コラム/2022-01-03
精神科・心療内科でなぜ誤診(らしきもの)が起きるのか?
うちのルームにも、
「医者の薬を服んでも効かないと訴えたら薬を増やされて
より調子が悪くなった」
「出された薬が効かず、断薬したら調子が良くなったが、
離脱症状に酷く苦しんだ」
等と仰るクライアントさんも少なくはありません。
(私は薬に対して、とやかく言える立場ではありませんし、
ちゃんとしたお医者さんの方が多いとは思いますが)
ただ、クライアントさんのお話をお聴きすると、
誤診では?と思われる診断を下された方も少なくない印象があります。
(今通っておられる医療機関にご不満があるから来られる方も多いからですが)
例えば「双極性障害Ⅰ型」と診断された方が
恐らくADHD+ASDではないか?と感じるケース、
或いは「双極性障害Ⅱ型」と診断された方が
恐らくはADHD(orASD)+うつではないか?と感じるケース、
更には「境界性パーソナリティー障害」と診断された方が
恐らくは複雑性PTSD+愛着障害ではないか?と感じるケース、
果ては「統合失調症」と診断された方が
恐らくは複雑性PTSD+解離性(同一性)障害ではないか?と感じるケース、
等、様々なクライアントさんと出逢ってきました。
(何度も申し上げますが、ちゃんとした見立てをなさっておられる
お医者さんもいらっしゃいます)
そして万が一誤診があって、その診断に基づく薬が処方された場合は、
当然効果は無いでしょうし、副作用や減・断薬時の離脱症状に
苦しまれる方も出てこられるでしょう。
それでは何故誤診(と考えられる状態)が起きるのでしょうか?
それは当たり前ですが、「心(脳)」の中を診る事ができないからです。
最近でこそ、脳画像診断などの技術が進歩して来ましたが、
外科や内科の様に”病巣”を特定し、そこの処置を行えばよい、
という訳にはいかないからです。
精神科医療の診断は、ほぼ「DSМ」や「ICD」といった
国際的なマニュアルに基づいて行われます。
例えば「これとこれとこれの症状があれば、うつにしましょう」
等といった具合です。
大変失礼な言い方をすれば、
「右下腹部が痛い」「悪心、嘔吐、食欲の低下」がみられる
→「盲腸と診断しましょう」と開腹手術を行う様なもの、
或いは、盲腸でも癌でも便秘でも潰瘍でも「腹痛」と診断し、
「痛み止めの薬を出しましょう」
というのと似ているかも知れません。
私の場合は、病歴は勿論、成育歴や家族歴等を細かくお聴きした上で
見立てて行きますので、少しは精度が増すと思います。
(勿論、診断を下す事はできませんので、あくまで推測です)
ただ、お医者さんの場合は、
診療報酬の点数が患者さんのお話を5分を超えて聞いた場合に
「精神療法」として加算され、
次に加算されるのは30分を超えた場合らしいです。(再診時)
ここでもし、一人の患者さんに30分以上お話していると
経営が厳しくなるのかも知れません。
ですから畢竟「5分診療」になるお医者さんが少なくないのかも知れません。
以上の事からもお医者さん選びは重要だと思います。
本当に患者さんの事を考えて、きっちりとお話を聞いた上で、
薬の「少量処方」からお始めになるお医者さんもいらっしいますので、
「医者に行こうか?カウンセリングを受けようか?」と迷われておられる方は
どうかその辺りを考慮して、信頼できる医師やカウンセラーを選ばれます様に。
※心理カウンセリングの場合は、副作用も離脱症状もありませんが、
「トラウマの再演」等には注意が必要です。
※クライアントさんに薬物療法が必要だと感じられた場合は
お医者さんのご紹介も差し上げます。
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