コラム/2021-03-10
HSPの人は何故人が多いと喋られなくなるのか?
<前回からの続き>
今回は、「HSPの人の人間関係の悩みのメカニズム③」として
「②」のケースを取り上げてみたいと思います。
<HSPの人は何故人が多いと喋られなくなるのか?>
前掲②のケース:
「グループ(職場・会社・集まり)の中では、喋れなくなってしまいます」
こういったケースで考えられる事とすれば、
まず
(1)HSPの特徴の一つである「S」(感度の鋭さ)によって、
相手の表情や声(言い方、トーン、大きさ等)、態度、行動、雰囲気等
非HSPの人なら気が付かない些細な部分まで気が付いてしまう。
そして特に「心の傷」や「愛着の問題」を抱えているHSPの人は
相手のネガティブな反応に対してその”高性能センサー”を働かせている
と思われます。
ですから例えばその場に10人居れば、10人分の(特にネガティブな)
感情を読み取ろうとしてしむでしょう。
=「AさんとBさんは機嫌が悪そう・・・」
「CさんとDさんは馬鹿にしてそう」
「Eさんは冷たい目で見てるし、Fさんは興味なさそう・・・」
「そしてGさんは落ち込んでそうだし、Hさんは緊張してそう・・」
等々。
次に
(2)そこで感じたそれぞれの感情に対して「D」の深い処理
(深く考えて意味づけしてゆく)を行い、
「相手の感情の意味づけ」を行うと考えられます。
(例)「きっと私が〇〇だからAさんは怒ってるんだ・・・」
とか
「私の〇〇な所をCさんは馬鹿にしてるんだ・・・」
とか
「Eさんは私の事なんて興味ないんだ・・・」
等々。
そして、もうこの時点で(10人分の刺激を強く受け取っていますので)
「O」の刺激過多になり、「E」の強い感情反応が生じてドキドキしたり
頭がのぼせてしまうかもしれません。
そして、
(3)「何を喋ったら全員が私をこれ以上否定せずに受け入れてくれ、
同時に誰一人嫌な想いをさせずに済むだろうか?」
と深い処理(D)によって
「こういったらAさんがより怒るんじゃないかな?」
「かといって、こんな風に言ったらGさんはより落ち込むだろうし・・」
「だからと言ってこう言ったらEさんはもっと冷たくなりそうだし・・」
等と”あっちを立てればこっちが立たず”の状態になっちゃうと
何も言えなくなると思います。
それはまるで泣いてる子、ふざけてる子、怒ってる子、落ち込んでる子等
様々な感情を出して混乱してる10人の園児達に対して、
「一言で全員の感情が落ち着くように話しなさい」と
言われている様なものです。
→実際そんな事は不可能だろうし、そんな言葉は無いので
言葉が出てこなくなるのではないでしょうか?
更には
(4)ジュディス・オルロフ先生が
(HSPとほぼ同義と考えられる)エンパスの人について
「エンパスとは、周り(他人)のエネルギー(感情・苦痛・感覚)
をすべて取り込んでしまう人」と定義されています。
もしそうだとすれば相手の人数が増えれば増える程、
様々なエネルギーを受けて混乱し、消耗してしまうでしょう。
※だから沢山人が居る場所は、しんどくなってしまい避ける事が多くなる
と思います。
※このケースの解決のヒントは
後述の「HSPの人の人間関係の悩み解消のヒント」
の中でお書きしたいと思います。
次回は「③」のケースにおける
「HSPの人は何故二度見知りするのか?」
を見てゆきたいと思います。
<次回へ続く>
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