コラム/2023-10-02
自己愛性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント
<前回からの続き>
今回は前回お書きした「自己愛性パーソナリティ障害の原因」を基に
その寛解に向けてのヒントをお書きします。
<自己愛性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>
(1)自分が一番嫌な事を書き出す
例:「誰も俺を認めない事」
「馬鹿にされる事」
「軽くあしらわれる事」
等々。
(2)過去に、上の「(1)」を感じた場面を書き出す
例:「前の会社で、部長は俺が成績を上げても認めなかった・・・
事務の女も俺を軽くあしらいやがった・・・
あいつら許せない!」
「嫁さんは俺が話し出すと、逃げる様に子供部屋に入ってしまう。
”俺を馬鹿にしてんのか?!誰のお陰で飯喰えてんだ?!”と
怒鳴りつけてやっても、無視してきやがる。
この前、髪の毛を引きずり廻してやったら、
”このままだったら離婚も考えてる”
等と偉そうなことを言ってやがった。
どういつもこういつもバカばっかりで話にならない」
等々。
(3)相手の反応の責任が自分側にもあるとすれば?
例:「え?!俺は悪くない・・・
けど、もし自分側にも原因があるとすれば・・・
俺は認められて当然だから、
認めない奴らを責めるのも当たり前だと思っていたが、
もしかしたら、すぐ声を荒げたり、自慢話や他人のこき下ろし
が嫌だったのかなあ・・・」
(4)自分が自慢話や他人のこきおろし、声を荒げるシーンを
動画で撮って、客観視する
職場で、或いは奥さんに対して採っていた言動を
カメラ(スマホ)がその相手だと思って行い、
その様子を動画で自撮りする。
次にその動画を再生し、
今度は自分が言われてる側として見て聞いてみる。
例:「なんだこいつ(自分)は、自慢話ばかりして・・・
気にくわない奴だな!段々むかついてきた!」
等々。
(5)今後自分が一番恐れている事は?
例:「先月、中途入社した今の会社でも、もし俺を認めない
馬鹿な奴らばっかりだったら・・・。
いい年をしてうだつが上がらないサラリーマンになるのは
死んでも嫌だ!
俺に歯向かう嫁と離婚するのは構わないが、
弁護士立てて来て、可愛い娘に会わせないのに慰謝料だけ払い続けろ、
なんて事になったら、デメリットしかない・・・
そんなのまっぴらだ!」
(6)上の「(5)」の事態にならない様に、自分にできる事は?
例:「俺にとってのデメリットを無くす為には、気が進まないけど、
自慢話やこきおろしは、暫くは心の中だけに留めておかないと
いけないかな?」
等々。
(7)仕事や家庭、生き方等で尊敬できる目標となる人を見つける
例えば、「日本一の営業マン」「同じ父親として尊敬できる人」、
「歴史上の人物」等。
そういった人物が見つかれば、
常にその人物と今の自分を比べ、
「その人にあって、今の自分に足りないもの」を意識し、
その差を埋めてゆく事に全力を尽くす。等々。
※こういった傾向をお持ちの方は
「今のままでは、自分にとって大きなデメリットが生じる」
と認識しないと変わろうとしないでしょう。
ですから、家族や上司、カウンセラー等、周りの方は
「今のままではあなたにとってこんな大きなデメリットが生じますよ」
と、まず納得される様に持ってゆく必要があると思います
※お独りでは難しい場合は、お気軽にご相談下さい
<次回へ続く>
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