コラム/2024-03-15
恋愛/結婚がうまくいかない⑨共依存的な傾向
<前回からの続き>
今回からは、
自分を犠牲にしてでも相手を助けてしまうといった「共依存的な傾向」
によって恋愛/結婚がうまくいかない方に向けてお書きしたいと思います。
<共依存的な傾向によって恋愛/結婚がうまくいかない人の例>
例:
「C子さんは、シングルマザーの母親の許で育ちました。
彼女は幼い頃から純粋でとても優しい子で、幼い妹の面倒を見たり、
言われなくても掃除や料理を作ったりと母親を助けてきました。
学校でも、いじめられて仲間外れにされた子と友達になったり、
クラスに馴染めずにいつも淋しそうにポツンと独りで居る子に
積極的に声を掛けたりしていました。
恋愛でも、どこか寂しそうな影がある人に魅かれたり、
”可哀相”な生い立ちを聴いてしまうと放っておけなくて、
いつのまにか付き合う事になっていたという事が多かった様です。
”今彼”も壮絶な子供時代を過ごした様で、同情から恋に落ちてしまいました。
彼はトラウマを抱えてまともに働く事ができず、
その辛さを紛らわす為にお酒や女遊び、ギャンブル等にはまってしまう、
という事でした。
C子さんはそんな彼を不憫に思い、給料の半分近くを彼に渡し、
彼の散財を咎めるどころか、愚痴の聞き役、慰め役を担ってきました。
ところが、彼の散財は次第にエスカレートしてゆき、
C子さんは消費者金融に手を出し、多額の借金を抱える様になりました。
周りの友達からは”彼氏と別れた方がいい”と言われても
”私が彼を見捨てたら、彼の味方が居なくなってしまう”といった
C子さんなりの強い正義感から別れる事ができずに、ずるずると来てしまい、
最近では、彼女自身もうつっぽくなってきて、限界を感じています。」
<解説>
上のC子さんの例では、
彼女は「他人を助ける事に依存している」、即ち「共依存」の傾向が強い
と考えられます。
それでは、
彼女は何故そういった強い傾向を持つ様になったのでしょうか?
私の考えでは、
①生まれつき(恐らく遺伝的に)自分の快/不快(感情)に敏感であり、
しかもそれと同等かそれ以上に 相手の快/不快に対してとても敏感
である
②相手の為にやった事で報酬(例えば褒められた等)を得た経験をした
または
③相手の為にしなかった事で罰(例えば怒られた、悲しい顔をされた等)
を受けた経験をした
(或いは「②」と「③」の両方)
例えば、
C子さんの場合は、
妹の世話をし、家事を手伝った事を
母親から「有難う!本当にあなたが居てくれて助かるわ!」と
満面の笑みでハグされたとすれば、
自分の快/不快に敏感な子は強い快感情(報酬)を得るでしょうし、
同時に相手(母親や妹)の快感情にもとても敏感であれば、
そこからも強い快感情を得る、
といった二重の報酬が得られる訳です。
逆に、
妹の世話をしないとか家事をしていないとみなされて、
母親に文句を言われたたり、がっかりされたとすれば、
自分と相手の不快感情、即ち二重の罰を受けてしまう訳です。
そして、
それらの「報酬」や「罰」がその傾向に拍車をかけてゆき、
特に「報酬」を得られる相手に無意識に魅かれ、
報酬を得る/罰を避ける事を繰り返してゆくうちに
(共)依存状態から抜け出せなくなるのだと考えられます。
次回は、
「共依存的な傾向」によって恋愛/結婚がうまくいかない方に向けて、
その解決のヒントお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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