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コラム/2022-07-18

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精神疾患と心理療法③症状を維持するもの

<前回からの続き>

多くの症例の場合、
「仮説」が的を射ていれば、それに基づいた介入(治療)は功を奏する
と思います。

(例えば、
「認知行動療法」ならば、思考と行動を変える事を目標に働き掛ける、
「家族療法、ブリーフセラピー」ならば、コミュニケーションや行動等の
 ”パターン”を変える事を目標に働き掛ける等)


ところが、
中々それがうまく行かない、所謂「難治例」に直面する事もあると思います。


私の考えでは、そういった場合には往々にして「原因」→「結果」
といった直線的な因果律だけではなく、
その症状を維持する事に寄与する因子があるのでは?と推測します。

そしてその症状を維持する因子の一つがトラウマとそれに対する防衛反応
だと想像します。


例えば、
前掲のA子さんのトラウマを探ると、
幼い頃、90点のテストを母親に見せた時に、

「何やってるのよ?!何で100点じゃないの?!」
怖い顔をした母親に金切声で怒られ
片や妹は90点の時でも母親に褒められている光景が蘇ったとします。

その記憶が出て来ると、
今でも恐怖や絶望感を感じ、お腹の辺りが締め付けられるといった反応が出る
とすれば、これはもう立派なトラウマと言えます。

(トラウマになるか否か?は起こった出来事×感受性の鋭さ
 によって人それぞれです)


そして、
こうした出来事によって「妹と違って、ありのままの私では愛されない」
といった恐怖と絶望を感じるでしょう。

そうなると脆弱な幼い自己を守る為に
「愛される為にはお母さんの期待に完璧に応えるしかない」等といった
防衛反応による「スキーマ、中核信念」等の認知(の歪み)が形成される
でしょう。


そしてこのトラウマと防衛反応を伴った「感情・感覚・認知」
普段は無意識下(わかり易く”右脳”としておきます)に格納されています。

そうしてその後の人生において、
「期待に完璧に応えなきゃ嫌われる、自分の価値がなくなっちゃう」
と意識(わかり易く”左脳”側で意識するとします)する場面で、

それが引き金となって、右脳側に格納されていた感情・感覚・認知が
一気にあふれ出しコントロール不全をきたすでしょう。


もしそうだとすれば、いくら左脳側の認知や行動を変えようとしても、
右脳側が氾濫すると手がつけられなくなるでしょう。

そして、その氾濫は引き金が引かれる度に起きるので、
結果として症状はいつまでも消失する事はないのかも知れません。


譬えて言うと、
大雨の時だけ右側の池から左側の池に向かって流れる地下水路が有って、
普段の水位の時に、左側の池を掃除して「きれいになった」と思っていても、
大雨後には右側の池のゴミや汚れが流れ込んで、左側の池はまた汚れてしまう。

「何でだろう」と思いながらまた左側の池だけを掃除しても、
また大雨後には・・・。
という事が繰り返される訳です。

それでは、一体どこまで”原因”を遡れば良いのでしょうか?

次回はそれについてお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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