コラム/2023-12-31
学校へ行けない人へ③心的過敏(3)О型の例
<前回からの続き>
今回からは、
”心的過敏”とも言うべき、感情的な快/不快への過敏さを持っている為に
学校へ行けなくなっているお子さんの中で、
主にオキシトシン(愛着や絆を司る神経伝達物質)を利用し、
他人との交流によって、不快刺激から来る不快感情を回避し、
感情の安定を図る「О型」と思しきお子さんの例と解決へのヒント
をお書きしてゆきたいと思います。
<学校へ行けなくなったお子さんの例(3)О型>
◎О子さんの例(О型=オキシトシン型)
「中学3年生のО子さんは明るく社交的で、テニス部でもキャプテンを務め、
後輩の面倒見も良く、下級生からも慕われていました。
3年生になってから、部活の仲の良い子がクラスに一人も居なくなって、
母親に愚痴っていましたが、それでも休み時間や放課後は別のクラスの
部活の仲間の所へ行っていた様で、毎日友達との楽しい出来事を
母親に報告していました。
やがて部活を引退して、仲間達も受験勉強一色のモードになり、
放課後に彼女達とつるむ事も無くなってきました。
その頃からО子さんは元気が無くなり、
仕切りに母親に勉強の成績や受験への不安を口にする様になりました。
母親は”心配し過ぎよ!あんたの実力なら大丈夫だって”と極力笑顔で
娘の不安を打ち消そうと試みていました。
今迄は、それですぐに笑顔が戻っていたのですが、
今回はそうは行かず、段々とО子さんから笑顔が見られなくなりました。
やがてО子さんは”勉強しなきゃいけないけど、頭に入らなくなっちゃった”
とうつっぽくなってゆき、学校も休みがちになりました。」
<解説>
上の例では、
状況からО子さんは
①快/不快刺激に極めて敏感である
О子さんは、「勉強しても頭に入らない」等といった
抑うつ状態に至る過剰な反応が生じている所から
居場所が無くなる事や受験や学校の成績への不安といった
不快刺激に極めて敏感であると想像されます。
②不快刺激から来る不快感情を回避するパターンが
「О型(=オキシトシン安定型)」である
О子さんの場合、
「仲間と一緒に居る」(快)、
「母親に甘える」(快)、
等、
他人との交流によって不快感情を回避する方向性を有している
と考えられます。
恐らくО子さんは、私が言うところの「О型」、
つまり
主にオキシトシン(愛着や絆を司る神経伝達物質)を利用し、
他人との交流で不快刺激(⇒不快感情)を回避し、感情の安定を図るタイプ
である、と想像されます。
ところが、部活の引退、受験等で、仲間と交流する機会が失われ、
おまけに母親もその悩みの深刻さをわかってくれないと感じて
(勿論、お母さんの対応に問題がある訳では無いのですが)、
感情の安定が図れなくなってしまったのでは?と考えられます。
もし、これらの私の推察が正しければ、
О子さんの様な「О型」の人やその親御さんはどうすれば良いのでしょうか?
次回は、私が考えるその解決へのヒントをお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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