コラム/2023-02-20
愛着形成と愛着の回路①愛着とは?
見捨てられ不安、社交不安、醜形恐怖、等所謂不安障害や強迫性障害。
或いは、何らかの心身の”症状”が出る事によって、
親の許で生活する事になったけど、より症状が酷くなってゆく息子・娘達。
学校や職場等、社交の場に行けずに家の中で暴れたり親に暴力を振るう子供達。
普通の日常生活が送れなくなる程の酷い抑うつに襲われている人達。
或いは妻や彼女にDVを行う夫や彼氏。
我が子を否定し続けたりキレてしまう親達。
更には、
ギャンブルやアルコール、過食・拒食、買い物、ゲーム等に依存
してしまっている人達。
パーソナリティー障害や解離性(同一性)障害、双極性障害(Ⅱ型)と診断
された方。
そして心のどこかで「死にたい」といつも生き辛さを抱えている人達
・・・。
そんな苦しみに襲われている人の(全てとは言いませんが)多くは、
恐らく「愛着の形成」の部分に問題があると私は推測しています。
それでは、
ここで言うところの「愛着」(アタッチメント)とは何なのでしょうか?
①愛着(アタッチメント)とは?
「愛着」はイギリスの精神科医ジョン・ボウルビィが提唱した
愛着理論の中での定義で、簡単に申しますと
「乳幼児が危機的状況に瀕したりそれを予知し恐れや不安を強く感じた時に
特定の他者(主に親)への近接(くっつく事)を通して、
不安・恐怖を鎮め、安全・安心の感覚を回復・維持しようとする傾性」
という事です。
つまり、乳幼児の心身の不快な事柄や危機的状況に対して、
養育者(主に親)が安全・安心の基地になってあげる事が
その後の子供の発達にとって不可欠であるという事です。
そして、
その様な愛着を基に、子供は安心して外の世界に対する探索行動
(友達や他者との交流や遊び、学習等)を行ってゆく事ができ、
健やかな自我の発達が成されてゆく、
という事です。
子供側からすれば例えば、
お腹が空いて「オッパイが欲しい!」と泣いたら、オッパイがもらえたり、
淋しかったり不安を感じたり神経が高ぶった時に泣いたら、
優しい笑顔で抱っこされ、そういった不快感情を和らげてもらえたり、
安心・安全や落ち着きを与えてもらったり・・・。
言ってみれば、
「自分が欲する通りの反応」を継続的にしてくれる相手が
乳幼児には必要だと言う事だと思います。
ところが、子供時代にその様な「愛着形成」が成されていないと、
後の人生が生き辛くなったり、様々な疾病や障害に繋がると思われる、
所謂「愛着障害」と呼ばれる状態に陥ってしまう可能性が生じます。
次回からはこの「愛着障害」についてお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
コメント