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コラム/2021-04

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2021/4/30 (金)

HSPの人がアダルトチルドレンから脱出するには?④

<前回からの続き>

前々回の
「①養育者(主に母親)への執着を手放す」

前回の
「②養育者(主に母親)との関係における心の傷を癒す」
ができ、

後は
「③自分や他者、物事の捉え方を変える」

「④新しい捉え方に基づき、日々の行動を変えてゆく」
ができれば、

HSPの人がアダルトチルドレンから脱出する事ができると思います。

③自分や他者、物事の捉え方を変える

(1)「黒」の信念をあぶり出す


(2)「黒」の信念を突き崩してゆく


(3)「白」のファイルを充実させてゆく


※詳細に関しては、「HSPの人が愛着障害から抜け出す為のヒント②」
をご覧ください。




④新しい捉え方に基づき、日々の行動を変えてゆく

(1)今の実生活での「不安・恐怖」を感じる場面を書き出す


(2)今感じてる恐怖と自分の本当の欲求を書き出す


(3)怖がってる子供(の自分)に、安全・安心と許可を与える


(4)不安・恐怖に打ち克つ事ができれば労う


※詳細に関しては、「HSPの人が愛着障害から抜け出す為のヒント⑤」
をご覧ください。




以上、
ここまでHSPの人がアダルトチルドレンから脱出する具体的な方法
をお書きしてきましたが、以下の点をご注意下さい。


※注1:トラウマ(心の傷)に触れる事もありますので、
    できれば我々専門家のもとで行って頂く事が望ましいです


※注2;トラウマ(心の傷)や親への執着が強い場合は、
    別途、トラウマ解消や執着を断つワーク(心理療法)が必要な場合
    もあります


※注3:不安・恐怖等が強すぎたり、落ち込みが酷く、お書きした方法を
    実行できない方は、まずそれらの状態を改善するカウンセリングや
    環境調整をお手伝いする事が優先される場合もあります


※注4:いずれにしましても、お一人で難しい場合はお気軽にご相談下さい



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2021/4/28 (水)

HSPの人がアダルトチルドレンから脱出するには?③

<前回からの続き>


  
前回お書きした方法で、

「養育者(主に母親)への執着を手放す」事ができても、
幼い頃の自分は、母親との関係において傷ついたままです。

ですから、その「心の傷」を癒す必要があると思います。

今回は、その具体的な方法をお書きしたいと思います。




②養育者(主に母親)との関係における心の傷を癒す

※前回書いて頂いた場面を用いてなさっても良いかと思います

(1)椅子(クッション・座布団)を2つ用意し、
 少し離して向かい合わせに置き、
 お気に入りのぬいぐるみや枕を抱えて、一方の席に座ります。

(2)その席で幼い頃の自分に身を置いて、(主に母親との間で)
 心の傷となっている出来事を思い浮かべましょう。

「その時、幼いあなたはどんな気持ちでしたか?」

「本当はお母さんにどうして欲しかったですか?」

「本当はどんなお母さんだったら良かったのでしょうか?」

・・・その時の気持ちと考えを感じてみましょう。

(3)ぬいぐるみ(や枕)を置いたまま席を立って、
 今度は向い側の席に座り、今の大人のあなたが、
 幼い頃のあなたの「理想のお母さん」になったと想像しましょう。

(4)向かいの席のぬいぐるみ(や枕)が、
 幼い頃の自分だと想像します。

 何歳くらいのあなたでしょうか?
 どんな服を着てどんな髪型で、どんな表情をしているでしょうか?

(5)「理想のお母さん」としてその子に声をかけ、
  共感してあげましょう。

例:「えみちゃん、本当はお母さんが味方になってくれて、
   お父さんの否定から守って欲しかったよね!」

  「そうしてもらえなくて悲しかったよね・・・」と声を掛け、
  そのぬいぐるみ(や枕)を抱っこしましょう。

  そしてその感触や匂い、温度を感じ、
  幼い頃の自分と重ね合わせましょう


 
(6)そして、「その子」の安全基地になってあげましょう。

例:ぬいぐるみ(や枕)を幼い頃の自分だと感じて、

 「私がいるからもう大丈夫だよ!えみちゃんをずっとお父さんから
  守り続けるから安心してね!」とハグしたりなでなでしましょう。

(7)次に「どうして欲しい?何でもしてあげるよ!」と
 その子の欲求を叶えてあげましょう。(安心基地)

例:「ママ、絵本を読んで!」→「いいわよ」
  と絵本を読んであげる


(8)更に、その子がしたい事をさせてあげましょう。(探索基地)

例:「ママが見守ってるから何をしても大丈夫だよ!何したい?」

  →「公園で遊んでいい?」
  
  →「いいわよ。ママが見ておいてあげるから
    好きなだけ遊んでいいわよ」

(9)そして、その子に愛を伝えましょう

例:「ママはえみちゃんが良い子であってもお転婆でも
   ママを心配してくれてもしてくれなくても、
   そんな事関係なく大好きだよ!

   えみちゃん、生まれてきてくれて有難う!」

  と、ぎゅっと強く抱きしめましょう。

(10)その子を自分の中に取り込みましょう。

 抱きしめてるぬいぐるみ(や枕)から、
 胸の中へ幼い自分が入って来たと想像し、
 自分の胸の中の(幼い自分が入ってきた)感覚を感じましょう。

 そして自分のハートから、ピンクや淡い色の愛の光が
 胸の中のその子に流れ込む感じを想像しましょう。

(11)胸の中のその子に声を掛けましょう。

例:「えみちゃん、これからはいつも一緒だよ。

   あなたが悲しい時、辛い時は、いつでも私が
   傍に居るから安心してね!そして一緒に成長して行こうね!
   大好きだよ!」


   
(12)今後は、胸の中の幼い自分が怖がったり、悲しんだり
  寂しがったりすれば、「理想のお母さん」として
  ケアしてあげましょう。

それでは次回は

③自分や他者、物事の捉え方を変える

④新しい捉え方に基づき、日々の行動を変えてゆく

についてお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2021/4/26 (月)

HSPの人がアダルトチルドレンから脱出するには?②

<前回からの続き>

今回からは、

前回お書きした「HSPの人がアダルトチルドレンから脱出する方法」
「①」~「④」について、一つ一つ具体的に述べてみたいと思います。




<HSPの人がアダルトチルドレンから脱出する方法>

※注;トラウマに触れる事になりますので、
   できれば信頼できるカウンセラーの許で行う事が望ましいです

①養育者(主に母親)への執着を手放す



(1)自分が幼い頃、養育者(例えばお母さん)に対して、
  ネガティブな感情(例:寂しさ、悲しみ、怒り、恐怖・不安等)
  最も強く感じた場面を思い出します。

 
(2)紙を用意して、その場面を「場面」と題して簡単に書きましょう。

例:(場面)「私が小1の時にお酒に酔ったお父さんが私を否定し続けた時、
       お母さんは味方になってくれず、ただうつむいて黙っていた」


(3)その時自分は本当はお母さんに「どうして欲しかったのか?」

  そして、「そうしてもらえなくてどんな気持ちになったのか?」

  更には「どんなお母さんでいて欲しかったのか?」を考えます。

例:「本当はお母さんが私の味方になってお父さんの否定から
   守って欲しかった!」

  「そうしてもらえなくて悲しかった!」

  「本当はいつも私の味方になって、気持ちをわかってくれるお母さんで
   いて欲しかった!」


(4)お母さんに対するその「して欲しかった事」と「自分の気持ち」
  と「理想のお母さん像」も、それぞれ紙に書きましょう。


(5)椅子かクッション・座布団を2つ用意して、
 自分が一方の上に座り、もう一方を自分の座ってる位置の前方に
 少し離して置きます。


(6)自分はその時(その場面の幼い頃の)の自分に成り切りましょう。

  そして、向いの椅子(クッション・座布団)には、
  当時のお母さんが 座っていると想像します。

  お母さんはどんな服を着て、どんな髪型で、どんな表情をしてる
  でしょうか?  視線は?・・・等とありありと想像します。


(7)「(3)」で書いた内容を基に、目の前の(イメージの)お母さんに対して
   感情を込めて実際に言葉に出して「(4)」の内容を言いましょう。 


(8)その言葉を聞いた向かいの席のお母さんは、
  どんな様子をしてるでしょうか?  何か言いたげでしょうか?
  ・・・想像してみましょう。


(9)今度は、向いのお母さんの席に座ってお母さんに成り切りましょう。

 (お母さんの体にすっぽり入って、脳みその中もお母さんになった
  と想像して、表情や様子を真似してみましょう)


(10)お母さんの席でお母さんに成りきる事ができれば、
  目の前の席(自分が元居た席)にその当時の自分が座ってる
  と想像しましょう。

  目の前の幼い自分は、どんな服や髪型で、どんな表情や様子をして、
  どんな事を必死に訴えてきていますか?


(11)我が子(幼い頃の自分)の訴えをどう感じるか?
  をお母さんとして、感じてみましょう。


(12)お母さんとして感じた事を目の前の我が子(幼い頃の自分)
  実際に言葉にして伝えましょう。

例:「あなたが、そんなふうに感じているとは気づかなかった。
   ゴメンね・・・」


(13)(お母さんに成り切ったまま)何故我が子が望むお母さん像に
  沿った母親になれなかったか?の想像を巡らせて、
  それを目の前の我が子(幼い頃の自分)
  実際に言葉にして伝えましょう。

例:「お母さんは、お父さんとの結婚に反対されて、駆け落ちみたいに  
   お父さんと結婚したの・・・。もし、私があなたの側についちゃうと
   お父さんは怒って追い出されると思う。

   もしそうなっても実家には頼れないし、かと言って幼いあなたを
   私一人で育ててゆく自信がなかったの。
   だからこうするしかなかった・・・」


(14)今度は自分の席に戻って、再び幼い頃の自分になって、
  目の前のお母さんの言葉を受け止めましょう。

  それを聞いて、どう感じますか?どんな気持ちになりますか?
  そして、お母さんに何て言いたいでしょうか?


(15)幼い頃の自分に成りきって、その気持ちを実際に言葉に出して
  目の前のお母さんにぶつけましょう。

例:「謝ってくれたのはいいけど、そんなの言い訳でしょ?!
   私の気持ちなんて何にもわかってない!お母さん許せない!
   お母さんの馬鹿!」


(16)そう言った時の目の前のお母さんの表情や様子から
  お母さんの気持ちを読み取りましょう。


(17)次に、自分の席とお母さんの席から離れた場所に
  「今の大人の自分」の席として、もう一つ席を作り
  そこに座ってみましょう。

  「大人の自分」として、二人(幼い頃の自分と当時の母親)
  やり取りを見てどう感じたでしょう?


(18)今の「大人の自分」として感じた事を当時の母親(の席)に向かって
  声に出して言ってみましょう。

例:「確かにお母さんの事情はわかる気がする。

   でも、私だったら幼い我が子を否定の嵐から守るために
   お父さんをたしなめると思うわ。

   たとえお父さんから追い出されて、実家にも頼れないとしても
   我が子の為に必死で働いて育ててゆくわ。
   お母さんにはその決意と勇気が足りなかったのね」


(19)(引き続き)「大人の自分」の席で、
  「お母さんに足りなかった(能力がなかった)部分」と
  「お母さんが(自分の為に)してくれた事」を書き出しましょう。

例:「足りなかった部分」=「母親として子を守る勇気と強さ」
  「してくれた事」=「お弁当を作ってくれた、病気の時看病してくれた、
            私がしたい習い事をさせてくれた」


(20)「大人の自分」として幼い頃の自分(の席)に向かって
  お母さんの「足りなかった部分」と「してくれた事」を
  声に出して読んであげます。


(21)次に「大人の自分」として「幼い頃の自分」を促して、

  お母さんの「足りなかった部分」を「せえ~の!」と
  声をそろえて言った後で「諦めます!」と宣言して
  「足りなかった部分」の紙を破りましょう。

例:「えみちゃん、”せえ~の”で一緒に言ってね」

  「お母さんは母親としては未熟で、私を守る強さがなかった」
  「悲しいけど、腹が立つけど、そもそも能力が無いから諦めます!」
  (と大人の自分が幼い頃の自分を促して一緒に言う)

  そして紙をビリビリに破ります


(22)そして「大人の自分」として「幼い頃の自分」に
  お母さんの「してくれた事」を読み上げてあげて、
  「せえ~の!」と声をそろえて「お母さん、有難う」
  と一緒に言いましょう。

例:「えみちゃん、そんなお母さんでも、
   お弁当を作ってくれたり、病気の時看病してくれたり、
   したい習い事をさせてくれたよね」

  「”せえ~の”で一緒に”お母さん有難う”って言おうか?」


※もし一人では難しい場合は、お気軽にご相談下さい

以上、
「養育者(主に母親)への執着を手放す」方法をお書きしましたが、
もし幼い頃に親に言えてなかった気持ちを、今、親に言えるのであれば
まず伝えてみましょう。




次回は

「②養育者(主に母親)との関係における心の傷を癒す」
について具体的な方法をお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2021/4/23 (金)

HSPの人がアダルトチルドレンから脱出するには?①

<前回からの続き>

前回お書きした様に、
HSPの人は「O」(刺激に過敏)であり、「E」の強い感情反応が起き易く、
容易に心の傷(トラウマ)ができ易いと考えられます。


そして、
「S]の感度の鋭さで、ちょっとした母親のネガティブな言動や表情を読み取り、
「D」の深い処理によって、


例えば

「お母さんは私を愛してくれてないのかなあ?」


「それは何故だろう?」「私の存在が負担になってるんだ」


「だとしたら私なんて生きてる価値がないんだ」


生まれてきてゴメンなさい」


「でも、愛して欲しいよ!」


「どうしたら愛してもらえるのかなあ?」


「そうだ!良い子にして、お母さんの期待に応え続けたら
  いつか愛してもらえるのかも・・・」


「だから私はどんな事があっても良い子にしなきゃ
  お母さんの期待に応えなきゃ!

等といった絶対的な結論=信念を創り出すと考えられます。


そしてそれは大人になっても「私には存在する価値なんてない」
「(価値を得る為には)良い人でなきゃ!他人の期待に応えなきゃ!
等といった(深い処理の結果で得た)信念に基づいて生きてゆく
事になるでしょう。

そしてそこには「自己否定」と共に「母親から愛されたい」という強い執着
が存在すると考えられます。


つまり、
「私は愛されるに値しない」(=こんな私でゴメンなさい)という信念

「何で私を愛してくれないの?!」(=悲しみ、許せない気持ち)

「もっと私を愛してよ!」(=執着)といった相反する感情が存在するのでは?
と思います。

それでは、
どうすればHSPの人はアダルトチルドレンから脱出する事ができる
のでしょうか?


私の多くの臨床経験から、以下の「①」~「④」を順番に行ってゆく事
が有効であると思います。

<HSPの人がアダルトチルドレンから脱出する方法>


①養育者(主に母親)への執着を手放す


②養育者(主に母親)との関係における心の傷を癒す


③自分や他者、物事の捉え方を変える


④新しい捉え方に基づき、日々の行動を変えてゆく

次回からはこの「①」~「④」具体的な方法
をお書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



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2021/4/21 (水)

HSPの人とアダルトチルドレンの関連性

今回からはアダルトチルドレンとHSPの人の関連性について
お書きしてゆきたいと思います。

まず、
「アダルトチルドレン」という概念から。




①アダルトチルドレンの概念・定義

アダルトチルドレンという概念は、1970年台のアメリカで提唱され始めた
と言われています。


その(狭義の)定義としては、

「親がアルコール依存」であったり、(身体的・心理的に)「虐待する親」
 であったり、「ネグレクトする親」であったり、「不仲」であったり、

 所謂「毒親」であった為に、「機能不全の家族」の下で育った子が
 心に傷を受けて、自己肯定感が育まれず、自他に対する基本的な信頼感
 を得られず、大人になってからも生き辛さを抱えてしまう

と言ってよいかと思います。

②何故HSPの人はアダルチルドレンになり易いか?


上記の様な、典型的な「毒親」「機能不全家族」の下で育った人は
非HSPであっても、自己肯定感が低くなり、自他への基本的信頼感が育まれず、
生き辛い人生になると予想されます。


ましてHSPの人であれば、「O」(刺激に過敏)であるが故に、
親の怒鳴り声や親が怒って立てる音、親の鬼の様な形相、

(「あんたなんて産まなかったら良かった」、とか「出て行け!」等の)
言葉等で人一倍神経が高ぶり「E」の強い感情反応が起き、
容易に心の傷(トラウマ)になる事が想像できます。


そして、エレイン・アーロン博士が
HSPの人の5番目の特徴として述べておられる「D」(差次感受性
=ネガティブな環境や変化からはネガティブな影響をより受け易い)
によって、非HSPの人に比べてより生き辛さを抱えてしまうと思われます。


加えて、

親がそこまでの毒親で無い場合やそこまで機能不全家族ではなかった場合でも、
親のちょっとした否定的な言動や表情を「S]の感度の鋭さで読み取ってしまい、

「D」(深い処理)で例えば「私は愛されていないに違いない」
等と自分なりの結論を出してしまう場合もあるでしょう。


或いは、

例えばお父さんに怒鳴られて、独り泣いてる母親を目にすれば、
「S」「E」(強い共感力)「D」によって、

「お母さんはどんなに苦しいんだろう?お母さんが可哀相・・・。
 でもお父さんと別れられないのは私が居るせいだ・・・。

 お母さん、産まれてきてゴメンね。せめて私がお母さんを助けてあげなきゃ」

等と自己否定共依存的な考えに基づく人生を歩むようになるかも
知れません。


つまり、HSPの人は非HSPの人に比べて敏感であるが故に、
心の傷ができ易く、しかも深い処理「D」で結論を出してゆく為に
自他に対する信念(例えば「他人は信用できない」「私には価値がない」等)
が容易に覆らないのでは?と思います。

そして、だからこそ大人になってからもその信念に従って生きてゆき
生き辛さを抱え続けるのではないでしょうか?

③アダルトチルドレンと愛着障害


こうしてみてくると、私が今までお書きして来た(広義の)「愛着障害」

(広義の)「アダルトチルドレン」は似ていると感じられたのでは
ないでしょうか?

私の考えでは、その両者は重なる部分が多いと思います。


但し、例えば父親が虐待的であったり、アルコール依存であったりで
機能していない家庭でも、母との愛着形成は可能な場合もあると思います。

そういった場合、
非HSPの人はアダルトチルドレンにはなりにくいと思いますし、
母親との間で愛着形成ができていれば愛着障害にもならないでしょう。

ところがHSPの人の場合は、上述した気質によって、
「心の傷」ができ易かったり、自ら母親との愛着を諦めて、
母親を助ける人になったり、で大人になってからも生き辛さを
抱えてしまう方もいらっしゃると思います。(共依存的なアダルトチルドレン)


或いは、父親や兄弟姉妹が恐怖の源であった場合、
安全基地である母親に従ったり頼り続けた為に自我の発達が
成されにくくなるHSPの人もいるでしょう。(依存的なアダルトチルドレン)


(狭義の)「愛着障害」の場合は、幼少期の頃から
「母親とはそういったものだ」等と、ある意味諦めていると考えられますので、

そこには「母親への執着」(「助けなきゃ」とか
「何で愛してくれなかったの?」とか、
「私の気持ちをわかってよ!」「ずっと傍に居てよ!」等)は
そこまで強く無いかも知れません。


そういった意味では「母親への執着」の度合い
「愛着障害」「アダルトチルドレン」では違うのかも知れません。

いずれにしても、典型的な「愛着障害」や「機能不全家族」「毒親」
といった環境ではない場合でも、
HSPの人はアダルトチルドレン的、愛着障害的に成り易いと考えられます。

それでは次回からは、
「HSPの人がアダルトチルドレンから脱出するには?」
についての具体策を述べてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



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2021/4/19 (月)

HSPの人が愛着障害から抜け出す為のヒント⑤

<前回からの続き>

今回は、
(広義の)「愛着障害」今も生き辛さを抱えているHSPの人が
そこから抜け出す為のヒント「④」について詳しくお書きしたいと思います。




<HSPの人が愛着障害の生き辛さから抜け出すヒント(詳細)>


前回の「③」「心の傷を癒す」事ができれば、
次は「新しい捉え方に基づき、日々の行動を変えてゆく」を行ってみましょう。 




④新しい捉え方に基づき、日々の行動を変えてゆく

(1)今の実生活での「不安・恐怖」を感じる場面を書き出す


「不安・恐怖」等の為に、「そうしたくてもできない」場面や
 「そうしたくなくてもし続けてしまう」場面を思い浮かべ書き出します

例:「本当は、あの事務仕事は私の仕事ではなく、A先輩の仕事だけど、
   いつも頼まれても断れず、毎日残業で一杯一杯になってきて
   会社に行くのがしんどくなってきてる。

   でも断ったら、何て思われるだろう?嫌われちゃったら
   怖いな・・・。なら私が我慢してやるしかない」

(2)今感じてる恐怖と自分の本当の欲求を書き出す



例:「断ったら嫌われるかも?・・・嫌われるのが怖いよ。
   でも、本当は断って体を休めたいよ」

※注:そういった場面が複数あれば、まずはハードルが低いものから
   取り組んでいきましょう。

(3)怖がってる子供(の自分)に、安全・安心と許可を与える


→上の「(2)」で書き出した恐怖と欲求を、胸の中の「幼い自分」
 感じてると想像し、「自分」が安全・安心の基地となってあげましょう

例:「断ったら嫌われると思うと怖いよね!(ハグ)
   でも、本当はA先輩の仕事だから、断る事は間違って無いよ。
   だから断っても大丈夫だよ。譬え嫌われても私はあなたの味方だよ」

(4)不安・恐怖に打ち克つ事ができれば労う


→もし、「(3)」によって、思い切ってその行動ができたら労ってあげて、
 できなくても再度励ましてあげたり、目標のハードルを下げる

例:(胸の中の)「幼い自分」に対して「自分」が、

 「怖かったけど、よく言ったね!凄いね!
  Aさんは確かに一瞬不機嫌な顔になったけど、
  周りの人はあなたを軽蔑する目をしてなかったでしょ?!
  だから大丈夫だよ」

以上、
今回までHSPの人が愛着障害の生き辛さから抜け出すヒントを
お書きして来ましたが、お一人では難しい場合はお気軽にご相談下さい

次回からは「HSPの人とアダルトチルドレン」の関連性について
お書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



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2021/4/16 (金)

HSPの人が愛着障害から抜け出す為のヒント④

<前回からの続き>

今回は、
(広義の)「愛着障害」で今も生き辛さを抱えているHSPの人が
そこから抜け出す為のヒント「③」について詳しくお書きしたいと思います。

<HSPの人が愛着障害の生き辛さから抜け出すヒント(詳細)>


前回の「②」(1)安全・安心基地の候補を決める、と(2)その人に成りきる
ができれば、次は心の傷を癒してゆきましょう。

③心の傷を癒す


(1)「心の傷」になっている場面を思い出す


→幼い頃に安心・安全を脅かされてとても怖い思いをした場面や、
 否定されたり、傷つけられて悲しみや辛さを立て直す事ができず
 トラウマの様に残っている場面を思い出します。

例:「小3の時に友達に裏切られ、傷ついて学校を休んだ時に、
   父親は話を聞いてもくれずに怒鳴られ、母親も父親に同調して
   二人して”学校に行け!”と叱られた」

※注1:トラウマに触れる事は危険な場合もありますので、
    心の傷が比較的軽いものから一日に一場面のみ行ってゆきましょう。

※注2:もし感情に呑み込まれそうなら、
    必ず信頼できるカウンセラーの元で行って下さい。

(2)その時、自分は親(等の養育者)にどうして欲しかったか?を考える


→例:「本当はお母さんに事情を聞いてもらい、
    ”そっか・・・酷い目に遭ったね。裏切られて悲しかったよね”
    と抱きしめてもらいたかった」 

(3)(その人に成りきって)自分に安全・安心を与える


→例:自分の胸の中にその時の幼い自分が居るとイメージして、
   お母さんに成りきって、上記の共感の言葉を実際に口に出し、
   自分の胸(の中に居るその時の自分)をぎゅっと抱きしめる   


※注3:安全・安心基地になってくれる人が身近に居れば、
    詳細を伝え、自分が望む事をやってもらいましょう

(4)子供の頃の自分に成りきって、その安心感を感じる


→例:今度は胸の中の自分に成りきって、
   その言葉と、抱きしめられてる感触と、
   慈しんでくれてるお母さんの表情を受け取りましょう

(5))日々、その子の安全・安心基地になってあげる


→例:いつも胸の中に「幼い自分」が居ると意識して、

 恐怖や辛さや悲しみ、寂しさ等の感情や動揺を感じた時には
 胸の中の「幼い自分」に対して、言葉を掛けて共感し、
 抱きしめてあげましょう


※注4:イメージが苦手な人は、
   「安全・安心基地である自分」と「幼い自分」との間で、
    ”交換日記”として上記の様なやり取りを実際に文字に書いて
    行ってゆきましょう

  
   
次回は、
「④新しい捉え方に基づき、日々の行動を変えてゆく」為のヒント
をより詳しくお書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



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2021/4/14 (水)

HSPの人が愛着障害から抜け出す為のヒント③

<前回からの続き>

今回は、
(広義の)「愛着障害」で今も生き辛さを抱えているHSPの人が
そこから抜け出す為のヒント「②」について詳しくお書きしたいと思います。

<HSPの人が愛着障害の生き辛さから抜け出すヒント(詳細)>

②安全・安心の基地を作る

※実際に今、安全・安心の基地となってくれる人物が居れば、
 その人に頼ってお話を聞いて頂くに越した事は無いと思いますが、
 そういった人が思いつかない方の為に、以下の方法をお書きしたい
 と思います。


(1)安全・安心基地の候補を決める


→前回お書きした「①」の方法で、

「あの時、あの人は私にとっての安全・安心基地だった」
 と(譬えその時だけでも)思えた人が居れば、
 その人を仮の安全基地に定めます。

※1:もし、いくら思い出しても「そんな人は居なかった」
   と思うのであれば、今出会ってる人の中で候補を決めましょう。
  (例:親友、恋人、配偶者、先輩・上司、医師、カウンセラー等)

※2:それでも尚「今、そんな人も居ない」と思えるのであれば、
   自分が理想とする親を思い描きましょう。
  (友人の親やドラマの中の親、自分が想像する理想の親等)


(2)その人に成りきる


「その人はどんな表情であなたを見つめるでしょうか?」

 「あなたの今迄の事を話した時に、その人はどう思うでしょうか?」

 「その人はどんな気持ちになってるのでしょうか?」

 「そして、どんな表情や声でどう言ってくれるでしょうか?」

 「どんな行動をしてくれるでしょうか?」

 (例えば、ハグや肩を抱き寄せる、頭を撫でる、等)

それらを想像して、その人の表情や声、思考・感情、行動をコピーして、
その人に成りきってみましょう。

次回は、「③心の傷を癒す」為のヒント
より詳しくお書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



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2021/4/12 (月)

HSPの人が愛着障害から抜け出す為のヒント②

<前回からの続き>

 
 
前回は、
(広義の)「愛着障害」今も生き辛さを抱えているHSPの人が
そこから抜け出す為のヒント「①」~「④」をお書きしました。

今回からは、
その「①」~「④」のヒントを1つずつ、
より詳しくご説明したいと思います。

<HSPの人が愛着障害の生き辛さから抜け出すヒント(詳細)>

①自分や他者、物事の捉え方を変える


※以下、「自分を生き辛くさせてる信念や記憶のファイル」
 を便宜上「黒」の信念・ファイルとし、

 「生き辛さから解放してくれる信念や記憶のファイル」を
 「白」の信念・ファイルとさせて頂きます


(1)「黒」の信念をあぶり出す


a.自分に対する捉え方を理解する


 「どうせ自分は〇〇だ。だから△△しないといけない」

→上の〇〇や△△に部分にはどういった言葉が入るかを考えてみましょう。

例:「どうせ自分は”誰からも愛されない”。だから”嫌われない様に”しなきゃ!」

b.他者(世の中)に対する捉え方を理解する


「どうせ他人なんて〇〇だ。だから△△しないといけない」

→上の〇〇や△△に部分にはどういった言葉が入るかを考えてみましょう。

 例:「どうせ他人なんて”信用できない”。
    だから”本音を言ったり頼ってはいけない”」

(2)「黒」の信念を突き崩してゆく


a.「例外」的な人を探す


→今まで出会った人の中で「黒」の信念に反すると思われる例外的な人
 を思い浮かべましょう。

 例:「”どうせ自分は誰からも愛されない”と思ってるけど、
    幼稚園の時のA先生からは愛情を感じた」

   「”どうせ他人なんて信用できない”と思ってるけど、
    母方のお爺ちゃんだけは信用できそうだった」
   等々。

   ※ここで「そんな人なんて一人も居なかった」と思えるのであれば、
   「愛された」と思えた”一瞬”を探すか、
    下記の「c.」「d.」を実行しましょう

b.”例外的な人”目線で自分を客観視する


→鏡を見ながら、「a.」で思い浮かんだ”例外的な人”に成りきって、
 その人なら鏡の中の自分の意見に対してどう言うだろうか?
 と想像して鏡の中の自分と対話してみましょう。

例:(鏡の中の自分)「どうせ私なんて誰からも愛されない・・・」

  (A先生として)「そんば事無いわ!私はゆかちゃんの事が好きよ」

  (鏡の中の自分)「うそ!だってママも私よりも妹の方が好きだもん!」

  (A先生として)「どうしてそう思うの?」

  (鏡の中の自分)「だって妹と喧嘩して、悪いのは妹なのに、
           私ばっかり怒られる」

  (A先生として)「それはもしかしたら、”お姉ちゃんなんだから
           妹に優しくしなさい”という
           ママの”素敵なお姉ちゃんになってね”
           というゆかちゃんへの愛情かも知れないよね」
等々。

 ※この「A先生の考え」は後述の「白のファイルに加えてゆきましょう

C.一番愛して欲しかった人(=親?)目線で自分を客観視する

 
→一番愛してほしかった人、或いは一番信じたかった人で
 その欲求が叶えられなかった人を思い浮かべます。(大抵は親?)

 鏡を見ながら例えば母親に成りきって、鏡の中の自分の意見に対して
 どう言うだろうか?と想像して、鏡の中の自分と対話してみましょう。

例:(鏡の中の自分)「何でママは私の事を愛してくれなかったの?!」

  (母親として)「パパが自分勝手でイライラしてたのよ!
          それにあんたを見てるとパパそっくりな所がある
          様に感じて余計に腹が立ったのよ!」

  (鏡の中の自分)「え~?!それって八つ当たりでしょ?
           だとしたら私が問題じゃなくて、ママが問題だわ!」

  (母親として)「ごめん、もう昔の事だから許してよ」

 ※この「母親の考え」も後述の「白のファイルに加えてゆきましょう

d.公平な第三者目線で自分を客観視する


→あなたが「この人なら公平な立場で意見を言ってくれそう」
 と思える、歴史上の人物や神様・仏様を思い浮かべます。

 その人物が上の「c.」で思い浮かべた愛情で満たしてもらえなかった
 と思える人と自分との関係をずっと見て来たとします。

 その人物ならどう考えるでしょうか?

例:(聖徳太子?)「あなたのお母さんは、おなたにとってのお祖母ちゃん
          から褒められた事がなく、厳しく育てられた。

          それしか知らなかったので、そうする事が親の愛情だと
          思い込んでいた。だからあなたに対しても否定し、 
          褒めず厳しく育てて来た・・・

          だからあなたが愛されるに値しないという訳ではない」
   
  (神様?)「お父様は帰りが遅く、お母さまは頼れる人が居ない中、
        あなたや弟妹を育てないといけなかった。

        だからお母様はあなたに頼る目的で、
        しっかりしてもらいたくて
        あなただけを厳しく育てたのです。

        だから、あなたが愛される存在ではなかった
        訳ではありません」
   
  (仏様?)「あなたを放ったらかしにして自分の好きな事に
        夢中になっていたお母さんは、母親としては未熟で、
        その能力が無かったのでは?

        だからあなたが子供失格ではなくて、
        お母さんが母親失格だったと言える」
 等々。         

e.「黒」の中の「白」を探す


 例えば、「母親は私を全の全てを嫌っていた」(黒のファイル)

→そのファイルの中身=それを裏付ける証拠となる記憶
(あの時も、そしてあの時も)を書き出します。

 そして、嫌っていなかった場面、嫌っていなかった部分
 「白のファイル」の中身=それを裏付ける証拠となる記憶
 を思い出して書き出しましょう。(時間と空間を細分化して)

 ※同様に「私を嫌っていなかった人」も思い出して、
  白のファイルに入れる中身を書き出しましょう。

 更に例えば、
「お母さんが私に関心が無かったせいで、私は自己肯定感が低くなって、
        人に心を開けず、今苦しんでいる」(黒のファイル)
 に対してもを探しましょう。

「もしお母さんが私に構いすぎていたら、甘えん坊の私の事だから
  いつまでも自立できなかったかも知れない。

  確かに孤独を感じるけど、人に甘え過ぎず何でも自分でやってきて
  自立心は強くなったと思う」等。

 物事についても、デメリット(「黒のファイル」)だけではなく、
 メリット(白のファイル)を見つけて書き足してゆきましょう。

(3)「白」のファイルを充実させてゆく


→上記の(1)~(2)をしてゆき、
「黒のファイル」(例:「私は誰からも愛されない」)に対して
「白のファイル」(例:「私は誰からも愛されない訳ではなさそう」)
 を作り、

上の(1)~(2)で新しく得た洞察を基に、その中身を書き込んでゆきましょう。

※その結果、「愛してくれない人もいるけど、そうじゃない人もいる様だ」 
 とか、
「愛されない部分もあるけど、愛される部分もあるかも知れない」

 等の「グレー」の考え方が出来るようになれば、
 生き辛さは少なくなるでしょう。

それでは次回は、「②安全・安心の基地を作る」為のヒント
より詳しくお書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



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2021/4/9 (金)

HSPの人が愛着障害から抜け出す為のヒント①

<前回からの続き>

 
 
今回からは
(広義の)「愛着障害」今も生き辛さを抱えているHSPの人が
そこから抜け出す為のヒントをお書きしてゆきたいと思います。




<HSPの人が愛着障害の生き辛さから抜け出すヒント>


①自分や他者、物事の捉え方を変える


→(幼少期に問題があった)HSPの人は「D」の深い処理を行った結果、

 「私は誰にも愛されない」とか「誰も信じられない」とか
 「私は誰にも頼れない」とか「自己主張やワガママは絶対ダメだ」
 等といった、(自分が生き辛くなる)過度の「強固な信念」
 を持ってしまっていると考えられます。

 そしてこの「白か黒か?」「0か100か?」信念のルールから
 逸脱しない様に行動し生きてゆく訳ですから、当然生き辛くなるでしょう。

 しかも、その「信念のルール」は生半可な結論ではなく、
 深い処理(「D」)によって得たもので、

 それを裏付ける証拠も(作り上げてきた黒のファイル)
 充分に揃っていますので、容易に覆る事は無いと思います。

 ただその部分は生まれ持っての気質ではなく、生まれ育った環境によって
 後から自分が作り上げてきたものですので、変える事ができる筈です。

 そしてその自分を縛っている「信念のルール」から解き放たれる事で
 自由が得られる道へ進む事が可能になると思います。


 
②安全・安心の基地を作る


「①」の捉え方を変える事によって、安全基地となる相手を見出したり、
 「私には実は安全基地があったんだ」再認識したり、
 自らが自らの安全基地になってあげる、という事が可能になると思います。

③心の傷を癒す


「②」の「安全・安心基地」ができる事で、その安全基地
(親?兄弟?親友?パートナー?医師?カウンセラー?他者?自分自身?)
 側からの働き掛けを促す事によって、過去の心の傷を癒す事ができる
 と思います。

④新しい捉え方に基づき、日々の行動を変えてゆく


→こうして「自らを苦しくさせる信念」から自由になり、
 「安全基地」を得て「心の傷」が癒されれば

 後は新しい考え方に基づいて、日々の言動を変えてゆけば
 生き辛さから解き放たれた自分に生まれ変わる(取り戻す)事が
 できると思います。

それでは、次回からは上の「①」~「④」を実践する為の
具体的なヒントをお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2021/4/7 (水)

HSPの人は何故愛着障害になり易いか?

<前回からの続き>

今回は、何故その後の人生を左右しかねない(広義の)「愛着障害」
になってしまうのか?

何故HSPの人は「愛着障害」に成り易いのか?
について私見を述べてみたいと思います。




<何故「愛着障害」になってしまうのか?>

①「安全・安心の基地の欠如」


→例えば、

(1)何らかの事情で乳幼児の段階で親元から離れ施設等で育ち、
 尚且つ、その環境の中で「1対1」の安全・安心基地になる存在
 を得られなかった


(2)親等の養育者からの虐待やネグレクト養育者の心身の疾患等で
 常に不安や恐怖、誰にも頼れない孤独を感じ続ける環境にあった

等々。


②「安全・安心の基地の脆弱さ」


→例えば、

(1)親等の養育者の感情が不安定で、安全・安心を感じる場面が長続きせず
 期待が裏切られる事が繰り返された。


(2)親等の養育者が基本的な子供の世話はするが、
 情緒面での関わりを持てなかった

等々。


③「オキシトシン受容体の問題」


「親が子を愛する」「子が親の愛情を感じる」等は、
 愛情ホルモンである「オキシトシン」が関わっていると考えられます。

 ところが、親か子或いは双方のオキシトシン受容体の分布密度が
 生まれつき低い場合も、きちんとした愛着が形成されにくのではないか?
 と思います。

※但し近年
「幼い頃の環境によってオキシトシン受容体の分布密度が変化する」
 といった報告がなされた様で、もしそうであるなら希望が持てます。



 
<何故HSPの人は「愛着障害」に成り易いのか?>


HSPの人の気質の特徴である「D」、「O」、「E」、「S」
 によって、非HSPの人に比べて、安定した愛着を形成しにくい、
 と考えられます。


例えば、

(1)普段は愛情深い母親なのに、夫婦関係や他の要因でストレスが高じ、
 大きな声でついつい怒鳴ってしまった、とかそこまでいかなくても
 不機嫌で冷たい表情・態度を示してしまった・・・。


いつもと違う母親の様子に「S」の感度の鋭さが働いて、
 扁桃体が興奮し、神経が高ぶる(「O」)


深い処理(「D」)によって、
「お母さんは、本当は私の事なんて愛していないに違いない」
 等といった意味づけを行う。


→その深い処理は続き「愛されてないなら生きていても意味がない」
 等と感じて、寂しさ・孤独や恐怖といった強い感情反応(「O])
 が生じ、心の傷となる。


→そして、(「深い処理」による結論は自分にとっては絶対的なので)
 安全基地は崩壊し、「不安定型の愛着スタイル」となる。


→更に「私は愛されていない」とか「人は信頼できない」
 等の証拠集め(「黒」のファイル作り)を無意識に行い、
 それらの結論が、より強化されてゆく。

また例えば、

(2)「苦労している母」「可哀相な母」「病弱な母」等を
 「S」の感度の鋭さから読み取る。


「D」の深い処理を行い「私は甘えちゃダメ」
 「お母さんに頼っちゃダメ」、「お母さんを助けなきゃ」、
 「お母さんをこれ以上悲しませない様に」、「我が儘言っちゃダメ」、
 「お母さんに迷惑かけ無い様にしなきゃ」等といった結論が出され、
 自ら「アタッチメント」を放棄し、安全基地が失われる
 という事も考えられます。

※現に精神科医の岡田尊司先生の研究によれば、
 「過敏性」の傾向を持った人は「心の傷」を抱えてる人が
  抱えていない人の8倍存在する」

 「そして過去の境遇という要因よりも
  過敏か否か?が心の傷を引きずってしまう傾向に関与してる
  と考えられる」と述べておられます。

それでは、次回からはHSPの人で(広義の)「愛着障害」
生き辛さを感じている方の為に、そこから抜け出してゆくヒント
をお書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



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2021/4/5 (月)

HSPの人と愛着障害

<前回からの続き>

HSPの提唱者であるエレイン・アーロン博士は、

「ストレスの多い不幸な家庭で育ったHSPは同条件下で育った非HSPよりも 
 ”悲観的”、”自己肯定感が低い”、”落ち込みやすい”、”抑圧されてる”、
 ”不安症”、臆病で怖がりになりやすい”、”愛着スタイルが不安定型”
 という特徴がある事がわかった」

そして、

「HSPの半数が”幼少期に問題があり、成人してからの愛着スタイルが
 不安定型だ”とインタビューに答えている」と述べられています。


これは、
HSPの気質を持って生まれた人の半数「不安定型の愛着スタイル」
(=広い意味での愛着障害)を示し、
結果として、自己肯定感が低くなったり不安や落ち込みに襲われやすく、
生き辛さを感じている、と理解できます。


つまり、
HSPの人の半数は「愛着の問題」(=広義の愛着障害)を抱え、
成人後も生き辛さを感じていると言えるでしょう。

それではまず、ここで言うところの「愛着」とか「愛着障害」
とは何なのでしょうか?

その辺りからお書きしてゆきたいと思います。




①愛着(アタッチメント)とは?



「愛着」は、イギリスの精神科医ジョン・ボウルビィが提唱した
愛着理論の中での定義で、簡単に申しますと、

「乳幼児が危機的状況に瀕したり、それを予知し恐れや不安を強く感じた時に
 特定の他者(主に親)への近接(くっつく事)を通して、
 不安・恐怖を鎮め、安全・安心の感覚を回復・維持しようとする傾性」

という事です。


つまり、乳幼児の心身の不快な事柄や危機的状況に対して、
養育者(主に)が安全・安心の基地になってあげる事が
その後の子供の発達にとって不可欠であるという事です。

そして、
その様な愛着を基に、子供は安心して外の世界に対する探索行動
(友達や他者との交流や遊び、学習等)を行ってゆく事ができ、
健やかな自我の発達が成されてゆく、という事です。




②愛着障害とは?


→この愛着形成がうまく行われた場合は、
愛着スタイル・パターン」は「安定型」を示し、

何らかの事情でこの愛着形成がうまくなされなかった場合は、
「回避型や両価型」(不安定型)を示します。

(ボウルビィの共同研究者のエインスワースによる分類)


そして、
子供の時に身についたこの「愛着スタイル」(安定型か不安定型か?)は、

多くの場合大人になってからも続き
その後の人生が「生き辛くなるか、否か?」を左右すると考えられます。

※精神医学的には、アメリカの診断基準である「DSM-5」には
「反応性愛着障害」「脱抑制型対人交流障害」の2つが定義されていますが、

 いずれも子供に対しての診断で、
 ここで言うところのもっと広義な「大人の愛着障害」全体を
 説明しきれてはいません。



それでは何故、
その後の人生を左右しかねない(広義の)「愛着障害」になってしまう
のでしょうか?

そして、
何故HSPの人は「愛着障害」に成り易いのでしょうか?

その辺りを次回、お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2021/4/2 (金)

HSS型HSPの人がモチベーションを維持するには?

<前回からの続き>

前回、HSS型HSPの人がモチベーションを維持する為には
「その目標を達成する可能性が高すぎてもダメだし、可能性がゼロでもダメ」

そしてその目標を達成した途端、セロトニン(満足)が出てドーパミン
(モチベーションの素)が抑制されて、モチベーションが無くなってしまう
のでは?とお書きしました。


もしそうだとすれば、そしてそこに依存が生じたり、常に熱中できる目標
(趣味や仕事)を更新し続けないと、まるで躁鬱の様に気分の上がり下がり
に振り回されてしまうかも知れません。

それでは、そういった方はどうすれば気分を安定させ、
モチベーションを維持できるのでしょうか?

私はその鍵は「超長期目標」「中・短期目標」「超短期目標」
を掲げる事だと思います。

どういう意味か?を以下で説明したいと思います。

①超長期目標を掲げる:

 HSPの人は「貢献」「人生の意味」を突き詰めて考える傾向
 がある人が多いと思いますが、

 「今死んだとすれば、何を成しえていない事を後悔するだろうか?」

 「人生において、何を成し遂げたら満足して死ねるだろうか?」

 等と自分に問いかけ、「深い処理(D)」によって、自分なりの答え
 を見つけてゆきましょう。

 そして、それを成しえた時を想像したら「快の感情」が強く出るものを
 人生の目標に据えてみませんか?(超長期目標)

 ・・・それは人によっては「ライフワーク」「天職」とも呼べるもの
 かも知れません。

 但し、それを成しえる確率は(お書きした様に)
「ゼロでは無く、しかも簡単では無いもの」の方が
 モチベーションを維持し易いと思います。

②中・短期目標に落とし込む:

 毎日毎日、何十年計画の果てしない目標を意識し続ける
 (=モチベーションを維持し続ける)のは至難の技だと思います。

 いくらラーフワークでも、いつかは古臭くなって飽きてしまうでしょうから。

 ですから、
 その「超長期目標」を実現させるために「今年中にはこれを達成しよう」
 とか「今月中にいはこれを終わらせよう」

 等と中・短期の目標を掲げる事で、
 モチベーションは、より維持されやすくなるでしょう。

③超短期目標を掲げる:

HSS新規探求・刺激追究は基本的には「今やりたい事」「今興味がある事」
に向かう傾向があると思います。

ですから、
「ライフワーク実現の為に、今日何をすべきか?」とか「今何をすべきか?」
 といった超短期目標も必要になって来ると思います。

加えて、
「ライフワーク」といった一つしか無い目標に対しても飽きが生じて来る
と考えられます。

だとすれば、ライフワーク自体を必要に応じて変更したり、
それとはまったく別の「週末はどこへ出かけたい?」「今何がしたい?」
「今何が欲しい?」「今何が食べたい?」「今誰と会いたい?」
等といった、(超々短期の)「今の欲求」を満たしてゆく事も必要
だと思います。


即ち、
ライフワーク等の「超長期目標」と今の自分の欲求を満たす「超短期目標」
 の二刀流が必要ではないか?と思います。

それでは、次回からはHSPの人が生き辛くなる原因の一つと考えられる
「愛着障害」との関連性をお書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



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