コラム/2023-01-23
どうすれば他人との適切な距離が取れるのか?②1対1編(1)
<前回からの続き>
前回までに、
「他人との適切な距離感が取れないのは、
”過度に親密さを求める部分(脳の回路)”が作動している時
は必要以上に相手との距離を縮めるが、
”防御・防衛する部分(脳の回路)”が作動すると、
相手への不信感から必要以上に距離を取ってしまったり、
攻撃的になってしまったり、いきなり関係を断とうとしたりしてしまう。
つまり、”丁度良い距離感を取ってくれる部分(脳の回路)”が未形成、
或いは使われていない無いから。」
「だとすれば、各部分(脳の回路)を俯瞰できる調整役の部分(脳の回路)
を形成・利用してゆく必要がある」
といった私の推察をお書きしました。
今回からはその考え方を基に、
「他人と適切な距離感が取れる様になる為のヒント」を
「1対1編」と「集団編」に分けてお書きしてゆきたいと思います。
<どうすれば他人と適切な距離感が取れる様になれるのか?
(1対1編)(1)>
①”調整役”の部分(脳の回路)の有無を調べる
まず、長年の親友や家族・親族等の中に、
自分にとって理想の心的な距離が取れている相手が居るか否か?
を考えてみましょう。
例:「幼馴染のヒロミだけは私の気持ちをわかってくれるから、
ヒロミの事は信頼して何でも話せる。
そしてヒロミと話をしててもイラつく事も無い。
また連絡を取る時も、ヒロミが忙しくなさそうな時を考える等、
気を遣う事もできる。
かと言って誘いを断られたり暫く連絡が無くても落ち込む事も無い
・・・。」
⇒こうした相手が思い浮かぶ場合は”調整役”の部分(脳の回路)が形成済みで、
逆に、”そんな相手なんて誰一人いない!”と感じるのであれば、未形成
だと考えてよいと思います。
②”調整役”の部分(脳の回路)を形成または利用する
(1)適切な距離感が取れている相手が居ると感じた場合
(”調整役”の回路が形成済み)
その相手にイラっとしたり、不信感や不安を感じた時、
つまり”防御・防衛する部分(脳の回路)”が作動し始めた時や、
必要以上に相手との距離を縮めようとする”親密さを求める部分
(脳の回路)”が過度に作動し始めた時には、
”調整役”の部分(脳の回路)はどの様にして怒りを鎮めたり、不信感・不安
や執着心を和らげているのでしょうか?
例えばその相手が
A:何気なくイラっとさせる言葉を発した時
=”防御・防衛する部分(脳の回路)”の中でも特に”怒りの部分”が作動、
B:不信感や不安・嫉妬等を感じた時
=”防御・防衛する部分(脳の回路)”の中でも特に”不安・恐怖の部分”が作動
C:寂しさや不安から、もっと距離を縮めたくなった時
= ”過度に親密さを求める部分(脳の回路)”が作動している
そんな時にはどの様な思考やイメージが”自動的に”沸いて、
あなたの気持ちを安定させてくれるのでしょうか?
(例)
A:以前ヒロミが「彼氏が束縛する人で、近頃は自分の時間も取れなく
なっちゃって、大変なんだ」と言った時に、
私は「彼氏が居ない私への嫌味??」と感じてイラっと来た・・・。
でもすぐに、ヒロミが私に優しくしてくれたいくつかの場面
が浮かんで来て”ヒロミは私の味方だ!”という考えが出て来て、
それを心の中で言い聞かせたら、すぐに怒りは収まった・・・。
B:ある時ヒロミを誘ったら、「ゴメン!先約が入ってるんだ・・・」
って断られた。
そしてその日のヒロミのSNSを覗くと、私の知らない友達と
楽し気に遊んでる画像がUPされていた・・・。
私は「私よりその子の事を優先するんだ・・・」と嫉妬心や
ヒロミに見放される恐怖が沸いて来た。
でもすぐにヒロミとの楽しい思い出やヒロミが優しさを発揮したシーン
が出て来て、”ヒロミは優しくて正義感が強いから、
律儀に先約の人を優先したんだろうなあ”という考えが出て来て
落ち着く事ができた。
C:この前ヒロミと電話した時にヒロミが
「ゴメン!ちょっと急ぎの用が入ってるので、また後で電話するね!」
と言って電話を切ったのに、その日のうちには連絡が来なかった・・・。
夜になって不安と寂しさで何度も電話を掛けようと思ったが、
ヒロミが私を気遣ってくれたシーンがいくつも浮かんで来て、
「ヒロミも忙しいんだろうなあ。あ~今度は私が彼女を気遣って
あげなくちゃ!」という考えが出て来て、
彼女を気遣って電話を掛けるのを我慢出来てる私に対しても
暖かい気持ちになった。
等々。
<次回へ続く>
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