コラム/2023-12-27
学校へ行けない人へ③心的過敏(2)D型の例
<前回からの続き>
今回からは、
”心的過敏”とも言うべき、感情的な快/不快への過敏さを持っている為に
学校へ行けなくなっているお子さんの中で
「D型」(不快感情を回避する戦略として、
主にドーパミンや(ノル)アドレナリン等の興奮性の神経伝達物質を利用し、
不快刺激(⇒不快感情)を快刺激(⇒快感情)やより強い刺激に置き換える、
と思しきお子さんの例と解決へのヒントをお書きしてゆきたいと思います。
<学校へ行けなくなったお子さんの例(2)D型>
◎D男君の例(D型=ドーパミン安定型)
「中学2年生のD男君。勉強が苦手なのか、
1年生の時には授業中は友達と話したり騒いだり、
ノートに落書きをしている事が多かった。
それでも野球が好きで、部活の練習だけは熱心にやっていた。
学年が変わって新しい担任は厳しい人で、
そんな彼を”このままでは社会で通用しないぞ!”
等と、厳しく叱る事が多くなった。
そして、夏休み明けから朝母親が起こしても
”しんどい”と、学校を休む日が増えて来て、
そのうちに殆ど行かなくなってしまった。
但し、土曜日の部活の練習だけは参加する事もよくあり、
体育大会や文化祭、校外学習には参加したりしていた。
そんな息子の姿を見たご両親は、
”あんた、行こうと思ったら行けるんじゃないの?!
サボらずに行きなさい!”と登校を促したが、
”うるせえ、ババア!”とキレて物を投げつける様になった。
しかも深夜遅くまでスマホゲームに熱中する姿を見たお母さんは、
”きっと、ゲームのせいで起きられないんだわ!”とスマホを取り上げると、
D男君は母親を突き飛ばし、怪我を負わせてしまった。」
<解説>
上の例では、
状況からD男君は
①快/不快刺激に極めて敏感である
勉強が嫌いな子にとっては、勉強を強いられる事や叱られる事は
誰だって不快刺激となるでしょう。
ところが、生まれつき快/不快刺激に極めて敏感なお子さんの場合は、
それが耐えられないレベルになる事もあるでしょう。
(勿論、環境因から来る”耐性の問題”も考えられますが、
その可能性は別の機会に譲ります)
②不快刺激を回避するパターンが
「D型(=ドーパミン安定型)」である
D男君の場合、
不快刺激を回避する戦略が、
「友達と話す」(快)
「落書きする」(快)
「好きな部活や学校行事に参加する」(快)
「ゲームに熱中する」(快)
等、
快刺激を満たす方向に偏っている事、
快刺激を妨げようとする担任へは逃走反応(授業を休む)が生じ、
母親へは闘争反応でキレる、
といった事柄から
恐らくD男君は、
私が言うところの「D型」(不快感情を回避する戦略として、
主にドーパミンや(ノル)アドレナリン等の興奮性の神経伝達物質を利用し、
不快刺激を快刺激や、より強い刺激に置き換える事で不快感情を安定させる
タイプ)である、
と想像されます。
もし、
これらの私の推察が正しければ、
D男君の様な「D型」の人やその親御さんはどうすれば良いのでしょうか?
次回は、
私が考えるその解決へのヒントをお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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