コラム/2023-03-24
統合失調症⑥回復期の症状の特徴~具体例
<前回からの続き>
今回は
「統合失調症」の回復期に多く見られる”症状”についてお書きします。
(4)回復期に多く見られる症状
「統合失調症」の回復期とは、急性期の脳の過覚醒によって疲弊した心身が、
休息期の低覚醒を経る事によって消耗したエネルギーが少しずつ回復し、
徐々に意欲が戻ってきて行動範囲が拡がり、
周囲の出来事に関心が持てるようになってくる時期と言えます。
但し、多くの場合はまだ陰性症状や認知機能障害が残っています。
ここで言う「認知機能障害」とは、
注意力や物事の捉え方・考え方、記憶力、情報処理・問題解決能力の低下
等を意味します。
つまり、
まわりで起きている出来事をキャッチし、置かれている状況を理解し、
どう対応するかを考えたり準備したりする、
或いは、
経験から学んだり、それを他の場面に生かすことが難しくなっている状態
と言えるでしょう。
「認知機能障害」の例
・不要な刺激が気になり、考えがまとまらず、混乱しやすくなる
・複雑な状況や変化に弱く、ついていくのが難しくなる
・ひとつのことに注意を集中することが難しくなる
・一度に憶えられる量が限られてくる
・以前の経験を今に生かすことが難しくなる
・言われた事を、忘れやすくなる
・同時に2つ以上のことをするのが難しくなる
次回は「統合失調症」の診断基準についてお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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