コラム/2023-02-01
何故並外れた集中力を持っているのか?
<前回からの続き>
前回、例に挙げた様な
”醜形恐怖”や”強迫性障害”、”不安障害”等で苦しんでいる人達は
(恐らくそれ以外の”症状や問題”を抱えている人の多くも)、
「並外れた集中力を有し、それを”症状や問題”に向け続けている」
といった私見をお書きしました。
もしそうだとすれば、
何故こういった凄い人達は、並外れた集中力を持っているのでしょうか?
今回は私が考えるその理由をします。
<何故並外れた集中力を持っているのか?>
例えば、
騒がしいカフェに入ったとして・・・
周りの人の話し声や笑い声、スマホの着信音や車が行き交う音。
眉間にシワを寄せて物思いにふけっている年配の男性。
意地悪そうな表情を浮かべ、友達に上司の悪口を言ってる若い女性。
誰かが咳をしたりスプーンが落ちる音、
周囲の人達から感じる独特の生活臭や体臭や香水や柔軟剤の匂い、
・・・。
何となく心がざわざわし、
「注文したモカが早く来ないかな~」とスマホをいじりながらそわそわする。
そんな時「お待たせしました」とモカが来て一口味わうと、
その香りと味、暖かさにホッとし、
「うん、やっぱりここのモカは最高だなあ~、私は酸味がなきゃダメ。
深煎りなんて苦いだけだわ・・・
そう言えば、今の旦那と初めてデートした時も私はモカを頼んで、
彼は紅茶だった・・・。懐かしいなあ」
と暖かい気持ちに満たされて自然と顔がほころんでゆく。
上の例では、
情報が沢山入り込んで来て脳が混乱して心が不安定になっている時に、
コーヒーとそれに纏わる記憶や感覚に集中する事により、
心の安定を取り戻したと言えるでしょう。
つまり、
脳は情報(刺激)過多によって不安定になった時には、
安定させる為に、集中させる傾向があるのでは?と思います。
別の例では、
人の名前が思い出せそうで、出て来ない時・・・。
そんな時には、
「〇〇さんだっけ?いや違うな、△△さんだっけ?それも違う・・・」
と、脳はあらゆる可能性を検索してフル回転、
つまり、
情報(刺激)過多に陥り、モヤモヤしたりいらだったりといった
心が不安定な状態になってしまうでしょう。
そして、”答え”が見つかった時には、最早可能性を検索する必要が無くなり、
”答え”に集中すれば良いので心は安定するでしょう。
私が考えるに、
「並外れた集中力を持っている人」は
恐らく先天的或いは成育環境等、後天的に拾う情報量が多い
のではないでしょうか?
例えば、
人が気にならない刺激(五感から入って来る音や声、表情や態度等)
の情報の量が多い、所謂「感覚過敏」を有していると、
刺激過多で圧倒されたりカオスの世界に入ってしまい、心が不安定になり易い
と想像します。
それ故、
そこまで敏感でない人に比べ、安定させる必要性がより高くなり、
何かに集中する必要性も、より高くなるのでは?と考えます。
それでは、
この様な理由で「並外れた集中力を持っている人」が
何故”問題や症状”となる対象に集中し続ける事になってしまった
のでしょうか?
次回は、
私が考えるその”理由”をお書きしてゆきたいと思います。
<次回へ続く>
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