コラム/2022-07-08
場面緘黙症にはどう対処すれば良いのか?
<前回からの続き>
今回は、
「場面緘黙(かんもく)症」に悩んでいる方ご自身や、その親御さんが
「では一体、どう対処すれば良いのか?」のヒントを
私の経験と知識に基づいてお書きしたいと思います。
<場面緘黙症への対処法のヒント>
①自分や子供を責めない
前回お書きした通り、(私の推測に依れば)場面緘黙症の原因が感覚過敏
だとすれば、「持って生まれたもの」か「成育環境によるもの」ですので、
いずれにしても本人に責任はありません。
ですからそんな自分や我が子を責めたり否定しないで頂きたいと思います。
②心の安全基地を作る
「場面緘黙症」に襲われている人が、その”場面”において、
常に「脅威」や「恐怖」を感じているのなら、
「心の安全基地」を作る事が先決になると思います。
例えば学校なら先生、ご家庭なら(譬えお父さんが暴言を吐く人だとしても)
お母さん等、ご自分の「脅威」や「恐怖」を安心して話せ、
それに寄り添ってくれる人を見つけましょう。
(逆に親御さん側は子供の「安全基地」になれる様に心がけましょう)
また、(ある程度の年齢に達した)ご自分自身も「安全基地」の自分を作る
のも良いでしょう。
例:自分の「脅威・恐怖」を紙の片側に書き出す。
→それに対して「優しく頼れるお母さんだったらどう言ってくれるか?」
を考えて
→「理想のお母さんの言葉」として紙の反対側に書き出す
③脅威・恐怖を和らげる
「脅威」「恐怖」を感じる場面に出くわす度に「②」の安全基地を利用し
それらを和らげてゆく。
(脅威・恐怖を書き出す→理想のお母さんの言葉を書き出す
といった事を繰り返す事も、脅威・恐怖を和らげ、
同時に安全基地を強化する事に繋がるでしょう)
※トラウマとなっている「脅威・恐怖」については、ご自分での解消は難しい
と思いますので。カウンセリングを受けられる事をお勧めします
④「場面緘黙症」を「相手限定緘黙症」へ移行させる
例えば、
お家の中でお父さんが怖くて一言も喋られなくてもお母さんとなら話せる、
というのは「場面緘黙」ではなく「相手限定緘黙」と言えると思います。
ですから、
学校や職場でも「苦手な人」(=防衛反応が強く働く)とは喋る必要は
ありませんので、
「苦手ではない人」限定でコミュニケーションを図ってゆく事
を目指してみませんか?
その為にはまず、
その”場”にいる人達をよく観察していって、
「この人は優しそう」とか「この人なら大丈夫そう」と感じる相手
をたった一人でもいいので”選ぶ”事が大切だと思います。
そうして選んだ人に興味を持っていって、
まずは「お早う」等の挨拶や「消しゴム貸してくれない?~~有難う!」
等の簡単な会話から始めてみませんか?
※お独りでは難しい場合はお気軽にご相談下さい。
コメント