コラム/2021-05-17
劣等感を快感に結びつける
<前回からの続き>
前回、「劣等感を克服する」一方法をお書きしましたが、
その”ミソ”(ポイント)は”快”(ドーパミンのシステム)を利用する事
だと思います。
どういう事かと言いますと、
例えば、「人には白血球の血液型とも呼ばれるHLA遺伝子の型があって
自分とできるだけ異なる型の異性を無意識に求める傾向がある」
と述べました。
ここで言う「無意識に求める傾向」とは、
「この人に魅かれてしまう!」とか「この人と一緒に居たい!」
等といった所謂「快感情」(ドーパミンが放出される)によるもの
だと考えられます。
或いは、
「お腹が空く」(不快)は「食べ物が足りない・欠けてる状態」
と言えると思いますが、
「お腹いっぱい美味しいごはんを食べたい」と食べたい食べ物の事
を考えてゆくと、ドーパミンシステムが作動し快感情が訪れる筈です。
もしそうであるならば、
「自分に足りないもの・欠けてるもの」に意識が集中している状態
が「劣等感」だとすれば、
同様にドーパミンシステムを作動させて、自分に足りないものを
「無意識に求める傾向」を作り出せば良いのではないか?と考えます。
前回お書きした「劣等感を克服する方法」を例にしますと、
◎「自分が既に持ってるもの」と「持ちたいけど今は未だ持っていないもの」
をできるだけ沢山書く
→例えば、「プチ整形」だけだと、整形が終わった途端に
ドーパミンシステムは働かなくなると考えられますので、
他の目標も用意しておく必要があると思います。
◎「それを得た時」の未来を想像して「ワクワクする」度合いが一番高いもの
を選ぶ。
◎常にそれを得た未来の自分をできる限り具体的に想像し続ける
→お腹が空いてる時に、「あれ食べたいなあ」「あ、あれもいいかなあ」
と考えている時はドーパミンシステムが作動していると考えられます。
だとすれば、ワクワクする目標を追いかけている時にも
ドーパミンシステムが働いて、目標に向けて引っ張ってくれる
のではないでしょうか?
◎「自分が既に持ってるものと対立するもの」や
「快の感情を妨げるもの」はなるべく選ばない
→例えば、「痩せたい」けど「食べたい」といった快感情が対立すれば、
どちらも得られないどころか、メンタル不調に陥る事も考えられます。
※所謂「摂食障害」に陥っている方は、
最初は「痩せてもっと綺麗になりたい」等といったドーパミンシステム
に則った目標であったのかも知れません。
ところが、食欲という対立する快感情に負けてしまいます。
これは恐らく生存欲求に纏わる部分には、ドーパミンシステムの
ニューロンが一番発達していて最も力を持っていると考えられますので
勝てない訳です。
そして今までの不足分を一気に食べてしまう・・・。
でも、食べ終わるとドーパミンシステムは作動しなくなりますので、
元々の「痩せたい」という目標によるドーパミンシステムに戻ってしまい、
嘔吐したり拒食に陥ってしまう、という事を繰り返している
のではないかと思います。
◎日々実行の結果を評価する
→お書きした様に、短期的な目標では(例:プチ整形)
すぐに目標に到達できますが、その途端にドーパミンが出なくなる
と思われます。
一方、長期的な目標ではモチベーションの維持、即ちドーパミンシステム
を作動させ続ける為には工夫が必要だと思います。
ですから、目標を細分化し日々の進捗を評価してゆく事も大切
だと思います。
(他者評価・自己評価によってもドーパミンシステムが作動する事が
期待できると考えられます)
※もし、一人では難しい場合はお気軽にご連絡下さい。
次回からは、劣等感の活用の仕方がうまく行かずに自他が苦しむ様な
メンタル不調に陥ってしまう例をお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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