コラム/2023-04-21
統合失調症⑱寛解に向けて~心理療法(3)
<前回からの続き>
今回は、
統合失調症の方への心理療法②として、
「大脳資質と辺縁系の機能と連携の強化」についてお書きします。
<統合失調症の方への心理療法②>
②大脳資質と辺縁系の機能と連携の強化
(私の仮説に依れば、ですが)脳幹による大脳皮質の直接制御によって
機能低下した大脳皮質と辺縁系の機能と連携を強化します。
(1)能動的なインプット
過去のポジティブな(楽しかった・面白かった、幸せを感じた等)出来事、
今のポジティブに感じる事柄(〇〇が好き、〇〇が美味しい、楽しい等)
を思い浮かべます。
更に、
未来のポジティブな(もし今の病気が治って、しかも億万長者になったら
何をしたい?等)想像を思い浮かべます。
(2)思考(大脳皮質)と感情(辺縁系)を繋ぐ
それぞれの出来事に対して
「どう思うか?どう感じたか?どんな気持ちになるか?」
等の答えを言ってもらったり書いてもらう。
※普段からでも、好きな音楽・絵画や映画・ドラマ等を選んでもらって、
それに対する感想や沸いてきた気持ちを言ってもらったり書いてもらう
事も役立つでしょう
(3)前頭葉の強化
前頭葉を中心としたトップダウン状態に戻す為に、
例えば
「過去の失敗や苦い経験」を思い出してもらい、
「今後それを二度と繰り返さない為にはどうすれば良いか?」
とか
「これから先の不安」について、
「そうならない為には今何をすればよいのか?」等と考えて頂き、
前頭葉の働きによる「客観視」や「実行機能」の強化を図ります。
次回は、
「感覚過敏」の環境調整、「愛着形成」、「トラウマ処理」
についてお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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