コラム/2024-03-06
恋愛/結婚がうまくいかない⑦依存型
<前回からの続き>
今回からは、
「相手への依存」によって恋愛/結婚がうまくいかない方
に向けてお書きしたいと思います。
<相手への依存によって恋愛/結婚がうまくいかない人の例>
例:
「A子さんは20歳の女子大生です。
友達は多いのですが、
悩み事があると、すぐ友達やお母さんに話して慰めてもらい、
また寂しがり屋で、
友達と一緒でないと独りではカフェやトイレにも行けません。
でも、そんな彼女の事を友人達は好意的に見てくれていて
”A子の甘えたさんの所が可愛い”と思ってくれる友人も居ました。
そして彼女は彼氏にも
”ねえ・・・寂しいからもうちょっと一緒に居よ?”
とデートの後に駄々をこねたり、
社会人の彼氏が
”今度の休みは大事なプレゼンの準備をしなきゃいけないから会えない!”
等と言おうものなら、
”仕事と私とどっちが大事なのよ!”と拗ねたりしました。
そんな彼女の”ワガママ”に次第にうんざりしてきた彼氏は
彼女と徐々に距離を取っていきました。」
<解説>
上のA子さんの例では、
母親や友人、彼氏を””安全基地”と認識している点から
幼い頃の愛着形成は成されていると考えて良いでしょう。
ただ、
その次の段階で必要とされる愛着の内在化(内的作業モデルの確立)
という点では、疑問が残ります。
特に、自己慰撫力や感情の耐性、
つまり
自分の感情等の自律神経系を「自動調整」(自分独りで落ち/着く)する能力
が、あまり身についていないと考えられます。
ですから、
寂しさや不安等が生じた時に、自分で自分の機嫌を取ってあげる事ができず、
他人に調整してもらう必要が出てきてしまい、
それを彼氏が鬱陶しがる、という構図が出来上がります。
安定型の愛着をもたらす親は、
ストレスから子供の興奮が高まったら、安心を与え落ち着かせたり、
逆に子供の気分が落ち込んでいる時は、気分転換させたり元気づけたりして
活力を取り戻そうとします。
こういった、子供の自律神経系(感情等)の調整をする事を
「相互調整」(他者によって落ち着く)と言います。
そして、
こういった感情と身体の体験を繰り返してゆくと、
それが潜在的な手続き記憶となり、
子供の脳の右眼窩前頭前野の発達が促進され、
自己慰撫力や感情の耐性、
つまり
「自動調整」(自分独りで落ち/着く)する能力が身について来る
と考えられています。
ところが、
①親の愛情が深すぎる為に、
子が大きくなってもずっと「相互調整」を続けた場合
或いは
②子がいくつになっても親離れできずに、
「自動調整」する能力が身につかなかった場合
(恐らく子が極端な感覚過敏を有していると、
そこから生じる情動に圧倒されるから
独りでは難しくなるのではないか?と私は考えています)、
等は、
いずれも右眼窩前頭前野の発達が遅れる等の理由によって、
「自動調整」する力が不足して依存的になるのでは?と思います。
次回は、
「相手への依存」によって恋愛/結婚がうまくいかない方
に向けて、その解決のヒントお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
コメント