コラム/2021-08-20
何故自傷行為をするのか?~原因と目的(上)
<前回からの続き>
今回からは、
自傷行為や抜毛症、オーバードーズ、自殺念慮等の原因と目的について
私見をお書きしたいと思います。
<自傷行為(リストカット等)、オーバードーズ、
自殺念慮(企図)、抜毛症等の原因と目的(上)>
①強い刺激が得られる
・リストカット等自傷行為の場合は、できた傷や血を見る事、痛みを感じる事、
一歩間違えたら命の危険が生じる事などの「痛み」「スリルと恐怖」等の
強い刺激が得られると考えられます。
・またオーバードーズの場合も、「意識を失うかも?」とか
「一歩間違えれば命に関わる」といった「スリルと恐怖」といった
強い刺激が得られるでしょう。
※若年層等に見受けられる風邪薬(ブロン、パブロン等)のオーバードーズ
はそれに加えて「多幸感が得られる」といった快の刺激を求めている
部分もあると思います
・自殺念慮や自殺企図は、「死という未知なるものへの
これ以上ないスリルと恐怖」といった極く強い刺激が得られると思います。
・自分の髪の毛を抜き続ける事(抜毛症)も「(小さな)痛み」を
感じ続ける事による断続的な刺激が得られるでしょう。
②脳内神経伝達物質が放出される
・リストカット等の自傷行為によって、脳内麻薬(モルヒネ様)とも言える
内因性オピオイド(エンドルフィン類、エンケファリン類)が分泌され、
痛みを和らげると共に、多幸感をもたらせると考えられます。
同時にセロトニンやノルアドレナリンなどの痛みの伝達を抑える
神経伝達物質が分泌され痛みを和らげると想像されます。
・オーバードーズの場合は、(多量服薬する薬の種類にもよりますが)
例えば睡眠薬であれば、脳の興奮を抑えるGABAという神経伝達物質
の分泌が促されます。
※風邪薬の場合は「コデイン(メチルモルヒネ)」という
鎮痛作用のある化学物質を多量に取り込む事による多幸感を期待して、
恐らく脳内ではドーパミンの分泌が促進される(=期待でワクワク)
のでは?と考えます。
・自殺念慮や自殺企図の場合は、この上ないスリルと恐怖によって
ノルアドレナリンが分泌され、それを抑制したりバランスを保つために
GABA、セロトニン、内因性オピオイド等が総動員されるのでは?
と推測します。
・抜毛症については、必要な時に痛みを感じる事で、
「いつでも手軽に」セロトニンやノルアドレナリン、内因性オピオイド
等が分泌されるのでは?と思います。
それでは何故、自傷行為をする人達は「①」の強い刺激と
「②」の神経伝達物質の分泌を強く望むのでしょうか?
その考えられる理由を次回お書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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