コラム/2022-01-10
虐待、暴言等による後遺症からの脱出方法
<前回からの続き>
前回までに、
①「子供への暴力」「暴言」「面前DV」「性加害」「ネグレクト」等の
「マルトリートメント」(不適切な養育)によって子供の脳が変形し、
②「複雑性PTSD」「発達性トラウマ障害」、「うつ病」、「不安障害」、
「境界性パーソナリティー障害」、「解離性障害」、「依存症」、
「双極性障害様の状態」、「統合失調症様の状態」、「発達障害様の状態」
等の”後遺症”が残ってしまう恐れがある
とお書きしました。
それでは、そういった”後遺症”に苦しんでおられる方は
どうすれば良いのでしょうか?
そのヒントをお書きしたいと思います。
脳の神経回路には「可塑性」と言って、再生・再構築できる機能があります。
例えば、昔自転車に乗れてた人が長年自転車に乗らなかったとします。
久しぶりに自転車に乗ると最初はフラフラするかも知れませんが、
しばらくすると昔の様にうまく乗る事ができる様になるでしょう。
これは昔乗ってた頃は神経回路のシナプスが強化されて大きくなっていたのに、
長年乗らない事で、それが小さくなった・・・。
でも再び乗り始めてまた元の様に大きくなった、と言えるでしょう。
或いは、ある部分の神経回路が死滅したとしても、
他の神経回路が同様の働きを代行する様になったりもする様です。
また、PTSD等によって委縮した海馬(主に記憶を司る脳部位)が
トラウマが癒されれば、回復するという報告もあります。
それ故、トラウマを癒し、神経回路を再生・再構築する、
という作業が一番肝心だと思われます。
(勿論、表出している症状や環境のせいで、それどころじゃないと
感じている方は、服薬治療や環境調整も大切だと思います)
以下、そのポイントをお書きしましたが、
詳しい内容をお知りになりたい方はお気軽にご相談下さい。
<虐待、暴言等による後遺症からの脱出方法>
①服薬治療:
精神科や心療内科で「うつ」や「気分の変動」「不安」「パニック」「不眠」
等の、今、表に出ている症状に対しての薬を処方してもらう。
②心理療法・精神療法:
専門のカウンセラーや医師によって「トラウマ(心の傷)」を癒す
トラウマ処理を行う。
その後、愛着の再形成を行う心理療法、
更に、今表出している症状に対して心理療法を行う。
③環境調整:
必要なら、ソーシャルワーカーや役所、児童相談所等の力を借りて
環境を好転させる。
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