コラム/2022-06-03
カウンセリングでは具体的に何をするのか?⑤介入
<前回からの続き>
今回は「見立て」に基づいた私なりに考える介入のポイントを
お書きしたいと思います。
<介入のポイント>
①変えられる(変え易い)部分と変えられない(変え難い)部分に
仕分けする
⇒IP(”問題”を有していると認識されている人物)や家族成員、
重要な関係他者等の性格特性・傾向、認知・思考~行動・防衛パターン、
環境面等の要素を、
変えれらる(変え易い)部分と変えられない(変え難い)部分に仕分けします
※通常は来談者以外の人(譬えIPである子供でさえ)の要素は
変え難いでしょうし、
個々人の(持って生まれた)性格特性・傾向は変え難く、
認知・思考パターンは比較的変え易いでしょうが、
防衛パターンは変え難いと思います。
②変えられない(変え難い)部分は肯定する
⇒特に来談者本人やIPの変えられない部分や過去の後悔等は
比喩や心理教育、脳科学的な説明、客観視をしてもらう等によって
「否定的な見方」→「肯定的な見方」といった所謂リフレーミングを行う
③変えられる(変え易い)部分を変える方向へ導く
⇒いくら変えられる部分だとしても、
それを変える事への心理的な抵抗が生じるものです。
ならば、いつものパターンではうまく行っていない事実と
いつもと違うパターンで”たまたま”うまく行った例外的な事象を
探ったり、リフレーミングによってその抵抗を取り除いてゆきます。
④最小の努力と勇気づけ・力づけ
⇒”問題”を維持している要素・パターンを変える事への
クライアントさんの抵抗が減じたら、
最小の努力で済むような介入手段を提案し、合意して頂ければ、
それを共通の合意した目標とします。
但し、それを行う事へのためらいや、不安があるのが普通ですので
勇気づけや力づけが必要になると思います。
⑤報酬の用意
⇒目標に向かって新しい方法に取り組む事はとても大変な事ですので、
それに取り組んだ人に対しては「褒める、労う」等の精神的な報酬や、
特に子供などの場合は物理的な報酬を用意してもいいと思います。
※できなかった事やうまく行かなかった事には批判的にならずに
できた部分のみ取り上げるといった”加点主義”が大切だと思います。
⑥介入結果をフィードバックする
⇒「介入」→「実行」→「結果のフィードバック」→(見立て直し)
→「修正した介入」・・・といった様に、
期待した通りの結果になる様に常に介入結果をフィードバックし、
うまく行ってない部分に対しては見立て直したり新たな介入を考える必要
があるでしょう(PDCAのサイクル)
次回はこれらのポイントを基に引き続き架空のA子さん(の母親)
への介入の例にお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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