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コラム/2024-02-05

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恋愛/結婚がうまくいかない②愛着の問題(5)転移例D

<前回からの続き> 




<転移例D過保護.甘やかす親>

(1)服従型


 
ヒロシさんは、地元の市役所に勤める20代後半の男性です。

 彼は柔和で年齢よりも若く見られ、
 先輩や上司から可愛がられるタイプですが、

 少し難しい仕事を頼まれると困ってしまい、すぐに周りの人に頼ってしまう
 といった甘え上手な所もありました。


 ヒロシさんは、地元で二人兄弟の次男として生まれました。

 彼の母親は愛情深い人でしたが心配性
 二人の息子が幼稚園の頃から”忘れ物しない様に”と
 カバンの中身を毎日チェックして入れてあげたり、

 ”息子たちには自分の様に苦労させたくない”という考えから、
 息子が欲しがる物は何でも買ってあげたり宿題等も手伝う様な人
 でした。


 現在、ヒロシさんは2つ年下の彼女と同棲していますが、
 職場での出来事や愚痴も一方的に毎日細かく彼女に話していましたし、

 彼女も働いているのに、家事も遊びのプランを立てる事も全部彼女任せ
 でした。


 彼女は最初はそんな彼の甘えたさんの部分を可愛いらしく感じていた
 のですが、

 何一つ引っ張っていってくれる部分の無い彼の事を
 ”頼りなさ過ぎ!”と段々嫌気がさしてきて、
 最近では別れ話を口にする事も増えてきました。


 思い返せば、前の彼女も
 同じ様に彼の頼りなさや依存心の強さに辟易して去ってゆきました。」

 

 
(2)闘争型 

「ヒロシさんの兄のヒデキさんは、
 ”ここに居たら自分はダメになってしまう”と、

 母親の反対を押し切って全寮制の高校へ進学し、東京の大学を出て、
 そのまま東京に残り、中堅の商社に就職しました。


 他人に頼らず、独りで仕事を抱えてしまうヒデキさんは、
 いつも忙しく、ストレスフルな毎日を送っていました。


 ヒデキさんの彼女はクールな女性で、

 彼が鬱っぽくなって仕事の話をしようとしても、
 ”そんな暗い話は聞きたくない!自分で選んだ仕事でしょ?!”
 と突き放されるので、

 ”お前は俺がどうなってもいいのか?!”等と喧嘩になる事も
 しばしばでした。


 イケメンでモテるヒデキさんは、
 今迄何人もの女性と付き合って来ましたが、

 ”別れるのなら、死んでやる!”と脅されたり、
 ”私と仕事とどっちが大事なの?”と詰め寄ってくる様な
 依存的な女性であったり、

 今カノの様にクールな女性ばかりで、
 ”どいつもこいつも自分の事なっかりでちっとも俺の事を考えてくれない!”

 と嘆く日々が続いています。」



   
<解説>

上の兄弟の様に、

過保護.甘やかす親の許で育った場合は、


「現実の親」=何でもやってくれて、甘えさせてくれる存在


「理想の親①」=何でもやってくれて、甘えさせてくれる存在


「理想の親②」=自主性を尊重してくれて、自立心を養ってくれる存在

と考えられます。

ここで私が思うに

「理想の親」が①のタイプの人

恋人や配偶者等、親密な関係になる相手に(自分は変わらずに)
「理想の親像①」を求め続けるというパターンがメインであると考えられ、

「理想の親」が②のタイプの人

恋人や配偶者等、親密な関係になる相手に(自分も変わろうとしながら)
「理想の親像②」を求め続けるというパターンがメインである

と考えられます。


ここで、

前者を「服従型」

後者を「闘争型」
と仮に名付けます。


例えば、
「服従型」と思われるヒロシさんの場合は、

「僕が好きな人は僕の事を一番に考えてくれて甘えさせてくれるはずだ」

という信念ができあがっていると考えられます。


だとすれば、

「僕の事を一番に考えて!」「甘えさせて!」「何でも許して!」
等と相手への要求がエスカレートしてしまうでしょう。


そしてそうなった時に、
相手がうんざりする
か、
そうしてくれない相手に不満を持ってしまうか?

になってゆく事が多いと思います。



次に

兄のヒデキさんの様な「闘争型」のタイプの人は、

「理想の親像②」を好きな相手にダブらせてしまう(転移)
と考えられますので、

(自分の自立心を養おうとしながら)
自主性を尊重してくれて、自立心を養ってくれる存在
無意識が選ぼうとするでしょう。


それ故、
甘えを許さない人やクールな人を選んでしまう事が多いと思います。


ところが、

冷たくされ続けると、それはそれで
「俺の事を大切にしろ!」となってしまうでしょう。

何故なら、
「闘争=反発」以前は、「服従=享受」

つまり
親の過保護を受け容れていた自分が居て、
無意識のその部分では、”大切にされて当然だ!””もっと甘えさせて!”
と感じているからです。




※1.逃避型の方もいらっしゃると思いますが、ここでは割愛します


※2.転移によって恋愛/結婚がうまくいかない方に向けての解決のヒント
   はこの章の最後にお書きします




次回は、

「愛着の問題」による代表的な”転移の例”のうち、
依存的な親の許で育った場合の例をお書きします。

<次回へ続く>



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