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コラム/2023-07-07

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認知の歪みなんてものは無い

<前回からの続き>


前々回、

認知(行動)療法スキーマ療法等が、
その論拠とする認知心理学で言うところの

「”不適応”的な信念」「認知の”歪み”」といった考え方に対して、
強い違和感を感じている、とお書きしました。


今回は、
私がそう感じる理由をお書きしたいと思います。




前回のA子さんの例で言うと、

「お姉ちゃんみたいには、勉強ができない私は
 お母さんから愛されない。
 そうなると、この家には必要無い存在だ」

「みんなみたいにうまく答えられない私は、
 クラスのみんなから受け容れてもらえない。
 そうなると学校にも居場所が無くなる」

と感じた事は、
当時のA子さんにとっては”事実”だった訳です。


そして、

「お母さんから愛されたい」

「クラスのみんなから受け容れられたい」
という願いも、彼女の真の欲求です。


だとすれば
「勉強も、質問への回答も完璧にできなきゃいけない」
という思考になるのも当然です。


そしてその考え方には

「完璧にしなきゃ、居場所が無くなってしまう」恐怖
と同時に
「完璧にすれば、愛され受け容れられて居場所ができる」という希望
も含まれている訳です。

例えば
あなたのお子さんや大切な人が敏感さ故に傷つき、

(たとえ誤解だとしても)「私はダメ人間だ」と思い込んで
苦しんでるとします。


そして、
そう思い込んで行き詰ってる我が子が
「勉強さえできれば、うまく答える事ができれば、居場所ができるかも」
と希望を持って自分に鞭打ちながら完璧な自分を目指し続ける姿に、

「あんたのその考え方は間違ってるのよ!」
とか
「考え方が歪んでるのよ!」
と仰ったところで、
お子さんは「わかってもらえた」と感じるでしょうか?


或いは
「そこまで完璧にしなくても愛されるし、此処に居ていいよ」
と言ってあげたとして、その言葉を信じるでしょうか?


逆に
「私をより疎外しようとする”罠”だ」と感じるかも知れません。


一方、
「そう思い込んで、愛され居場所を作る為に、完璧にしようと
 今迄よく頑張って来たんだね!」
とその信念や努力を理解して受け容れてあげるとどうなるでしょう?


そして
「でも、その努力が中々報われず居場所が中々できずに
 辛かったね・・・寂しかったね」
等と共感してあげるとどうなるでしょうか?


「自己受容」とは、
自分の欲求を叶えようとするどんな信念や思考も共感して受け容れる事
であり、

それをして初めて、
頑なな心を(変化へと)少し開く事ができるのでは?と思います。


更に、
その信念があったお陰で希望を失わずに何とか生きて来られたとすれば?
・・・

”その時の自分”に対して、
「あんたの信念は間違っているよ!」
とか
「認知が歪んでいるから直さないとダメだよ!」
等と言ったところで、
それを変える事ができたのでしょうか?


逆に
”その時の自分”は「否定された」「わかってもらえない」と、
より苦しんで絶望のふちに追いやられるのではないでしょうか?


私は、
”その時の自分”を思いやって共感し、
「間違った信念だ」
とか
「歪んだ捉え方・考え方だ!」
否定し続けて来た事を謝罪し、

「そのお陰で今の私がある」感謝する事が大切だと思います。


少なくともそれらは不適応的な信念や認知の歪み等ではなく
その時には必要だった適応的な信念であり、認知であったのだと思います。


但し、
今は確かに不適応的になっているから苦しいのだと思いますが、

無意識下にはそういった信念・認知・感情が
今も時間軸から遊離したまま存在し続けていると考え、

その存在の事をまずは思いやってあげる事が大切だと思います。

※お独りでは難しい場合や、これ以上のヒントが欲しいとお感じになった方
 はお気軽にお問合せ下さい



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