Google+ で検索

カウンセリング 大阪府大阪市 心理療法  返金保証 超短期  コーチング

calendar コラム/2024.02

Top / コラム / 2024.02

<< 2024.2 >>
[コラム]
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29    

2024/2/28 (水)

恋愛/結婚がうまくいかない⑤自己不信/他者不信

<前回からの続き>

今回は、

「自己不信/他者不信」によって恋愛/結婚がうまくいかない方
に向けてお書きしたいと思います。




<自己不信>

「私なんて、顔もスタイルも良く無いし、性格も暗めだし・・・。
 だから男性経験も無いし・・・
 こんな私を好きになってくれる人なんて居るわけない!」

いつもそんな風に感じて、

出会いを求める事を怖れたり、

折角素敵な出会いがあっても、積極的になれなかったり、

自ら引いてしまう人も居ると思います。


勿論、
生まれた時から「私なんて・・・」等と思っている赤ちゃんは居ない
訳ですから、


①幼い頃、親等との間で「愛着の問題」があり、
 傷ついたインナーチャイルドがそう思い込んでしまっている

か、

②誰かに傷つけられた経験がトラウマになって、
 そう思い込んでしまったか

のいずれかだと思います。

(特に生まれつき敏感な人は、ちょっとした事でも
 容易にトラウマになります)




<自己不信解除のヒント>

上の「①」の場合は、

2月9日からお書きしました
「恋愛/結婚がうまくいかない②愛着の問題の解決のヒント(1)~(5)」
がヒントとして役に立つと思います。


また上の「②」の場合は、

それプラス2月21日にお書きした「トラウマの問題」もご参照下さい。




<他者不信>

「きっと彼は私より他の女性を好きになるに違いない」

「どうせこの人は私の事なんて大切にしてくれない」


他者不信も自己不信と同様に


①幼い頃、親等との間で「愛着の問題」があり、
 傷ついたインナーチャイルドが、そう思い込んでしまっている

か、

②誰かに傷つけられた経験がトラウマになって、
 そう思い込んでしまったか

或いは

③今のパートナーや異性を
 幼い頃の身近な誰かとダブらせてしまっている(転移)

のか、

のいずれかだと考えられます。




<他者不信解除のヒント>

だとすれば、

これも2月9日からお書きしました
「恋愛/結婚がうまくいかない②愛着の問題の解決のヒント(1)~(5)」

2月21日にお書きした「トラウマの問題」
が他者不信を解除するヒントとして役に立つと思います。




次回は、

「飽き性」によって恋愛/結婚がうまくいかない方
に向けてお書きしたいと思います。



<次回へ続く>



パーマリンク

2024/2/26 (月)

恋愛/結婚がうまくいかない④強度の不安(2)解決のヒント

<前回からの続き>

今回は
前回お書きしたB子さんの様に、

強い不安を感じ易いが為に、恋愛や結婚がうまく行かない人に向けて
その解決のヒントをお書きしたいと思います。




<強度の不安で恋愛/結婚がうまくいかない人の解決のヒント>




①不安と対峙する

(1)出て来た不安が的中すれば、最悪自分はどうなっちゃうか?
 を掘り下げてゆきます

例:

「彼氏がDV男だとすれば?」

(だとすれば最悪どうなるか?)

「最悪、暴力を振るわれる」

(だとすれば最悪どうなるか?)

「命を取られてしまうか、逃げる気力を失って奴隷の様になってしまう」

(2)そうならない為に自分ならどうするか?を考えましょう

例:

「そうならない為に・・・彼が手を挙げてきたら、すぐに離れよう!」

(でも、最悪ストーカーだったら?)

「警察に相談しよう!」

(それを逆恨みされて復讐に来たとしたら?)

「彼が知らないお姉ちゃん宅へ避難しよう!」

等々。




②安心・幸せの未来を想像する

(1)安心の材料集め

不安になる材料集めではなく、その反対の材料を沢山集めましょう。

例:

「彼は優しい。

 並んで歩く時は私を歩道側を歩かせるし、
 私の荷物が多い時はすぐ気が付いて持ってくれる。

 彼は動物にも優しく、
 ペットが亡くなった時の話をしている時に涙ぐんでた。

 でも感情的なところもあるので、
 気になって”ねえねえ、子供の頃カッとなって友達を殴ったり
 してたんじゃないの?”

 と冗談めかして聞いてみたら、
 ”俺は人を殴れないんだ・・・”と言ってた。」

等々。

 

(2)素晴らしい未来の想像

「ある日突然不安が無くなったとすれば、
 どんな素晴らしい未来にしたい?」

と自分に問いかけて、
その”未来”を細かく想像してみましょう。

例:

「今、気になってる男性と付き合って、彼は優しく頼りがいがあって、
 ユニバでデートして・・・

 私の好きなアトラクションで二人共大はしゃぎして、
 美味しいランチを食べて、
 大きなスヌーピーのぬいぐるみを買ってもらって・・・」

それを
”今ここ”で起きているかの様に、
お互いの声や音楽、景色、感覚、味・匂い、触った感触など、
リアルに感じるところまでイメージしてみましょう。




③無意識と意識を区別する

「”私”は彼氏が欲しい」

とか

「”私”は結婚したい」

という時の”私”意志・意識(前頭前野)であり、

「でも不安がどんどん出てきてしまう」のは
無意識(大脳辺縁系)の働きだと考えられます。


この時、
意識が無意識に支配されてしまうと
「私=不安」となり、

無意識から湧き出て来る不安に巻き込まれてしまい
意識では制御不能になり、
自分の力ではどうする事もできなくなってしまいます。


ですから、

意識が無意識に呑み込まれない様に、
意識と無意識を区別し、常に無意識を俯瞰で見続ける必要があります。


その為の第一歩として、

無意識の中の自分にもアイデンティティを与える
即ち名前を付けてあげましょう。

例:「不安ちゃん」「怖がりちゃん」等。




④無意識の中の自分”が出て来た時に(意識的に)気づく

例えば、

ふと何かを考えたり、何かの出来事があった時等、
何らかの刺激によって不安が出て来たとします。


そういった”自動的に出て来る思考や感情、衝動”等を感じた瞬間に

それは無意識の中の「不安ちゃん」や「怖がりちゃん」が出て来たんだ
と気づきましょう。




⑤”無意識の中の自分”を安心させる

「不安ちゃん」「怖がりちゃん」が出て来たと気づく事ができれば、

上記の「①」を使って、
「最悪、もしそんな事になっちゃったら、〇〇するから大丈夫」

とか

「そうならない様に〇〇するから大丈夫」
等と何度も言ってあげましょう。




⑥不安に向いてるベクトルを少しずらす

「不安ちゃん」「怖がりちゃん」が出て来た!と気づく事
ができる様になれば、

アラームやタイマーをセットし(例えば30分)
アラームが鳴るまでは、上の「⑤」の要領で、
その子達の相手をしてあげましょう。


そしてアラームが鳴ったら、
その子達に「ちょっと休んどいてね!」等と言ってあげて

上の「②」を実行して
「幸せ・安心」の方向へベクトルをずらしましょう。


「幸せ・安心」を五感で感じる事ができる様になれば成功です

不安が出て来る度に、上の「①」~「⑥」の手順を繰り返しましょう




次回は、

「自己不信/他者不信」によって恋愛/結婚がうまくいかない方
に向けてお書きしたいと思います。



<次回へ続く>



パーマリンク

2024/2/23 (金)

恋愛/結婚がうまくいかない④強度の不安(1)

<前回からの続き> 

今回は、

愛着やトラウマの問題は見受けられないにも関わらず、
「強度の不安」によって恋愛/結婚がうまくいかない方
に向けてお書きしたいと思います。




<強度の不安>

例:

B子さんは幼い頃は甘えたさんで、両親の愛情を受けて育ち、
 これと言ったトラウマになる様な出来事もなく、すくすくと育ちました。


 ただ、幼い頃から不安が強く、

 ”忘れ物をしたらどうしよう?”と何度もカバンの中を見直したり、

 ”運動会の駆けっこで、ビリになったらどうしよう?”
 とか
 ”定期テストで、点数が取れなかったらどうしよう?”等と考えると、
 夜もまともに眠れない事も多かった様です。


 やがて、
 成人した彼女は”彼氏が欲しいな””子供が好きだから結婚もしたいな”
 と思いつつも、

 ”もし、付き合った人がDV男だったら・・・”
 とか
 ”結婚して子ができて幸せを感じている時に地震や事故で愛する人を
 失ったら、立ち直れない!”等と言った想像をしてしまうので、
 どうしても恋愛に積極的になれませんでした。


 そんな中でも、B子さんに好意を持ってくれる男性が現れて
 お付き合いする事になりました。


 そのは優しい人で、順調に愛を育んでいました。

 ところがそんな或る日、些細な事から喧嘩になってしまい、
 イライラした彼の、今迄見せた事のない様な冷たい目ときつい口調
 を感じた彼女は、

 ”あ~・・・この人はきっとDVやモラハラをする人なんじゃないかな?”
 と不安が募ってきました。


 そして、
 彼女は自分でも気づかないうちに次第によそよそしくなり、
 二人の関係は破綻しました」




<解説>

上のB子さんの例の様に、

(恐らく先天的・遺伝的に)不安を強く感じるタイプの人

たとえ愛着やトラウマの問題が無かったとしても
恋愛・結婚・出産・受験・就職等の、自分の選択次第で幸不幸が
大きく左右される様なライフイベントに際して、

より不安が強まると考えられます。


これは心理学的に言いますと「ネガティビティバイアス」と言って、

「誰しもポジティブな情報よりも、ネガティブな情報に注意を向けやすく、
 記憶にも残りやすい」といった傾向を持っているからです。


これは生物が生き延びる為には、
ネガティブな状況(捕食者の脅威や食糧の枯渇等)がクリアされない限りは、
楽しさや幸せ等の”快”を感じる事などできない訳ですから、
当然の事と思います。


ところが、

生まれつき不安への感受性が強い人にとっては、
特に人生の重大な局面では、
不安になる要素に常にベクトルを向け続けてしまい、

ちょっとでもその兆候を感じたら、それを回避しようとするでしょう。


それでは、

このB子さんの様に、強い不安を感じ易いが為に、
恋愛や結婚がうまく行かない人はどうすれば良いのでしょうか?




次回は
その解決のヒントをお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2024/2/21 (水)

恋愛/結婚がうまくいかない③トラウマの問題

<前回からの続き> 

今回は、

幼い頃に受けた虐待や性被害等による「トラウマの問題」によって
恋愛/結婚がうまくいかない方に向けてお書きしたいと思います。




<トラウマの問題>


例:

A子さんは男性と二人きりになると”恐怖”を感じて、
 心臓がバクバクしてきて身体の動きもぎこちなくなってしまい、
 逃げ出したくなり、会話もできない状態になってしまいます。

 その為、彼氏を作りたくてもできないまま”適齢期”を迎えました。


 A子さんは、幼い頃に継父から暴力を振るわれ、
 時に”性的な嫌な目”にも遭って、
 母親に相談しても取り合ってもらえなかった、という過去がありました。


 だから彼女は”これはトラウマから来てるんじゃないか?”
 とわかってはいたのですが、
 自分ではこの反応をどうする事もできませんでした。」




上のの様に、

「トラウマ」が原因で異性と親しくなれなかったり、
性的な関係に拒否反応が起きるという人もいらっしゃると思います。


それでも

「恋人が欲しい」「結婚したい」と思っている人は
どうすれば良いのでしょうか?


以下に簡単に解決のヒントをお書きします。




<トラウマの問題の解決のヒント>




(1)トラウマケア

(詳述は避けますが)
EМDR等のトラウマケアは有効だと考えられます。
(必要な場合は必ず専門家からケアを受けて下さい)




(2)無意識の反応パターンを変える

トラウマによってできた無意識の反応パターン(恐怖で凍り付く、逃走、
回避等)を変えてゆく必要があると思います。


そのやり方は前回までにお書きした、
「②愛着の問題の解決のヒント(1)~(5)」をご参照下さい。




次回は、

「強度の不安」によって恋愛/結婚がうまくいかない方
に向けてお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2024/2/19 (月)

恋愛/結婚がうまくいかない②愛着の問題の解決のヒント(5)

<前回からの続き> 

前回お書きした手順に従って、

幼い頃の自分(インナーチャイルド)の”信念”が緩んでくれば、
現実の行動を変えてゆきましょう。




<愛着の問題(特に転移)の解決のヒント>




⑤現実の行動を変えてゆく




(1)幼いころに作った”信念”に反する言動を具体的に書き出す

例:

(信念)

「私の場合”良い子でなきゃ”と”他人を助けなきゃ”が強いと思うので・・・。」


(信念に反する言動)

「彼の仕事の愚痴を聞かない」

「体形の事を言うのを”やめて!”と言う事」

「彼にお金を貸さない」・・・等々。

   


(2)上で書き出したものの中で一番ハードルが低いものから実行してゆく

例:

「私が本当に疲れている時は、
 ”ゴメン”ちょっとしんどいのでまた今度にしてくれる?」
と思い切って言う、等々。




(3)”幼い頃の自分”が抵抗して実行できない場合

幼い頃の自分に大丈夫な事を伝え
”その子”が受け容れてくれるところまで落とし込み、
抵抗が無くなってから実行する事が大切だと思います。

例:

(幼い自分)

「怖いよ~そんな事言ったら嫌われるよ~。」


(大人の自分)

「そうだよね!お母さんに自分の意見を言ったら、
 凄い怖い顔で怒られたよね・・・。

 でも、よく見てごらん!彼はお母さんじゃないんだよ。
 お母さんと違って優しいし、私の事を大切にしてくれるんだ。」


(幼い自分)

「でも、嫌われちゃったら怖いよ!断れないよ!。」


(大人の自分)

「じゃあ、”今ちょっとしんどいから悪いけど5分だけしか聞けないけど、
 それでもいい?”って言うのはどう?」


(幼い自分)

「5分と言うのは怖いな・・・10分なら。」


(大人の自分)

「わかったわ!じゃあ、”10分だけ”って言うね。」

等々。




次回は、

「トラウマの問題」によって恋愛/結婚がうまくいかない方
に向けてお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2024/2/16 (金)

恋愛/結婚がうまくいかない②愛着の問題の解決のヒント(4)

<前回からの続き> 




前回お書きした手順に従って、

幼い頃の自分(インナーチャイルド)のケアが進めば、
その時に作った”信念”を変えてゆきましょう。




<愛着の問題(特に転移)の解決のヒント>




④(幼い時に作った)信念を変えてゆく




(1)幼い頃に作った”信念”に基づいて生きる事で、その後~今迄
 どんな辛い目に遭ってきたか?を思い浮かべる(書き出す)


例:「小学校の時、”良い子でなきゃ”と先生のいう事をきく
   優等生をやってたなあ~。でもクラスのみんなから”お前は先生の犬だ!”

   っていじめられ、言い返さなかったからどんどんいじめが酷くなって
   孤立して凄く淋しかった・・・。


   中学の時も自分の意見を言わず、友達のいう事を全部きいてたら、
   パシリみたいに便利に利用されてたよな・・・。


   3年前、彼氏に浮気をされても何も言わなかったので、
   どんどん外遊びが酷くなって、しまいには帰って来なくなって
   何日も死にたい程、辛い夜を送っていたよなあ・・・」

等々。




(2)大人の私として、その子の信念を緩めてあげる


例;「チエちゃん、あなが小学生の時に・・・
   (と上の「(1)」で書き出したその後の出来事を伝えてあげる)

   だから、”良い子でなきゃ!”をやり続けて幸せにはならなかった・・・

   そして、あなたを幸せにする事ができなかった、ごめんね。
   私はチエちゃんが、良い子であってもそうじゃなくっても大好きだよ!
   あなたがどんな子でも私はあなたの味方だよ!

   だから、もうこれ以上、我慢しなくてもいいよ、
   もうこれ以上、頑張らなくてもいいよ!好きな事していいよ!
   そこまで良い子じゃなくてもいいよ!そして一緒に幸せになろうね!」

   等々。


※「幼い頃の自分の”信念”が出て来た」と気づく度に
 何度も繰り返し伝えてあげましょう




次回は、この続きである「⑤現実の行動を変えてゆく」方法
についてお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2024/2/14 (水)

恋愛/結婚がうまくいかない②愛着の問題の解決のヒント(3)

<前回からの続き> 

前回お書きした手順に従って、

今の(或いは今迄の)パートナーを自分が幼い頃の誰か(親等)と
無意識にダブらせてしまう、といった所謂転移の解除に慣れてくれば、

幼い頃の自分(インナーチャイルド)をケアしてゆきましょう。




<愛着の問題(特に転移)の解決のヒント>




③幼い頃の自分(インナーチャイルド)をケアする




(1)インナーチャイルドが自分の身体のどこに居るか?を感じる

パートナーとの関係性の中で強い感情を感じた時に、

「この強い気持ちは私の身体のどの辺りにあるかな?・・・
 頭?喉?胸?お腹?・・・」と探ってみます。


例;「お腹の辺りがギュッとなってる感じがする・・・
   幼いチエちゃんは、お腹の中に居そう」




(2)インナーチャイルドが何歳位で、
  どこに誰と居て、何をしてるか?をイメージする


例:「幼稚園児くらいかな?黄色い帽子と茶色の制服を着ている。

   リビングでお母さんと居て、いう事を聞かないその子は
   お母さんに”いう事を聞かない子はママの子なんかじゃない!”

   と怒られて、泣いてる」




(3)インナーチャイルドの感情と信念を感じる

例:「お母さんに見捨てられる・・・という寂しさと恐怖を感じて、
   ”もっと良い子にならなきゃ!”と決意している」




(4)大人の私として、その子の許へタイムスリップして共感してあげる


例:「チエちゃん、私は大人のあなただよ。

   辛かったのに今迄放っておいてごめんね。
   こんな私でも許してね・・・ 

   なのにあなたは一人でよく頑張って来てくれたね!
   あなたが頑張ってくれたお陰で今の私があるの。有難う!

   そして私は今28歳になって

   やっとあなたを守れる位、大きくなったの。
   寂しかったね、怖かったよね!
   これからは私がず~っとあなたの傍に居てあげる。
   だからもう大丈夫だよ」
   (と、イメージの中でハグや抱っこ、頭ナデナデしてあげる)




(5)インナーチャイルドを”今”の安全な場所に連れて来る


(インナーチャイルドが拒否しなければ)
その子をイメージの中で胸の中に入れて
今の安全な場所まで連れて来ましょう。

そして、
”ここは安全で誰もあなたを否定したり攻撃する様な人は居ない”
とか
助けたり言う事を聞かなくちゃいけない人も居ないと伝えましょう

等々。

   
例:「チエちゃん、良かったら私のお家に来ない?

   あなたにつらく当たる人も、”こうしなさい!”って命令する人も
   いない場所よ。

   そして私はあなたがどんな子でも何をしても、
   何ができなくてもず~っと好きで居続けるよ!」
等々。




(6)インナーチャイルドを育てる


インナーチャイルドを”今”の安全な場所に連れてくれば、

我が子を育てる様に、毎朝毎晩「お早う!」「お休み」と言ってあげたり、

しんどそうだと感じたらケアしてあげたり、一緒に遊んであげたり、
誕生日等にお祝いしてあげたり・・・

と常に気にしてあげましょう。

※1.できれば”その子”を感じる度に
  何度も何度も繰り返しケアしてゆきましょう

※2.イメージが苦手な人は交換日記の要領で、
  大人の私として”その子に”かけたい言葉を書いて、
  ”その子”として、それへの返事をひらがなで書いてゆきましょう



   
  
次回は、
この続きである「④(幼い時に作った)信念を変えてゆく」方法
についてお書きしたいと思います。


<次回へ続く>



パーマリンク

2024/2/12 (月)

恋愛/結婚がうまくいかない②愛着の問題の解決のヒント(2)

<前回からの続き> 

前回お書きした手順に従って、

今の(或いは今迄の)パートナーを自分が幼い頃の誰(親等)
無意識にダブらせてしまっている(転移)のか?がわかれば、

その転移を意識的に解除してゆきましょう。




<愛着の問題(特に転移)の解決のヒント>




②転移を解除してゆく




(1)無意識に存在する幼い頃の自分に気づく

パートナーを幼い頃の親等と思い込んでしまい、

満たされなかった思いを満たしてもらおうとしたり、
その為に作った信念を曲げる事ができなかったり、
満たされなかった時の強い感情を感じているのは、

今のあなた”ではなく、無意識の中に存在する”幼い頃のあなたです。


ですから、
パートナーに対して自動的に出て来る思考や要求、強い感情等は、
「”幼い頃の私”から出て来ているんだ」と意識しましょう。




(2)無意識と意識を区別する


意識(前頭前野)が無意識(大脳辺縁系)に支配されてしまうと、
「今の自分=幼い頃の自分」となってしまい、

無意識から湧き出て来る思考や感情、衝動に巻き込まれてしまい、
制御不能になってしまいます。

ですから、
意識が無意識に呑み込まれない様に、
意識と無意識を区別し、常に無意識を俯瞰で見続ける必要があります。


その為の第一歩として、
無意識の中の自分にもアイデンティティを与える
即ち名前を付けてあげましょう


例:「お姉ちゃん」」「小さなミカちゃん」「ヒロ君」等。




(3)”無意識の中の自分”が出て来た時に(意識的に)気づく


例えば、
パートナーと一緒に居る時に、強い怒りを感じたり、
離れている時に強い寂しさが出て来たりする事があるとします。

そういった”自動的に出て来る思考や感情、衝動”等を感じた瞬間に
それは無意識の中の自分が出て来たんだと気づきましょう。


例:「(彼がLINEの返信をくれない時に私の事なんてどうでもいいんだ
   と思って、強い寂しさや絶望感が出て来た時に)

   あ!今、幼いチエちゃんが出て来た!」等々。




(4)”無意識の中の自分”の転移を(意識が)解除してあげる


上の「(3)」の要領で、無意識の中の自分の”出現”に気づいたら、
その子”に今の現実を知らせてあげましょう。


例「(幼い時の自分を胸の中に抱いてるとイメージして)
 
  この人(パートナー)はお母さんじゃないよ!
  ほら、顔をよく見てごらん。違うでしょ?
  背の高さや体形も違うし、声や話し方も違うよね!

  だから、この人はお母さんじゃないの。お母さんじゃないのよ。

  何故かって言うと、私はもう大人になったの。
  あなたは私がいくつになったと思う?・・・・28歳になったのよ!

  だから今はお母さんから離れていても平気だし、
  この人は私の彼氏なの。

  お母さんと違って優しいし、私の事を大切にしてくれるのよ。
  だからこの人はお母さんじゃない。お母さんじゃないのよ。

  だからあなたを傷つけたりしないよ。」等々。

無意識の中の幼い自分が出て来る度に”その子”に気づき、
 何度も何度も言い聞かせてあげましょう




次回は、

この続きである「③幼い頃の自分(インナーチャイルド)をケアする」方法
についてお書きしたいと思います。


<次回へ続く>



パーマリンク

2024/2/9 (金)

恋愛/結婚がうまくいかない②愛着の問題の解決のヒント(1)

<前回からの続き> 

前回までにお書きした様に

幼い頃に親等との間に特に”愛着の問題”があった場合

パートナーの相手と親等とを無意識のうちにダブらせてしまう、
といった所謂”転移”が生じた時に、

二人の関係性がうまく行かなくなって、苦しむ状況になる事がある
と思われます。


では、

今現在そうなってしまって苦しんでいる方はどうすれば良い
のでしょうか?

或いは、
今後、相手との関係性で困らない為にはどうすれば良いのでしょうか?


今回からは、

「愛着の問題」(特に転移)で悩んでおられる方に向けて

その解決のヒントをお書きしてゆきたいと思います。




<愛着の問題(特に転移)の解決のヒント>

①無意識の転移に気づく

(1)パートナーの相手への強い感情を感じる


パートナーの相手への強い感情(怒り/憎しみ・蔑み・悲しみ・哀れみ・
寂しさ・恥・居心地の悪さ、等)が出て来た時に、
それを打ち消すのではなく強く感じ続けてみましょう。

(2)過去に遡ってゆく


それと似たような感情を感じた、一番古い過去の場面(恐らく幼い頃)まで、
イメージの中でタイムスリップしてゆき、どんどん時代をさかのぼって
ゆきましょう。

(3)転移元の相手を突き止める

「これ以上過去には遡れない」と感じた場面にたどり着いたと感じたら
自分が何歳くらいで、どこに誰と居て、何が起きてるか?
をイメージしてみましょう。


例:「私が幼稚園児の頃、お家で父と母が居て、父に殴られて
   母が泣いている・・・

   私は父が怖かったけどお母さんは私を守るどころじゃない
   し・・・」

等々。

(4)その時にできた自他への信念や欲求を割り出す

その時に感じた強い感情によって、
自分がどんな”信念”や”欲求”を持つ様になったか?
割り出して、書き留めてみましょう。

例:「私は、”お母さんが可哀相”と強く感じて、
   ”愛する人を助けなきゃいけない”と強く思ったし、

   同時に”お母さん、もっと強くなって私を守ってよ”とも思った」

等々。




上記の手順に沿って、

まず今のパートナーを幼い頃の誰とだぶらせているのか?を突き止めて、

”私は彼の事をお母さんとダブらせてしまっているんだ”等と気づく事
ができれば第一段階クリアです。


※イメージが苦手な方は、パートナーの相手との関係性の中で
 望んでいないのに繰り返される出来事の裏には、
 どんな自分の信念や欲求が隠されているのか?を考えてみて、

 自分が子供の頃、それと似たような信念や欲求を抱いていた相手
 は誰だったか?を考えてみましょう



 
次回は、

この続きである「②転移を解除してゆく」方法について
お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2024/2/7 (水)

恋愛/結婚がうまくいかない②愛着の問題(6)転移例E

<前回からの続き> 




<転移例D依存的な親>



(1)服従型

 

ノゾミさんは結婚して30年の主婦です。

 子供は独立し、自営の夫の手伝いをしながら夫と義母の三人暮らしです。


 父親の跡を継いで経営者になったプレッシャーからか、夫は不安定で、
 
 すぐお酒に逃げて、ノゾミさんに”俺はもうダメだ”等と気弱な事を言い、
 その度にノゾミさんは夫を励ましたり、なだめたりしながら
 経理の仕事だけではなく、資金繰りにまで駆け回る時もありました。


 夫の母親も高齢で体調が思わしく無く、それでいてワガママな所があり、
 それでもノゾミさんは長男の嫁として甲斐甲斐しくお世話をしていました。


 決算が終わって、やっと一息つけた頃に
 嫁いでいる娘から誘われて旅行へ行った時に、

 ”何で私は損な役回りばかりしてるんだろうか?”とふと我に返って
 思い悩み始めました。


 ノゾミさんが幼い頃の母親は父親からよく怒鳴りつけられていて、
 陰でしくしく泣いている事が多く、

 そんな母親をかばって父親に文句を言ったら、
 逆に父親から折檻された事もありました。


 おまけに妹は体が弱く、”お母さんを助けてあげたい”という一心で
 妹のお世話も率先してやってきました。」



 
(2)闘争型 

「ノゾミさんの妹のカナエさんは、

 最初は”お母さん可哀相”と感じて、姉と一緒に母親を助けよう
 としていましたが、

 成長と共に身体も健康になるにつれ、

 何かをお願いしても”お父さんに聞いてみる”と自分で決めずに、
 父親の顔色を窺ったり、

 ビクビクして姉に頼り切っている母親の事が次第にうっとおしく感じる
 様になり、反抗する様になりました。


 やがて
 成人したカナエさんは今のと巡り合いました。

 最初は”引っ張って行ってくれる頼りがいがある人”
 と好感を持っていましたが、

 結婚生活が長くなるにつれ、”俺の言う通りにしろ!”といった
 モラハラチックなワガママさが目に余る様になり、

 今は家庭内別居状態で、”子供が成人すれば・・・”
 熟年離婚も頭をよぎる今日この頃です。」



  
<解説>

上の姉妹の様に
依存的な親の許で育った場合

「現実の親」=弱くて頼りなく、助けてあげなければいけない可哀相な存在


「理想の親」=強くしっかりして助けてもらえる頼りがいのある存在

と考えられます。

ここで私が思うに

理想的じゃない親を「理想の親」にする為に
「自分が変わる事で親を理想の親に近づける」
というパターンがメインであるタイプの人

(自分は変わらず)「相手を変える事で理想の親に近づける、
 或いは最初から理想の相手を選別する」
というパターンがメインであるタイプの人

が居るのではないでしょうか?


ここで、

前者を「服従型」

後者を「闘争型」と仮に名付けます。


例えば、
「服従型」と思われる姉のノゾミさんの場合は、

「親を助けなきゃ愛してもらえない」

「自分の事より親の事を優先して、初めて愛される」

という信念ができあがっていると考えられます。


だとすれば、

「助けなきゃいけない相手、優先しなきゃいけない相手」
の方が慣れ親しんでいる訳ですから
そんな相手を無意識が選んでしまい、

「私がいかに相手を助けたり優先して幸せになるか?」
というテーマを子供時代からずっと持ち続けている訳です。


そうであるなら、

はなからそんな相手を選んでしまっている訳ですから、
当然助け続けなきゃいけない依存的な相手を選ぶ事になるでしょうし、

そうする事で、
相手の依存心がどんどん強くなって自分が苦しくなってゆくでしょう。
(共依存)

次に

妹のカナエさんの様な「闘争型」のタイプの人は、

(自分を変えるのではなく)
「相手を変える事によって相手を理想の親に近づける」

又は

「そもそも自分の理想の親に近い相手しか選ばない」

というパターンを持っていると考えられます。


カナエさんの様なタイプの人は

「私を引っ張ってくれなきゃ困る!」「強く頼り甲斐がある人でなきゃ!」

という理想に基づいて相手を選ぶと思われます。


ところがそうした場合は、

カナエさんの例の様に、
「モラハラ・自己中」な相手に引っ掛かってしまう事もあるでしょう。

或いはそうでない相手であっても、
頼りなさや優柔不断さは許されない訳ですから、

そこを責められた相手は、逃げるか?反撃に出るか?等と
いずれにしても二人の関係性が悪くなる方向へ行く事も多いと思われます。




※1.逃避型の方もいらっしゃると思いますが、ここでは割愛します




次回からは、

「愛着の問題」が根底にある場合の、
転移によって恋愛/結婚がうまくいかない方に向けての
解決のヒントをお書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2024/2/5 (月)

恋愛/結婚がうまくいかない②愛着の問題(5)転移例D

<前回からの続き> 




<転移例D過保護.甘やかす親>

(1)服従型


 
ヒロシさんは、地元の市役所に勤める20代後半の男性です。

 彼は柔和で年齢よりも若く見られ、
 先輩や上司から可愛がられるタイプですが、

 少し難しい仕事を頼まれると困ってしまい、すぐに周りの人に頼ってしまう
 といった甘え上手な所もありました。


 ヒロシさんは、地元で二人兄弟の次男として生まれました。

 彼の母親は愛情深い人でしたが心配性
 二人の息子が幼稚園の頃から”忘れ物しない様に”と
 カバンの中身を毎日チェックして入れてあげたり、

 ”息子たちには自分の様に苦労させたくない”という考えから、
 息子が欲しがる物は何でも買ってあげたり宿題等も手伝う様な人
 でした。


 現在、ヒロシさんは2つ年下の彼女と同棲していますが、
 職場での出来事や愚痴も一方的に毎日細かく彼女に話していましたし、

 彼女も働いているのに、家事も遊びのプランを立てる事も全部彼女任せ
 でした。


 彼女は最初はそんな彼の甘えたさんの部分を可愛いらしく感じていた
 のですが、

 何一つ引っ張っていってくれる部分の無い彼の事を
 ”頼りなさ過ぎ!”と段々嫌気がさしてきて、
 最近では別れ話を口にする事も増えてきました。


 思い返せば、前の彼女も
 同じ様に彼の頼りなさや依存心の強さに辟易して去ってゆきました。」

 

 
(2)闘争型 

「ヒロシさんの兄のヒデキさんは、
 ”ここに居たら自分はダメになってしまう”と、

 母親の反対を押し切って全寮制の高校へ進学し、東京の大学を出て、
 そのまま東京に残り、中堅の商社に就職しました。


 他人に頼らず、独りで仕事を抱えてしまうヒデキさんは、
 いつも忙しく、ストレスフルな毎日を送っていました。


 ヒデキさんの彼女はクールな女性で、

 彼が鬱っぽくなって仕事の話をしようとしても、
 ”そんな暗い話は聞きたくない!自分で選んだ仕事でしょ?!”
 と突き放されるので、

 ”お前は俺がどうなってもいいのか?!”等と喧嘩になる事も
 しばしばでした。


 イケメンでモテるヒデキさんは、
 今迄何人もの女性と付き合って来ましたが、

 ”別れるのなら、死んでやる!”と脅されたり、
 ”私と仕事とどっちが大事なの?”と詰め寄ってくる様な
 依存的な女性であったり、

 今カノの様にクールな女性ばかりで、
 ”どいつもこいつも自分の事なっかりでちっとも俺の事を考えてくれない!”

 と嘆く日々が続いています。」



   
<解説>

上の兄弟の様に、

過保護.甘やかす親の許で育った場合は、


「現実の親」=何でもやってくれて、甘えさせてくれる存在


「理想の親①」=何でもやってくれて、甘えさせてくれる存在


「理想の親②」=自主性を尊重してくれて、自立心を養ってくれる存在

と考えられます。

ここで私が思うに

「理想の親」が①のタイプの人

恋人や配偶者等、親密な関係になる相手に(自分は変わらずに)
「理想の親像①」を求め続けるというパターンがメインであると考えられ、

「理想の親」が②のタイプの人

恋人や配偶者等、親密な関係になる相手に(自分も変わろうとしながら)
「理想の親像②」を求め続けるというパターンがメインである

と考えられます。


ここで、

前者を「服従型」

後者を「闘争型」
と仮に名付けます。


例えば、
「服従型」と思われるヒロシさんの場合は、

「僕が好きな人は僕の事を一番に考えてくれて甘えさせてくれるはずだ」

という信念ができあがっていると考えられます。


だとすれば、

「僕の事を一番に考えて!」「甘えさせて!」「何でも許して!」
等と相手への要求がエスカレートしてしまうでしょう。


そしてそうなった時に、
相手がうんざりする
か、
そうしてくれない相手に不満を持ってしまうか?

になってゆく事が多いと思います。



次に

兄のヒデキさんの様な「闘争型」のタイプの人は、

「理想の親像②」を好きな相手にダブらせてしまう(転移)
と考えられますので、

(自分の自立心を養おうとしながら)
自主性を尊重してくれて、自立心を養ってくれる存在
無意識が選ぼうとするでしょう。


それ故、
甘えを許さない人やクールな人を選んでしまう事が多いと思います。


ところが、

冷たくされ続けると、それはそれで
「俺の事を大切にしろ!」となってしまうでしょう。

何故なら、
「闘争=反発」以前は、「服従=享受」

つまり
親の過保護を受け容れていた自分が居て、
無意識のその部分では、”大切にされて当然だ!””もっと甘えさせて!”
と感じているからです。




※1.逃避型の方もいらっしゃると思いますが、ここでは割愛します


※2.転移によって恋愛/結婚がうまくいかない方に向けての解決のヒント
   はこの章の最後にお書きします




次回は、

「愛着の問題」による代表的な”転移の例”のうち、
依存的な親の許で育った場合の例をお書きします。

<次回へ続く>



パーマリンク

2024/2/2 (金)

恋愛/結婚がうまくいかない②愛着の問題(4)転移例C

<前回からの続き> 




<転移例C支配的/過干渉な親>

(1)服従型


 
ヤヨイさんは一流大学を出た30歳の研究員。

 仕事は優秀で、会社からの評価も高く、
 それでいてうぬぼれる事も無い控えめな女性です。


 彼女が育った家は代々続く名家で、
 母親はその家に女ばかりの長女として生まれました。


 母親の家系は学業優秀な人が多く、
 母親の伯父や叔父、伯母、叔母、甥等一流大学を出て 
 医者や弁護士、大学教授等の親戚も多かった様でしたが、

 母親は体が弱くて学校を休む事も多く、地元の短大へ進学しました。


 そんな家に婿養子として入ったのが父親でした。

 ヤヨイさんの子供時代の記憶は、

 母親がつきっきりで勉強を見ていて、
 教科書の問題を間違うと”何でここを間違うのよ!”と大声で怒ったり
 教科書を”バーン”と叩きつけたりしました。


 学校のテストでも常に100点を求める母親でしたので、

 95点だったとしても
 ”何で100点取れないの?!間違ったとこを 今すぐ復習しなさい!”
 と金切声をあげられました


 父親は母親の言う事に従う人でしたし、
 祖母もかばってくれる様な人では無く、

 ヤヨイさんは”100点取れない私がと悪い子なんだ” 
 といつも感じていました。


 また、
 3つ上に兄が居たのですが、その兄も同じ様にスパルタで勉強させられ、
 県外の超有名中学校へ入ったのですが、

 燃え尽きてしまったのか、学校へ行けなくなってしまい、
 部屋に引きこもった兄の部屋からは壁を叩く音や誰かを罵倒する大声
 が聞こえる様になりました。


 それでも母親や祖母達の期待を一身に浴びた彼女は
 その期待に応え、見事一流大学へ入り、

 母親が望む一流企業の研究員となって、
 順風満帆な人生を歩み始めました。


 そんな彼女に初めて彼氏ができました。

 アプリで知り合った男性でしたが、

 デートや旅行のプランも全部彼が細かく決め、
 記念日には予めお店と打ち合わせをしておいて、
 サプライズパーティーをしてくれる様な人でした。


 その彼氏は母親のウケも良く
 ”彼の父親は歯科医で、彼も〇〇大学を出て歯科医なのね! 
 あなたも子を産む事を考えたら早く決めなさい”

 等とプレッシャーをかけてきます。


 ただ、
 ヤヨイさんは彼と付き合ってゆくうちに段々不安になってきました。

 と言うのも、
 彼の好みで連れて行ってくれた映画の上映中に、
 疲れがたまっていた彼女がついうとうとしてしまっているのがバレてしまい

 ”こんな面白い映画なのに何で楽しめないんだ!”とイライラされたり、

 旅行先でも”もう少しのんびりしようよ”等彼女が言おうものなら、
 ”ダメだ!僕が決めたスケジュールに遅れてしまう”等と言われたり、

 彼に全て合わせて行かないと機嫌が悪くなる事がわかってきたからです。


 そんな事が続いて”このままこの人と結婚してやっていけるのか?”
 と感じる様になったのですが、

 一方では”お母さんの期待に応えなきゃ!”という気持ちとの板挟み
 に悩む様になりました。




(2)闘争型 

「ヤヨイさんの兄のケンタさんは、中学で燃え尽きて不登校になった後、
 通信高へ進学し、コンピューターの専門学校を出て、

 今は家を離れて都会で独り暮らしをしながら
 システムエンジニアとして働いています。


 30歳を過ぎてから、同じ会社の女性と付き合う様になったのですが、

 その女性は、アニメの声優の”推し活”に夢中で、
 ケンタさんから連絡をしないと何日も連絡をくれる事も無い人で、

 デート中も常にスマホをいじってるので、”何見てるの?”と彼が聞いても

 ”〇〇(推しの声優)のスケジュールをチェックしてる”
 等と答えるのみでした。


 ケンタさんは”僕に気が無いのかな?”と疑心暗鬼になってきましたが、

 デートに誘ったら断ってこないし、
 ケンタさんの事が嫌いな様子でもなさそうなので、

 別れるに別れられず、その女性とずるすると付き合っています。」




<解説>

上の兄妹の様に、

支配的/過干渉な親の許で育った場合は、


「現実の親」=支配/過干渉的で自分の意志や自由を許されない存在


「理想の親」=干渉せず、自由にさせてくれる存在

と考えられます。


ここで、私が思うに

理想的じゃない親を「理想の親」にする為に、
「自分が変わる事で親を理想の親に近づける」

というパターンがメインであるタイプの人

(自分は変わらず)相手を変える事で理想の親に近づける、
 或いは最初から理想の相手を選別する」

というパターンがメインであるタイプの人
が居るのではないでしょうか?


ここで、
前者を「服従型」

後者を「闘争型」と仮に名付けます。


例えば、

「服従型」と思われる妹のヤヨイさんの場合は、

「私は親の言う通りにして、初めて愛される」

「親の期待に応えられない私は幸せにはなれない」

という信念ができあがっていると考えられます。


だとすれば、

「言う通りにしないと許さない、愛してくれない相手」
の方が慣れ親しんでいる訳ですから、
そんな相手を無意識が選んでしまい

「私がいかに言う事を聞いて、相手の期待に応えて幸せになるか?」
というテーマを子供時代からずっと持ち続けている訳です。


そうであるなら、

はなからそんな相手を選んでしまっている訳ですから、
当然自分の要求を聞いてはくれないでしょうし、

相手の男性も、言う事を聞き続ける彼女の事を軽く見たりするでしょう。


そして

「俺の言う通りにしない奴は要らない!」と距離を取られたり
付き合いを絶たれたりする事も出て来るでしょう。



次に

兄のケンタさんの様な「闘争型」のタイプの人は、

(自分を変えるのではなく)
「相手を変える事によって親を理想の親に近づける」

又は

「そもそも自分の理想の親に近い相手しか選ばない」

というパターンを持っていると考えられます。


ケンタさんの様なタイプの人は

「俺にかまうな!」

「放っておいてくれ!」

「自由にさせろ!」

という信念を持っていると思われますので、

基本的に無意識は「その通りの人」を選んでしまっている訳です。




※1.逃避型の方もいらっしゃると思いますが、ここでは割愛します


※2.転移によって恋愛/結婚がうまくいかない方に向けての
  解決のヒントは、この章の最後にお書きします




次回は、

「愛着の問題」による代表的な”転移の例”のうち、
過保護.甘やかす親の許で育った場合の例をお書きします。


<次回へ続く>



パーマリンク

powered by HAIK 7.0.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional