コラム/2023-08-25
妄想性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント
<前回からの続き>
今回は前回お書きした「妄想性パーソナリティ障害の原因」を基に
その寛解に向けてのヒントをお書きします。
<妄想性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>
①敏感さを強めるストレスを減らす
ストレスが高じると、その人の特性(ここでは敏感さ)が強く表出する
と考えられます。
そこで、できる限りストレスを減らす工夫が必要だと思います。
(1)環境調整
例えば、敏感さを刺激してしまう学校・仕事から離れる、
席替え、部署替え、転居、部屋替え、防音の工夫、実家から出る、
等々。
(2)ストレスから来る心の不安定さを安定させる
刺激(ストレス)によって不安定になった心の安定化の方向としては、
(以前もお書きしましたが)、
A.不快刺激のシャットアウト(GABA・セロトニン型)
B.快刺激を求める(ドーパミン型)
C.愛情・愛着・安心等をもたらしてくれる人との交流(オキシトシン型)
の主に3種類があると私は考えています。
そして、
その最も適切な比率/割合は個々人によって違う筈です。
例えば、
ある人にとっての適切な割合がA40%、B40%、C20%とすれば、
「勝ち負けを競うオンラインゲームをして、
チームの仲間と楽しいチャットをする」等は、
理想の比率に近いのかも知れませんし、
また別の人の適切な割合がA70%、B20%、C10%とすれば、
「自室にこもって好きなお菓子を食べながら大好きなアイドルの動画を見る」
が、丁度良い割合になるのかも知れません。
②トラウマの解消
明確なトラウマがある場合は、トラウマの解消を行っても良いと思います。
例えば、EМDR、自我状態療法、等、
カウンセラーが得意なものに委ねてもいいと思います。
③愛着の(再)形成
愛着の(再)形成は何歳になってからも可能です。
※その方法は以前お書きしましたので省略しますが、
詳しくお知りになりたい方はお気軽にご相談下さい
④意識(皮質)の機能を取り戻す
辺縁系(無意識)から自動的に湧き出てくる、記憶や感情、思考や感覚が
皮質側(意識)を凌駕し続けている為に、偏った捉え方や感情・感覚等が
制御不能になっていると考えられますので、
皮質側(意識)の働きを取り戻す必要があります。
その為には、マインドフルネスや認知行動療法、スキーマ療法、
ゲシュタルト療法、フォーカシング、ハコミ等が有効と考えられますし、
皮質側を働かせないと不可能である体験、
例えば(特にドーパミン型の割合が高い人は)独りで海外旅行に行く
等も良いと思います。
<次回へ続く>
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