コラム/2023-04-12
統合失調症⑭寛解に向けて~薬物療法(1)薬の種類と作用
<前回からの続き>
今回は
「統合失調症」の薬物療法に主に使用される薬の種類と作用について
お書きしたいと思います。
<統合失調症に使われる主な薬の種類と作用>
「統合失調症」に対して用いられる薬は、
まず「抗精神病薬」と言われるものです。
そしてこれには大きく分けると、
「定型抗精神病薬(従来型)」
と
「非定型抗精神病薬(新規)」
の2つがあります。
最初に開発されたのが「「定型抗精神病薬」で
「コントミン」(クロルプロマジン塩酸塩)、「セレネース」(ハロペリドール)、
「ドグマチール」(スルピリド)等があります。
これらは、
中脳辺縁系のドーパミンD2受容体を遮断・阻害する事によって、
”陽性症状”を抑える作用があります。(陽性症状の出現にはドーパミンの
働きが過剰に促進されている事と関係していると考えられているからです)
但し、
これらの従来型の抗精神病薬は副作用が強く出る事が多かったのと、
”陰性症状”には効果が期待できなかった事もあり、
それらの欠点をカバーすべく開発されて、今現在第一選択薬とされているのが
「非定型抗精神病薬」です。
これには、
「リスパダール」(リスペリドン)、「ルーラン」(ペロスピロン)、
「ジプレキサ」(オランザピン)、「エビリファイ」(アリピプラゾール)
「レキサルティ」(ブレクスピラゾール)等があります。
これらに共通しているのは
ドーパミンD2受容体とセロトニン2A受容体を遮断・阻害する事で、
ドーパミン過剰による&”陽性症状”とセロトニン過剰による”陰性症状”を
抑える事を目的としています。
※「エビリファイ」は、ドーパミンを遮断・阻害するだけでなく、
適度な量に調整する働きを持ちます
※「レキサルティ」は、セロトニンに対する遮断・阻害作用が強いので、
特に”陰性症状”の改善にも特化していると言えるでしょう
※私は心理師であって、医師ではありません。
従って薬剤の処方は勿論できませんし、
お薬に関するご相談はできませんので、ご了承下さい
<次回へ続く>
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