コラム/2022-01-14
我が子への虐待を止める事ができない原因②
<前回からの続き>
前回、
「我が子への虐待を止める事ができない原因」(推測に基づくリスク要因)
の一つ目として、
親御さんご自身が被虐待的な家庭環境に育った為に「複雑性PTSD」
に陥っておられる可能性があるとお書きしました。
今回は考えられる2つ目の原因についてお書きしたいと思います。
<我が子を虐待してしまう原因②>
私が考える二つ目の原因としては、
親御さんご自身が幼児期に親等の養育者との関係の中で、
愛着形成がなされなかった場合は所謂「愛着障害」に陥ってしまう事
が多いと思います。
そうなると、
特に配偶者や親に頼れないという現状があった場合は「安全基地がない」
と感じるでしょうし、
一人で子を観ている時には「自分の中に安全基地を作れない
(内在化できていない)」為に、
より不安定になって子供に当たったりし易くなると考えられます。
この状態に陥った親御さんは、「子が泣く」「グズる」事や
「育児本通りの子育てができていない」等の不安に対処できなくなり、
パニックになって(自らの不安を収めようと)虐待してしまう事もある
でしょう。
特に複雑性PTSDに陥っておられる方は、
「愛着形成」が成されずに育った方も多いと思われますので、
「複雑性PTSD」+「愛着障害」=(所謂)「発達性トラウマ障害」
と言うべき状態に陥って、我が子を虐待してしまう確率は高まると思います。
※親御さんご自身がASD(自閉スペクトラム症)傾向をお持ちの場合は
我が子の気持ちに寄り添う事が難しかったり、
「自分の思い通りにしたい」、「自分のペースを乱されたくない」
といった傾向が強い方もいらっしゃいますし、
「自分が決めたルール」に拘り過ぎてしまったり、
(感覚過敏の為に)「子の泣き声」や「下の処理・匂い」、「子と触れ合う事」
等に対して過敏に反応してしまったり、人との交流が苦手で孤立
しやすかったり等、子育てに纏わる膨大なストレスを感じ続ける事もある
と思います。
勿論、それだけでは虐待に繋がる事は少ないと思いますが、
それに加えて、その親御さんが「愛着障害」に陥っていたとすれば、
「子供を思い通りにしたい」「子は私の分身だから何をしてもいい」
等といった子への執着・依存(理想化転移や鏡転移)が生じやすくなり、
虐待に繋がる確率は増えるのでは?と考えます。
それでは一体、どうすれば我が子への虐待を止める事ができるのでしょうか?
そのヒントを次回お書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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