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コラム/2021-11-19

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何故吃音や書痙・震え、イップスになるのか?

<前回からの続き>

今回は
「何故吃音や書痙・震えやイップスになってしまうのか?」について
私の理解に基づいてお書きしたいと思います。


まず
人が「話そう」とか「ボールを投げよう(ある動作をしよう)
意識した時には、

脳の様々な部位の神経回路のニューロンが順次発火してゆく事で、
最終的には、
「言葉に出す」とか「ボールを投げる」という(主に筋肉の収縮・制御を伴う)
アウトプットに至る訳です。

そして
その意識→動作(発話、ボールを投げる等)を繰り返す事によって
そのアウトプットに至る神経回路は強化され(同じ部位に負荷をかける事
を繰り返すとその部位の筋肉が鍛えられる筋トレと同じ)、

やがて小脳を中心として、その動作が自動化(力の入れ具合や筋肉や声帯を意識しなくても)できる様になります。

ところが、
「ちゃんと話そう」という意識が強くて生真面目な性格の人や
そのスポーツに賭ける思いが強い人ほど
そこへの拘りが強いと考えられますので、

「どもらない様に」とか「ちゃんと投げなきゃ」という意識が強く働く
でしょう。

そうして妙な所(肩・腕の筋肉や声帯の)に力が入ったりして、
既に自動化されている一連の動作と異なる動作を行ってしまう・・・。

その時点で、その「妙な動作」が脳にフィードバックされてしまい、
「自動化された神経回路」とは異なった”妙な所に力が入った神経回路”、
言わば「失敗回路」が形成されてしまう。

そうなると相反する2つの神経回路がお互いに干渉し合う事になり、
混乱状態に陥り、「自動化された神経回路」が弱まってしまう。

その様な時には「失敗」し易くなるでしょうから、
(生真面目な人ほど)一度の失敗や他人が失敗している姿を見て、
「失敗したらどうしよう?」という不安や恐怖が出てくる。


そしてこの恐怖や不安という強い感情(情動)は扁桃体を興奮させて
脳に強く記憶され、それが「失敗イメージ」として定着します。


すると、
「話そう」とか「ボールを投げよう」等と意識する度に「失敗イメージ」
が出て来て、「吃音」や「暴投」等のアウトプットに導く「失敗回路」
が強化されてゆきます。

(※ニューロンは実際の出来事等によってだけではなく、
  知覚経験を思い出す、つまりイメージするだけでも発火する事が
  わかってきています)

そしてそれを繰り返してゆくと、
「失敗イメージ」→「吃音」・「暴投」に至る「失敗」回路がどんどん強化
されてゆき、「吃音」や「暴投」が自動化されてしまうでしょう。


もしこの段階で
無理に「成功イメージ」を繰り返そうとしたり、意識し過ぎると
「成功イメージ」(成功回路)と「失敗イメージ」(失敗回路)が拮抗し、

「言葉が出ない」「ボールの投げ方さえわからなくなる」等といった
「身動きできない混乱状態」になる事さえあるでしょう。

それでは、どうすれば「吃音」や「書痙・震え」や「イップス」を治せる
のでしょうか?


そのヒントを次回から3回に分けてお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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