コラム/2022-05-27
カウンセリングでは具体的に何をするのか?②見立て(1)
<前回からの続き>
まず、
取り敢えずの「目標」が決まり、それを妨げる「問題」を共有できれば、
次にクライアントさんの「見立て」をしてゆきます。
(※多くの場合は同時進行ですが)
それでは、ここで言う「見立て」とはどういった事を目的として
具体的には何を行うのでしょうか?
私のカウンセリングに沿ってご説明したいと思います。
私が臨床現場で実践している「見立て」とは
クライアントさんの目標を妨げる”問題”と考えられるものに対して、
以下の項目に沿って情報を集め、原因を想像する(原因分析)
という流れです。
(※「見立て」は固定的なものではなく、新たな情報が得られたり、
「見立て」を基に次の段階の「介入」がうまく行かなければ
都度変えてゆく柔軟さが必要だと思います)
<見立て(1)情報収集>
まず私がクライアントさんについて知りたい事は以下の事です(情報収集)
①気質・性格特性(恐らく持って生まれたもの)
⇒(1)快・不快への感受性の強さ
(2)快刺激の得方、不快刺激の避け方
(3)「(2)」の戦略の中でうまく行っている部分と
うまく行っていない部分
②思考・認知パターン、感情対処パターン、行動パターン
⇒(1)自分の気質・性格特性への認知~行動パターン
(2)他者・環境への認知~行動パターン
(3)過去・未来への認知~行動パターン
③今の問題に影響を与えているトラウマの有無
⇒(それが有りそうな場合は)
(1)トラウマの影響度
(2)トラウマへの防衛パターン(否認・抑圧、回避・解離、闘争、
恥・自責、凍り付き・パニック等)
(3)トラウマ(防衛パターン)への認知
④愛着形成の強度
(詳細は省略します)
⑤来談者(例:母親)の認知(自分・家族)や
IP(例:”問題”が生じてる娘)や他の家族との関係性
⇒(”問題”が生じてる人が来ない場合の家族療法・短期療法の場合)
(1)来談者自身や他の家族やIPへの肯定的/否定的認知
(2)うまく行っている来談者や他の家族の認知・言動・対応
・コミュニケーション
(3)うまく行っていない来談者や他の家族の認知・言動・対応
・コミュニケーション
等々。
※これらの情報集めは、予約時の電話やメールの言葉遣いや声質等の雰囲気や
入室される時の様子等の”観察”から始まって、質問への答え方等から
推し量ってゆきます。
次に上記の情報を基にクライアントさんの”問題”の原因分析(原因の想像)
を行いますが、
その前に次回は見立ての前半部分の情報収集の具体例を架空のA子さん
(母親のみ来談)を例にしてお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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