コラム/2022-02-21
何故ネット・SNS・スマホ・ゲーム依存になるのか?②
<前回からの続き>
今回は、
(お子さん等が)ネット・スマホ・ゲーム依存になってしまう原因②
について私見をお書きしたいと思います。
<ネット・スマホ・ゲーム依存になる原因②>
②自分にとって丁度良い程度の望む刺激を
今すぐ簡単に自分主導で満たす事ができる
私が考えるには、
「やめられない、止まらない」といった依存の様な状態になる為には、
そこに「快の刺激」、即ちドーパミン系が作動する仕組みが絡んでいる筈だ
と思います。
人間(や動物)の全ての行動は簡単に言えば、
・「不快な刺激から逃れ安心を得る」=ノルアドレナリンシステム
⇒セロトニンシステム(※これは前回の「①」でお書きしました)
・「快の刺激を求める」=ドーパミンシステム
の2つのうちのどちらかを基にしていると言えるでしょう。
そして、このうち特に後者の「ドーパミンシステム」が強化されると
意志の力ではほぼ抗う事ができなくなります。(=依存状態)
ところがこの「ドーパミンシステム」は個々人によって、
(1)望む刺激の方向性が違う
(2)望む刺激の強度が違う
(3)望む刺激のタイミングや持続時間が違う
といった事が考えられます。
即ち個人にとっての快の刺激は、非常に微妙なバランスに基づく
最適な刺激を得た場合に最大となると思われます。
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例えば、
親友とユニバへ行ったとして・・・。
行きの電車の中で楽しく会話をする。
面白い話を用意して親友に話しても思いの外笑ってくれなかった・・・。
ユニバに着いて、
自分は好きじゃないが親友が好きなアトラクションの行列に
2時間も並ぶ・・・。
休憩中に、
お互い大好きなスイーツを食べた後で、親友が「もう1個食べよう!」と言い、
自分は1個で満足なのに、付き合いでもう一つ食べる事になる・・・。
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譬え親友でも家族であっても、一人一人最適な刺激が違う訳ですから、
決して満足する(刺激が完全に満たされる)事は無いでしょう。
(=依存にならない)
一方でネット・スマホ・ゲームはどうでしょうか?
我慢したり忖度する必要無く、
自分の好きな動画やゲームのみを自分の好きなタイミングや時間で
自由に望む刺激を満たす事ができます。
またもし「他人と繋がる事」への刺激を望むのであれば、
深入りして傷ついたり不安になる事無く、SNSで記事や画像をアップして
「いいね」やコメントをもらったり、他の人の投稿に「いいね」を付けたり、
はたまた気に入らない人を簡単にブロックする・・・。
と自分の思う通りの適度な刺激を得る事ができるでしょう。
(オンラインゲーム等のチャット然り)
つまり、
不快からはすぐに逃れる事ができ、自分が望む「快の刺激」のみを得る
事ができる訳です。(しかも”今すぐ”に)
そうして
「ドーパミンシステム」がネット・スマホ・ゲームにおいて強化され、
依存状態になると考えられます。
※1:脳の報酬系の回路においては、実際に臨む刺激を得られた時よりも
その刺激を期待している時の方がドーパミンの分泌量が多くなる
事がわかっています。
ですから、
「あと少しでレアアイテムがゲットできる!」とガチャを回したり、
「何とかこのステージを攻略したい!」等の期待を持って
ゲームをしている等は依存状態によりなり易いでしょう。
(SNSで「いいね!」や「コメント」を期待している時も同じです)
逆にスマホや動画をだらだら見ている時は、
ゲームやSNS程にはドーパミンシステムの働きは強くは無く、
依存度で言うとゲームやSNSよりはまだマシだと思われます。
※2:中には、「チャットを途中でやめるとどう思われるか怖いから」とか
「LINEの返信をし続けないと嫌われるのが怖いから」等と
①の「不快な刺激から逃れ安心を得る」為にずるずるとやめられずに
いる人もいらっしゃるかも知れませんが。
それでは次回は、
ネット・スマホ・ゲーム依存の子供にやってはいけない対応
についてお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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