コラム/2023-10-16
依存性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント
<前回からの続き>
今回は前回お書きした「依存性パーソナリティ障害の原因」を基に
その寛解に向けてのヒントをお書きします。
<依存性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>
①自我の強化
(1)不安・恐怖を回避せず直視する
不安・恐怖は回避し続けるとどんどん増大してゆきます。
それを避ける為に不安・恐怖と向き合ってみませんか?
以下の様に自問し、それを紙に書き出してみましょう。
※最初は傍に依存相手に居てもらいながら向き合ってみるのがいいでしょう
例「もし今日会社に着てゆく服を間違えたとしたら、
私はどうなる事が心配かな?」
「きっと課長や先輩から”場違いな奴”とか”センスの無い奴”と
馬鹿にされて、助けてもらえなくなる!」
「そうなったら、どうなるのが心配?」
「自分では何もできないので、仕事をクビになっちゃう・・・」
「そうなったとすれば、どうなるのが心配?」
「ニートになって彼から愛想尽かされる」
「そうなったらどうなるのが心配?」
「独りでは生きて行けないから死んじゃう?」
その紙を依存相手に見せて、
「これは違うだろう」と思う所に突っ込みを赤ペンで書いてもらいます。
例「(彼氏=依存相手)着てゆく服くらいで馬鹿にされたり嫌われないよ。
第一お前は職場では”都合のいい便利屋”だから、お前を手放さないよ。
それと、ニートになっても俺はあんまり関係ないな。
そして、お前は赤ちゃんじゃあないんだから、
俺と付き合う前の様に次の相手を探してでも生きてゆくと思うぜ!」
(2)自分は無力で何もできないという信念に対抗する
今迄の人生で、自分で決めた事・判断した事を書き出してゆく
例「えっと・・・トイレへ行くタイミングは自分で決めてる、それと
お風呂で体のどこから洗うか?とか、朝食を食べる食べない、
どの時間に家を出るか?、とかどの動画を観て、どれを観ないか?
いつまで観るか・・・、あと下着は自分で決めてるかな?」等々。
次に、ほんの些細な事でも毎日自分で決めた事、選択・判断した事
を書き出してゆく。
(3)自我(意識側)が自己(無意識側)に安心を与えながら、
自分で決めてゆく経験を積んでゆく
不安・恐怖を回避し続ければ、自我の成長・強化は望めず、
当然自信もつかない筈です。
ですから、自分で決め易い事柄から自分で決める経験を積んでゆく事
が必要だと思います。
ところが、当のご本人は「それができないから困ってるんだよ!」と
お感じになるでしょう。
そんな時には例えば
「どっちの服を着て行ったらいいのか?私じゃ決められない!」
と浮かんで来る思考は、自分の中の子供''(無意識側)が困っていると考えて''、
「彼氏(依存相手)ならどう言ってくれるだろうか?」と考えて、
彼氏が言ってくれそうな言葉を”親”として、自分の中の子供に言ってあげて
安心させるやり方を試してみるのも良いでしょう。
例:「あ~どの服を着て行ったらいいのかな?・・・自分じゃ決められない!」
「(彼氏ならどう言ってくれるか?)」
「どの服でも似合うよ!けど、今朝は少し肌寒くて秋めいて来たから、
アースカラーのワンピがいいかもね!」
「(自分の中の子供に)アースカラーのワンピにしたらいいよ!」
等々。
(4)自分で決める練習を定着するまで実行し続ける
その様にして、自分で決める経験を積み重ねてゆきましょう。
それを実行してゆくと、いつかは(自分の中の子供が)迷った時には、
別の部分(親の部分)がアドバイスしてくれる様になるでしょう。
<次回へ続く>
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