したら、どう思われるだろう?・・・
細かい事を気にする神経質な奴と思われるんじゃないかな?・・・
もしメンヘラと思われたらどうしよう?」
或いは「こんな事を親や友人に相談したらどうなるだろう?・・・
きっと重たい空気になって余計な心配や迷惑かけちゃうだろうな」
等と、
相談しない方向での結論が出ちゃう事の方が多いのではないでしょうか?
(4)自己否定の悪循環に陥る
=前回お書きした「①」~「④」の例も、今回の「(1)~(3)」についても
全て「HSPの持って生まれた気質」である「D」「O」「E」「S」で
説明がつきます。(※特に「心の傷」や「愛着の問題」を抱えている場合)
なのに
「彼(夫)にだけきつく当たる自分」、「人数が多いと話せなくなる自分」、
「耐えられなくなって転職を繰り返す自分」、
「すぐ否定・拒絶されたと思ってしまう自分」、「相手に聞けない自分」、
「自分一人で抱え込んでしまう自分」を
更に「D」の気質で深く考え、意味づけしていって、
「私は嫌われる人間だ」「自分はダメだ」「私なんて必要ない」
「誰からも愛されない」等といった「自己否定的な結論」
を出してしまいがちだと思います。
そしてそうなれば益々「S」の感度の鋭さに用いられる”高性能センサー”は
ネガティブなものへ集中してゆくでしょう。
次回からは、
(前回揚げた「①」~「④」のケース毎に)より詳しくそのメカニズム
を見てゆきたいと思います。
<次回へ続く>
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