コラム/2023-12-15
学校へ行く為のヒント②対人過敏(2)Bタイプ
<前回からの続き>
今回は
所謂
”対人過敏”を持っている為に学校へ行けなくなっているお子さんの中で、
以前の例で挙げた「B男君」の様な「Bタイプ」の人に向けて
「解決へのヒント」をお書きしたいと思います。
<学校へ行く為のヒント②対人過敏(2)Bタイプ>
以前お書きしたB男君の例では、
「みんな(誰一人として)僕を嫌わないで!」
という事に”強い欲求”を持っている人は、
常に
「誰からも嫌われない様にしよう」
「誰一人として自分に対して不快な反応を見せない様に
コントロールしよう!」
⇒「その為には(我を出さずに)相手に合わせて、
常に相手の不快な表情や言動・雰囲気を注意し続けて、
相手の不快を取り除く為に、
自分が相手にどう思われているか?を意識し、
自分の視線や表情・容姿、話し方や話す内容等を
常にチェックし続けなきゃ!」
という事に持ち前の敏感さが集中しているでしょう。
そうだとすれば、以前お書きした通り、
「相手の不快反応が自分に向けられる事が自分にとっての最大の不快」
になるでしょうから、
最大限相手に合わせ続けて
「自分が相手に不快を与えていないか?」
と、常に
「自分が相手にどう映っているか?どう思われているか?」
に敏感さを集中し、
自分にとっての快/不快といった感情を後回しにし、
常に自分をチェックし続けるでしょう。
言わば、相手の感情を自分がコントロールしようとする訳ですから、
うまく行かず、視線恐怖や脇見恐怖等の所謂対人恐怖になる事もある
でしょう。
そんなタイプの人はどうすれば良いのでしょうか?
以下にそのヒントをお書きしたいと思います。
①相手の不快反応を観察し、”コントロール願望”を弱める
例えば、
自分が属するクラスや班、部活などのグループに中で、
そのグループのメンバーが”自分以外”が原因で不快になっている場面
をチェックしてゆきましょう。
例えば、
「ヒロトが”推し”のアイドルの話をしている時に、
ユウスケはつまらなさそうにしている。
それを感じたヒロトは”なんだよ、ユウスケ!あの娘を可愛いと
思わないのか?!”と不満そうに言ってる」
「カズヤは”あいつまた宿題を沢山出しやがった!”と担任に怒っている」
「コージは”また部活が体育館でのトレーニングだ・・・
うっとおしい雨だな!”と不機嫌になっている」
こういった「自分側で相手の感情をコントロールできない」
という場面を数多く拾い出してみましょう。
②第三者視点での観察
クラスやグループの中で、
「自分と似たタイプ」(つまり相手の感情をコントロールしようとしてる人)
をまず見つけましょう。
そして、
その人の”作戦”がうまく行っているのか?どうか?
を観察してゆきましょう。
例えば
「同じ部活のハヤタは、いっつも周りに合わせて自分の意見を言わず、
顔色ばかり窺ってみんなの機嫌を取る事に必死になってる様に感じる。
僕と似てるかも?」
「でも僕から見たら、結構みんなハヤタに冷たいし、なんかハヤタを
馬鹿にしてる目で見てる人もいる。・・・嫌だなあ
ハヤタは必至なのに、努力が報われずに可哀相だ。」
等々。
③自分の感情を取り戻す
上の「①」「②」をやり続ける事で、
「多くの人達が自分の感情を素直に出しているけど、嫌われていない事」
「相手の感情(特に不快反応)をコントロールするのは難しい事」
が感じられれば成功です。
そうなれば、
自分の感情''(快/不快、好き/嫌い、等)を取り戻してゆきましょう。''
まずは手始めに、お家の中で
「快/不快」「好き/嫌い」「したい/したくない」「言いたい/言いたくない」
「こうして欲しい/欲しくない」「こう言って欲しい/欲しくない」
等の自分の感情を感じて、
それを出しやすい相手から少しずつ出してゆきましょう。
例
「お母さん、ゴ、ゴメン、ミソ汁が少ししょっぱいんだけど・・・」
「綾香(妹)、悪いけ、お兄ちゃん宿題やってるから、もう少し静かに
してくれないか?」等々。
次に、
学校のグループのメンバーを思い浮かべて
「好きな子/好きじゃない子/どっちでもない子」
に分けていきましょう。
そして、
「好きな子」が快になるだろう事で、
自分にとってもそれをする事が快である事を
(もし顔を合わせる機会があれば)、やってみませんか?
例えば
「グループの中で、シンイチロウは優しくて一番好きだ。
だから今までは、特に彼が不快にならない様に、
気を遣って合わせてしまい、自分から何かを言う事もなかった・・・
でも彼に気を遣う事は、したい事ではないなあ。
彼にとって快で、しかも僕にとっても快な事は?・・・
そうだ!今度学校に行ったら、今迄の恩返しがしたいな。
一つでいいから彼に親切にしてあげよう。」
等々。
次回は、
対人過敏から来る苦しみで学校へ行けなくなった人の中で
以前例に挙げた「C子さん」のタイプの人に向けて
解決へのヒントをお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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