コラム/2022-01-24
親を奴隷にする子供達~何故我が子は「暴君」になるのか?
<前回からの続き>
前回お書きした様に、
自分の思い通りに行かなかった時や
親(特に母親)が自分の思い通りに動かなかっ時にキレて暴れたり、
自殺をほのめかして親を思い通りに支配(奴隷化)する子供達
(成人していても)・・・。
何故、彼ら彼女らはそうなってしまったのでしょうか?
今迄の臨床経験と知識から、その理由を私なりに考えてみました。
(あくまでも私の推論です)
<暴君化する子供の特徴>
①こだわりの強さ(白か黒か?の思考に繋がり易い)
「物事は全て自分の思い通りになるべきだ!」といった幼児的万能感や
「こうなったのは全てお母さんのせいだ!」といった考えへのこだわりが
思春期を過ぎても持続している
②自分の感情がわからなかったり、適切に表現できなかったりする
例えば、
テスト勉強を頑張ったのに成績が悪かった場合は、
「あ~、頑張ったのにこの結果か・・・クソ!悔しい!」とか、
また例えば、
就活がうまく行かず
「お母さん、辛いよ苦しいよ!こんな私なんてどこも拾ってくれない
んじゃないか?と思ったらすごく不安だよぉ・・・」
等といった適切な感情表現ができずにキレて爆発してしまう
といったケースも多いと想像します。
③(母)親の立場に立ったり、相手の気持ちに共感するのが苦手で
自分を客観視できない
(母)親が苦しんでる姿を見ても気にも留めなかったり、
自分が投げた物が当たって(母)親が怪我をしても謝らず、
「だってお母さんが言う通りにしなかったからだ!」等と言い張るとすれば、
相手への共感力が極めて低いと考えられますし、
反省したり謝ったりしないのは自分を客観視できていないからだと思います。
もし私の推測が当たっているとすれば、
これらの特徴はASD(自閉スペクトラム症)の特徴と重なる部分が多い
と思われます。
④対人交流や集団の場での適応がうまく行っていない
そして、もしお子さんがASDの傾向を有しているとすれば、
学校や職場ではコミュニケーション等の対人交流がうまくできなかったり、
感覚過敏で集団生活に支障をきたして、「自分の思い通りにならない」
といった自己不全感がとても大きなストレス因になったり、
傷ついてドロップアウトする事も考えられます。
そうした時に家に帰れば(或いは家に居れば)
「安全基地」である(母)親に依存し、
「思い通りに」支配・コントロールする事ができるので、
それによって、自己不全感やストレスを解消する、
つまり「バランスを取る」事ができるのかも知れません。
(勿論、ASD傾向をお持ちの方の全てがそうなるのではなく、
ほんの一部の人がこうなってしまうのだと思います)
だとすれば、
お母さんは子供にとっての「安全基地」になっている訳ですから、
お母さんの子育ての仕方が間違っていた訳ではありません。
ですから、
あまりに執拗な「お母さんのせいだ」という子の主張に洗脳されない様に
して頂きたいと思います。
但し、今後の対応は変えて行かれる事が望ましいと思います。
次回からは
「暴君化」している子供達に対する親御さんの対応の仕方のヒント
を3回に分けてお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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