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コラム/2024-01

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2024/1/31 (水)

恋愛/結婚がうまくいかない②愛着の問題(3)転移例B

<前回からの続き> 




<転移例B暴力的な親>

(1)服従型


ユキさんは30代の一児の母である女性です。


 彼女が幼い頃、父親は自分の思い通りにならないとキレる人で、
 特にお酒が入るとよく八つ当たり的に母親を殴ったり
 蹴ったりしてました。


 ただ父親は事あるごとにユキさんの事を”俺とそっくりだ”と言うので、
 ユキさんは”パパ、大好き!”と上手に機嫌を取っていたので、
 彼女が暴力を振るわれる事はなかった様です。


 母親はストレスや嫉妬もあったのか、
 ”お姉ちゃんなのになんで家事を手伝わないの?!”
 ユキさんを怒鳴ったり、


 妹とチャンネルの奪い合いになった時には、
 ”お姉ちゃんなんだから我慢しなさい!”と怒ったり、
 それでも文句を言おうものなら、母親はユキさんに手を上げたりしました。


 そんな環境でしたから、
 ユキさんは、いつもビクビクして両親の顔色を見ながら暮らしてしました。


 そんなユキさんも、
 20代半ばの時に友人の紹介で知り合った男性と付き合う事になりました。


 話し上手で面白い男性だったので、彼女は”この人なら”と結婚しました。


 夫は気分屋の部分がありましたが、
 結婚して1年くらいはそれでも幸せを感じていたユキさんでしたが、
 出産後くらいから、夫の様子が変わりました。

 何かにつけて気に入らないとユキさんに暴力を振るう様になったのです。


 でも、彼女は誰にもその事を言わずに我慢して、
 ”夫を怒らさない様に”と、
 いつもビクビク顔色を見ながら子育てを頑張っていました。」




(2)闘争型

「一方、ユキさんの妹のサキさんは”お前の生意気さは母親譲りだ!
 お前のツンとした顔を見てるだけでムカついてくる!”
 と、父親に暴力を振るわれていました。


 ただ、母親はユキさんには厳しかったのですが、
 サキさんは母親にぶたれた事は無かった様です。


 それでも、母親の決めたルールに反した場合は、
 二人共家の外に締め出されるという事はよくありました。


 やがてサキさんは”早くこの家から出よう”
 と実家から遠く離れた大学へ進学し、家を離れ
 大学のサークルで出会った人と結婚しました。


 夫は何でもサキさんの事を優先してくれる優しい人でしたが、

 旅行や遊びの計画も”君が行きたい所へ行くよ”と自分の意見を
 言わない男性で、

 夜の営みもサキさんから誘わないと自分から積極的に誘ってくる人
 ではありませんでした。
 

 今、丁度結婚2年目ですが、
 常に受け身で優柔不断な夫に業を煮やしたサキさんは

 ”あんたには自分の意志ってものが無いの?!”

 ”男なら私を引っ張っていってよ!”

 等と夫を一方的になじる事が増えてきました。」

 


<解説>

上の二人の姉妹の様に、暴力的な親の許で育った場合は

「現実の親」=尊重されず、暴力を振るう恐ろしい存在

「理想の親」=尊重してくれる、優しい存在

と考えられます。

ここで、私が思うに

理想的じゃない親を「理想の親」にする為に、
「自分が変わる事で親を理想の親に近づける」
というパターンがメインであるタイプの人

(自分は変わらず)相手を変える事で理想の親に近づける、
 或いは最初から理想の相手を選別する」
というパターンがメインであるタイプの人

が居るのではないでしょうか?

ここで、

前者を「服従型」

後者を「闘争型」と仮に名付けます。


例えば、

「服従型」と思われる姉の''ユキさん''の場合は、

「私なんて愛され大切にされる価値がない」

「だから私が相手の機嫌を取り続けない限りは
 今のままでは愛されたり優しくされる筈がない」

という信念ができあがっていると考えられます。


だとすれば、

「機嫌を取り続けないと自分をかまってくれない、大切にしてくれない相手」
の方が慣れ親しんでいる訳ですから、

そんな相手を無意識が選んでしまい、

「私がいかに機嫌を取って、相手が愛してくれる様に持っていけるか?」
というテーマを子供時代からずっと持ち続けている訳です。


そうであるなら、

はなからそんな相手を選んでしまっている訳ですから、
当然大切にはしてくれないでしょうし、

相手の男性も、服従し機嫌を取り続けてくる彼女の事を軽く見たりする
でしょう。


そして

「お前が俺の機嫌が悪くさせるんだ!」と暴力を振るったり暴言を吐く
事も出てくるでしょう。




次に

ユキさんの''妹のサキさんの様な「闘争型」''のタイプの人は、

(自分を変えるのではなく)
「相手を変える事によって親を理想の親に近づける」

又は
「そもそも自分の理想の親に近い相手しか選ばない」

というパターンを持っていると考えられます。


サキさんの様なタイプの人は

「尊重されて当たり前」

「私の事を大切尊重してくれない相手を許さない」

という信念を持っていると思われますので、

基本的に無意識は「尊重してくれる人」を選ぶでしょうが、

時にそれが自分の意志を持たず、常に受け身な優柔不断な相手
であったりもするでしょう。

そして、

それはそれで”尊重されてる”とは感じないていないのが
サキさんの例です。




※1逃避型の方もいらっしゃると思いますが、ここでは割愛します

※2転移によって恋愛/結婚がうまくいかない方に向けての
  解決のヒントは、この章の最後にお書きします




次回は、

「愛着の問題」による代表的な”転移の例”のうち、
支配的/過干渉な親の許で育った場合の例をお書きします。

<次回へ続く>



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2024/1/29 (月)

恋愛/結婚がうまくいかない②愛着の問題(2)転移例A

<前回からの続き> 

前回、

「幼少期に、親(養育者)との間できちんとした愛着関係が
 育まれていなかった人に、

 無意識的にパートナーを親(養育者)とだぶらせてしまう、
 といった 所謂”転移”が生じた場合には、

 叶わなかった”理想の親像”をパートナーに求め続けたり。
 愛着を得る為の不適応的なパターンをパートナーとの間で
 繰り広げ続けると考えられる。

 それ故、
 パートナーとの関係が悪化したり、自身が苦しむ事になる、
 という問題が生じやすい」

とお書きしました。


今回からは、

親との関係性によって生じた愛着の問題”転移”に的を絞って、
いくつかのをお書きしてゆきたいと思います。




<転移例Aネグレクト的な親>




(1)服従型

麗子さんは、20代後半のOLです。

 彼女が幼い頃は父親は仕事人間で、毎日夜遅く帰って来て
 休みもあまりなく、かまってもらった記憶もありませんでした。

 そんな父親を母親はののしって、夫婦喧嘩が絶えませんでした。

 彼女が小学校に上がった頃から、
 母親も夜に飲み歩いたり、(後から考えたらどうやら浮気をしていた様で)
 ”これでご飯買って食べといて”と食事代のお金をテーブルに置いて、
 家を何日も空ける事も増えてきました。

 中学生になっていた姉も友達の家へ行ったりしていましたので、
 麗子さん独りでカップ麺で夕食を済ませる事も多くなりました。

 でも、お母さんが好きな麗子さんは”私がもっと良い子で居れば
 お母さんももっと一緒に居てくれる筈だ”
 勉強や家事も真面目に頑張り続けました。

 そんなある日、たまたま家に居たお母さんに
 ”お母さん、お父さんと居る事がしんどかったら、離婚してもいいよ”
 と言ったら、

 ”あんた達が居るから離婚なんてできない”と母に言われ、
 ”あ~私のせいでお母さんは苦しんでるんだ”と、
 ”もっともっと良い子にならなきゃ”と誓いました。
 

 そんな辛く淋しい幼少期を過ごした彼女も
 高校生の時に初めて彼氏ができました。

 ところがその彼氏は麗子さんとの交際よりも友人と遊ぶ事が大事
 だった様で、よくデートの約束もすっぽかされる様になりました。

 麗子さんは”私に魅力が無いからだ”と思い、
 彼の理想の女性になろうと努力したり気を遣ったりしましたが、
 結局、彼は離れてゆきました。


 その後、2人の男性とも付き合ったのですが、
 最初は優しく見えたのに、付き合ってゆくうちに、
 自分よりも仕事や遊びを優先する人だとわかって

 ”やっぱり私なんて何の価値も魅力も無い人間なんだ”
 益々自己否定的になってゆきました。」




(2)闘争型

「一方、麗子さんの姉の陽子さんはそんな両親に反発して、
 しょうっちゅう両親に文句を言って、時には喧嘩になっていました。

 そして中学生の頃から髪の毛を染めて、
 遊び仲間の家を転々とする生活を送りました。


 その後、陽子さんが付き合った彼氏は、

 ストーカーチックに束縛する相手だったり、
 エスカレートしてゆく陽子さんの要求に耐えられず
 逃げ出してしまう等、うまく行きませんでした。」

 


<解説>

上の麗子さんの例の様に、ネグレクト的な親の許で育った場合は、


「現実の親」=かまってくれない、大切にしてくれない


「理想の親」=かまってくれる。大切にしてくれる

と考えられます。


ここで私が思うに

理想的じゃない親を「理想の親」にする為に
「自分が変わる事で親を理想の親に近づける」
というパターンがメインであるタイプの人

(自分は変わらず)相手を変える事で理想の親に近づける、
 或いは最初から理想の相手を選別する」
というパターンがメインであるタイプの人

が居るのではないでしょうか?


ここで、

前者を「服従型」

後者を「闘争型」

と仮に名付けます。


例えば、

「服従型」と思われる麗子さんの場合は

「私なんて愛され大切にされる価値がない」
「だから私がもっと素敵な女性にならない限りは
 今のままでは愛されたり大切にされる筈がない」

という信念ができあがっていると考えられます。


ですから自分が何も変わっていないのに、
愛してくれる男性が現れてもにわかに信じる事ができず
拒絶してしまうでしょう。


逆に、

「自分をかまってくれない、大切にしてくれない相手」の方が
慣れ親しんでいる訳ですから、

そんな相手を無意識が選んでしまい
「私がいかに変わって、相手が愛してくれる様に持っていけるか?」
というテーマを子供時代からずっと持ち続けている訳です。


だとすれば、

はなからそんな相手を選んでしまっている訳ですから、
当然大切にはしてくれないでしょうし、
相手の男性も、服従し機嫌を取り続けてくる彼女の事を軽く見たりする
でしょう。


次に

麗子さんの姉の様な「闘争型」のタイプの人は

(自分を変えるのではなく)「相手を変える事によって理想の親に近づける」

又は

「そもそも自分の理想の親に近い相手しか選ばない」
というパターンを持っていると考えられます。


お姉さんの様なタイプの人は

「大切にされて当たり前」

「大切にしてくれない相手を許さない」

という信念を持っていると思われますので、

基本的に無意識は「大切にしてくれる人」を選ぶでしょうが、
時にそれがストーカーチックな束縛男であったりもするでしょうし、

或いは逆に「なんでもっと大切にしてくれないんだ!」
相手への要求がエスカレートしてゆき、相手が疲弊してしまう

という事も起こり得ると思います。


※1.逃避型の方もいらっしゃると思いますが、ここでは割愛します

※2.転移によって恋愛/結婚がうまくいかない方に向けての解決のヒント
 はこの章の最後にお書きします




次回は、

「愛着の問題」による代表的な”転移の例”のうち、
暴力的な親の許で育った場合の例をお書きします。

<次回へ続く>



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2024/1/26 (金)

恋愛/結婚がうまくいかない人へ②愛着の問題(1)

<前回からの続き>

「私が選ぶ男性は最初は優しく見えても、
 付き合ってゆくうちに、必ずモラハラやDVされてしまう・・・。

 いつもこうなってしまうのは、私自身にも問題があるのかな?」

「最初は”タイプだ”と思っていた人でも、親密になればなるほど
 距離を置きたくなってしまい、結局自分から身を引いてしまう・・・。

 こんなんじゃあ、いつまで経っても結婚できない。」


「私は自分で”尽くす女”だと感じている。
 一生懸命相手に尽くすのに、何故か相手が離れてゆく・・・。

 押しつけがましくならない様に気を遣っているんだけど、
 私ってウザいのかな?」




いつも同じ様なパターンで恋愛や結婚がうまく行かない場合は、
愛着の”問題”が隠れている場合も有ると思います。

以下、
それらの”問題”の代表的な例を挙げてみたいと思います。




<愛着の問題>

幼少期には誰でも不安や不快を自分で処理する事ができません。

ですから、愛情を持って寄り添ってそれらを解消してくれる
安全基地となる親(養育者)の存在が不可欠です。


そうした親(養育者)との間で、
きちんとした愛着関係が結ばれていれば良いのですが、

そうでなかった場合は、
大人になってからも特に恋愛/婚姻関係において
愛着の問題が生じる事も少なく無いでしょう。


どういう事かと申しますと、

幼ない子供にとっての愛着の対象は親等の養育者です。

ですから当然親の愛情や庇護を求める訳です。


ところが、

例えば
気分屋で、すぐ怒鳴ったり手が出たりする母親の許で育った場合は、

愛着の対象は怒鳴ったり暴力的な人で、愛される為の手段は服従する事です。


そして、

その人がパートナーを選ぶ時には「愛着の対象」を選ぶ訳ですから、
無意識的にそんな母親の様なモラハラ/DVチックな相手を選んでしまう
事もあるでしょう。


そしてそんな相手に対して、子供時代と同じように
「服従」(抵抗/反抗せず、逃げもしない)という手段を採り続けるから、

相手のモラハラ/DVが益々酷くなって
気が付くと耐えられないレベルになっていた、という事も起こり得ます。


この、
親とパートナーを同一視してしまう等の、
無意識が誰かを別の人とダブらせてしまう事を「転移」と言います。

(この「転移」は、殆ど全ての人にとって
  重要な人間関係において生じると考えられています)


しかも、

本人の意識では無意識の中で「転移」が起きているなんて
知らない訳ですから、

「何でいつもこうなってしまうんだろう?・・・」

と徐々に絶望的になってゆく事もあると思います。




次回からは、
「愛着の問題」代表的な”転移の例”を挙げてみたいと思います。



<次回へ続く>



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2024/1/24 (水)

恋愛/結婚がうまくいかない①無意識の抵抗(2)解決ヒント下

<前回からの続き>

B.その適正比率に対してワガママ(正直)になる

前回の「A」でわかった自身の”適正比率”が、

もし生まれ持ったものだとすれば、
それを無視すると心が安定せず後々苦しむ事になる事が多いでしょう。


勿論、
自分の”耐性”の幅を広げるといった成長志向がある人は
多少無理しても構わないかも知れませんが・・・。


ですから、まずご自分の”適性比率”に基づいて

(1)恋愛関係や婚姻関係を選ぶ/選ばない

(2)相手を選ぶ

(3)工夫してゆく

という事が大切だと思います。


トラウマや成育環境等から後天的に生じた無意識と意識の葛藤によるもの
 は後述したいと思います。そしてその葛藤の解消が成された後でも
 無意識の抵抗がある場合は、今回のケースに当てはまると考えられます




(1)恋愛関係や婚姻関係を選ぶ/選ばない

もし、
ご自身に(トラウマや愛着の問題とは関係なく)
「③」(誰かと親密になる)の割合が殆ど無いと感じられた場合は、
恋愛関係や婚姻関係を選ばない、という選択肢も有りだと思います。


但し、
その場合は(特に「①」の割合が大きい人は)
周囲のプレッシャーを跳ねのけるワガママさや、
老後の不安等に屈しない強固な意志が必要になるかも知れません。




(2)相手を選ぶ

自身の「①」~「③」の”適正比率”とは相性が悪い相手が居る筈です。


例えば、

「①」(不快を避ける)「10%」
「②」(快刺激を求める)「40%」
「③」(誰かと親密になる)「50%」の人は、

一人でまったりする事を好む相手にはウザがられてしまうかも知れません。


ですから、
相手の”適正比率”をいち早く知っておいた方が良いでしょう。


その為には、

「もし、一生遊んで暮らせるお金と時間がたっぷりあって、
 しかも何でもできる外見と才能を身につけていて、
 家族や周りの人は何をしても反対しないとすれば、
 何がしたい?何が欲しい?どうなりたい?」

等の質問や、


「今迄で一番幸せを感じた場面は?」

等の質問を相手に投げかける事によって、
相手の適正比率を探っておくのが役に立つでしょう。

これは趣味趣向の一致/不一致を探るのが目的ではなく、
 あくまでも適正比率を探る為と考えましょう




(3)工夫してゆく

上記の”適正比率”的には「相性が良くない」と感じた相手でも
好きになったのであれば、そうそう諦める事は難しいと思います。


ならば、工夫をしてゆきましょう。


例えば、

「③」(誰かと親密になる)「10%」くらいで、
「①」(不快を避ける)「40%」
「②」(快刺激を求める)は最も多く「50%」くらいだと感じられた方が、

「③」が多い相手と恋愛/婚姻関係になった場合は、

相手に合わせて一緒に居る時間は取るけれども、
好きなゲームや動画、本等に集中する

或いは「面白い話をして!」等とワガママさを思い切って最初から出す

或いはまた、
「友人と会う」とか「趣味の時間は譲れない」等と
理由を作って極力「①」「②」を満たす時間を作る、等々。


逆に、

「③」(誰かと親密になる)「50%」
「①」(不快を避ける)「40%」
「②」(快刺激を求める)「10%」くらいだと感じた方の相手が、

「③」「10%」「②」「60%」くらいあったとすれば、

例えば、相手に自己開示し、

「あなたの趣味や交遊関係はとやかく言わないけど、
 一緒に居ない時はこまめに連絡して!」
とか
「一緒に居る時間が少ないのなら、せめてその間だけは
 私だけに集中して言葉やスキンシップで私を安心させて!」

とお願いする、等々。




次回からは、

「愛着の問題」によって、恋愛がいつもうまくいかない方
に向けて、その原因と対策をお書きしてゆきたいと思います。



<次回へ続く>



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2024/1/22 (月)

恋愛/結婚がうまくいかない①無意識の抵抗(2)解決ヒント上

<前回からの続き>

前回お書きした様に、

「特に敏感な方は心が不安定になり易く、心を安定させる方法として、
 3つの方向性、即ち

 ①不快刺激のシャットダウン(セロトニン型)、

 ②快刺激を得る(ドーパミン型)、

 ③他人との交流を求める(オキシトシン型) を持っている」

と、私は推測しています。


そしてその
3つの”適正”な比率/割合は、個々人それぞれ持って生まれて決まっている
とも考えます。


もしそうであるなら、

恋愛⇒結婚⇒出産がその適正な比率に反している時は、
無意識の抵抗が生じ、恋愛や結婚生活を長続きさせない方向へ傾いたり、

そもそも恋愛や結婚を望まない方向へ無意識が働く事もあると思います。


例えば、

「③」(誰かと親密になる)の比率が少なく「①」(不快を避ける)

「②」(快刺激を求める)が多い人は

誰かと親密になると誰にも邪魔されない自分だけの時間/空間や
自分の好きな事を楽しむ自由が妨げられるので、

そもそも恋愛関係や結婚生活を永続させるには不向きな傾向を持っている
と言えるでしょう。


ところが、そういった方の中でも

例えば
「①」の割合が多く「③」が少ない人が
親や周囲から、”結婚しろ”といったプレッシャーを受けた時は、

その不快刺激を避ける為に婚活しようと無理してしまう場合もあるでしょう。


或いは
「②」の割合が多く「③」が少ない人が、
この人と居れば楽しい!といった目先の快刺激に目が眩んで(笑)、
結婚して後悔する、という事も起きる可能性があると思います。




それでは、どうすれば良いのか?


今回と次回でその解決のヒントをお書きしたいと思います。




<恋愛/結婚がうまくいかない人へ①無意識の抵抗
 (2)解決のヒント上>

A.自分にとっての快/不快の適正比率を知る

例えば、
以下の様な空想をしてみましょう。


「一生遊んで暮らせるお金と時間がたっぷりあって、
 しかも何でもできる外見と才能を身につけていて、

 家族や周りの人は何をしても反対しないとすれば、
 何がしたい?何が欲しい?どうなりたい?」


⇒その”答え”をできるだけ多く書き出してみましょう。


⇒そしてその”答え”から、「①」~「③」の適正比率を割り出しましょう。


「無人島に別荘を買って、年の半分はそこで独りでダイビングや
  クルージングを楽しみ、残りの半年は都会のタワマンで
  楽しい仲間と連日パーティーをしたい」

だとすれば、

恐らく
「③」(誰かと親密になる)「10%」くらいで、
「①」(不快を避ける)「40%」
「②」(快刺激を求める)は最も多く「50%」くらいかも知れません。


或いは、
別の人の空想では、

「大きなお家を買って、好きなインテリアを揃え、
 好きな人とずっと一緒に家に居てまったりしたい」
だとすれば、

「③」(誰かと親密になる)「50%」
「①」(不快を避ける)「40%」
「②」(快刺激を求める)「10%」くらいで事足りるのかも知れません。




次回は、
今回の続きで無意識との葛藤の解決のヒントの後半
をお書きしたいと思います。



<次回へ続く>



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2024/1/19 (金)

恋愛/結婚がうまくいかない人へ①無意識の抵抗(1)原因

<前回からの続き>

そもそもあなたは何故恋愛や結婚にこだわっているのでしょうか?

「一人じゃ寂しいから」


「昔から結婚に憧れがあるから」


「子供が欲しいから」


「安定したいから」


「一人じゃ老後が不安だから」


或いは、

「適齢期になると結婚するのが当たり前だと思っているから」


「両親が結婚や孫の誕生を望んでいるから」


「周りの友人はみんな恋人が居たり、結婚していってる事に焦るから」


・・・等々、それぞれの想いをお持ちだと思います。

ここで、まず気を付けないといけない事は、

自分の中に「恋愛や結婚に反対している部分」が無いか?

を確かめてみる事だと思います。


例えば、

「恋愛や結婚、その先の出産等を想像した時に、
 自分にとってのマイナス面や嫌な事は何だろう?」

と自分に問いかけてみましょう。


そして、その答えが

「気を遣いすぎる私は、相手に合わせて行っちゃうと思うから、
 同棲とか結婚となると、しんどくなりそう」


「独身の時は時間もお金も自由に使えたけど、そうは行かなくなりそう」


「恋愛⇒結婚となると、今やってる好きな仕事を続けて行けるのかな?
 と不安」


「ずっと独り暮らしだったから(実家に居たから)
 たとえ好きな相手でも同棲や結婚してうまく行くのかなあ?」


等のマイナス面が出てきたとすれば、

もしかすると”無意識の抵抗”があるのかも知れません。


と言いますのは、

私が前々から申し上げてる事の中に

「特に敏感な方(感覚過敏や心的過敏を持っている方)は、
心が不安定になり易く、

心を安定させる方向性として3つの方向性、

即ち
①不快刺激のシャットダウン(セロトニン型)

②快刺激を得る(ドーパミン型)

③他人との交流を求める(オキシトシン型)

 がある」という推測があります。

この推測を踏まえて考えてみますと、

恋愛や結婚等、他人と距離を近づけ過ぎると、
たとえどんなに好きな相手でも

「気を遣う」

「相手がたてる音や声が気になる」

「自分の安らぎや自由が奪われる」

等の不快刺激を被る事になるでしょう。

もしそうであるとすれば、

「①」の割合が多く「③」の割合が少ない人にとっては、

快刺激=一緒に居る心地良さ(「③」)よりも、
不快刺激=一緒に居る居心地の悪さ(「①」が満たされない)
が大きくなってゆくでしょう。


或いは、
自由に自分の思い通りの快刺激を得て安定する、といった
「②」の割合が「③」より多い人にとっては、

恋愛や結婚はある程度は相手に縛られて、
それが満たせなくなる場合も出て来る訳ですから、
無意識は抵抗(反対)すると考えられます。

※まして子供ができると「①」や「②」は尚更満たせなくなるでしょう




それでは、
そういった無意識の抵抗が起きやすいタイプの方
どうすれば良いのでしょうか?


次回からはその葛藤の解決のヒントをお書きしたいと思います。


<次回へ続く>



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2024/1/17 (水)

恋愛/結婚がうまくいかない人へ

「実家に帰省すると、両親は”良い人居ないの?”とか
 ”結婚は?”等とプレッシャーをかけてくる・・・。

 周りの友人達も次々と結婚してゆくし、私も今年でもう30歳だ。

 そろそろ真剣に考えなきゃいけないんだろうけど、出逢いなんてないし
 ・・・」

「この前、彼と別れた・・・。今度の彼はきっと大丈夫だと感じたのだけど、
 結局またモラハラ気質の人だった・・・。

 今迄の恋愛でも、最初は優しく見えても付き合ってゆくうちに
 モラハラ気質の人だったり、極端に依存的な人だったり、
 まともな男性は居なかった・・・。

 あ~あ、私は男運が無いのかな?」




私のコラムブログをお読み頂いてる方の中にも
恋愛や婚活がうまく行かず悩んでおられる方もいらっしゃると思います。


そういった方の中には「ノウハウ動画や本」をご覧になっておられる方
もいらっしゃるでしょう。


先日、
恋愛のお悩みでお越しになったクライアントさんがご覧になっておられる
「こうすれば恋愛がうまくいく!」という動画を10本ほど見せて頂いた
のですが、

「俺は、こうしてうまく行ったから俺の言う通りにしろ!」みたいな
モラハラ的(笑)な動画や

「元〇〇ホステス(ホスト)が教える恋愛がうまくいく女(男)心の掴み方」
等の、

自身の経験が絶対だと信じておられる方の動画が多いのにびっくりしました。


その中でも、比較的マシなものも2~3本はあったのですが、
殆ど全てが心理学的な考察を無視し、独りよがりなものが多いと感じました。


私は、恋愛がうまく行かないのは個々人によって違う原因があって、
そのうまく行かないパターンが繰り返されているからだと考えます。


そこで今回からは、

うまく行かない主な原因を以下、12のタイプに分け、
それぞれの原因と解決のヒントをお書きしてゆきたいと思います。
(どのタイプにも当てはまらない方はお気軽にご相談下さい)




<恋愛/結婚がうまくいかない12のタイプ>


①無意識の抵抗


②愛着の問題(転移等)


③トラウマの問題


④強度の不安


⑤他者不信


⑥自己不信


⑦飽き性


⑧依存(被支配)


⑨支配


➉共依存


⑪相手の気持ちがわからない


⑫コミュニケーションが苦手




次回からは、上記の12のパターンについて、
一つ一つ原因と対策をお書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



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2024/1/15 (月)

学校へ行けない人へ④不安過敏(2)実存的不安解消のヒント

<前回からの続き>

今回は、

”不安過敏”とも言うべき「不安」に対する過敏さを持っている為に
学校へ行けなくなっているお子さんの中で、

前回のJ男君の例の様な”実存/哲学的不安”によるものと思しきお子さん
やその親御さんに向けて、解決へのヒントをお書きしたいと思います。




<学校へ行けなくなったお子さんの解決へのヒント
 ④不安過敏(2)実存的不安>

①確定している事に敏感さのベクトルを向ける

前述のJ男君の様な「実存的不安」が強いタイプの人は

「自分がいつ死ぬかわからない」

「選択した結果がどうなるかわからない」

「相手とどういう関係になってゆくかわからない」

「どんな目的で人生を生きたら正解か?がわからない」

等の不確定要素に敏感さのベクトルを向けるが故に、
答えが出せずに、悩み続けると考えられます。


だとすれば、
確定している要素にベクトルを向ける事が役に立つのではないでしょうか?


例えば、

「自分はいつかは死ぬ。でもそれまでは生き続けなきゃならない」

「生きている間は誰かと関わり続けなくてはならない」

等は不可避の確定的な要素だと思います。




②抽象的な曖昧さを排除し、より具体化してゆく


上の「①」では、

「じゃあ、いつ死ぬのだろう?・・・そんな事わからない」

「誰と関わればいいのだろう?」

等と、まだ悩みの種は尽きなさそうです。


そこで、

「20歳までしか生きられないとすれば?」

「関わる人を誰か一人だけ選ぶとすれば?」

等と、
仮にでも限定的に決めれば、より具体化する事ができるでしょう。




③自分の意志や欲求を取り戻す


抽象的な悩みにベクトルが向いていると、
自分の欲求や意志が入り込む隙間が無くなり、無力感を感じるでしょう。


ところが、具体化できれば、

「20歳までしか生きられないとすれば、何がしたい?どう生きたい?
 今の悩みを抱えたまま死を迎えたとすれば、何の悔いが残るのか?」

「誰か一人だけと関わるとすれば、まず誰を選ぶ?
 その人とはどういう関係になりたい?」

等と、
自分の意志や欲求を取り戻す事ができるでしょう。




④持ち前の分析力や意味づけを自身の意志や欲求の実現に使う


例えば、

(20歳までしか生きられないとすれば?)

⇒「今の腐敗した政治を変えたい!」

⇒(その為に、今の僕に必要な事は?)

「政治経済の事をもっと勉強したい」

⇒(それができたら?)

⇒「ユーチューブで発信し、同じ思いの人達と繋がりたい」

⇒(それができたら?)

⇒「政治に参加して僕が生きた証を残したい」


(誰か一人だけと関わるとすれば?)

⇒「ギフテッドの弟を残して、逝っちゃうのが心配だ」

⇒(弟の為に何がしたい?)

⇒「弟の親友になって、楽しい思い出を沢山作ってあげたい」

等々。



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2024/1/12 (金)

学校へ行けない人へ④不安過敏(2)実存/哲学的不安

<前回からの続き>

今回からは、

”不安過敏”とも言うべき「不安」に対する過敏さを持っている為に
学校へ行けなくなっているお子さんの中で、

漠然とした不安の中でも、特に「自分が生きる意味」「孤独感」等の

所謂「実存/哲学的不安」によって学校に行けなくなったお子さん
や親御さんに向けて、

その例と解決へのヒントをお書きしてゆきたいと思います。




<学校へ行けなくなったお子さんの例④不安過敏
 (2)実存/哲学的不安>

J男君の例(実存/哲学的不安)

「高校3年生のJ男君は、子供の頃から物事を深く考えるタイプでした。

 例えば彼が小学生の頃、社会の授業で内紛や飢餓や病気で苦しんだり、
 亡くなってゆくアフリカの人々のスライドを見た時にショックを受け、

 ”僕に何ができるのだろう?・・・でも、今の僕には何にもできない”
 といった無力感に襲われたり、

 中学生の頃には、”自分とは一体何者なのだろうか?”とか
 ”自分の生きる意味とは?”とか”人生の意味とは?”等といった事を
 深く考え、答えを見出せない自分に苦しんでいました。

 高校に入ってからも、その悩みは尽きなかったのですが、
 家でも学校でも、周りに合わせる事もできたので、
 彼の本当の悩みに気づく人は居ませんでした。

 周りの同級生”彼女ができたんだ!”と嬉しそうに話す姿を見て、
 ”僕も彼女が欲しいなあ・・・でも、人間はどうせ独りで誕生して、
 最終的には独りで死んでゆくんだ・・・諸行無常だ”なんて考えると、
 恋愛をする気持ちにもなれませんでした。

 そんな中、3年生になって、周りの友達たちは専ら受験の事や
 将来の目標や夢について話す事が増えてきました。

 友達に尋ねられると、”〇〇大学に入って、商社マンになれればいいかな”
 等と適当に答えていましたが、

 内心は”何の為に進学や就職するんだろうか?
 大学へ行って、就職する意味があるんだろうか?
 そもそも何の為に生きてるんだろうか?”等と考えると、
 受験勉強にも身が入らなくなり、

 周りの友人達とのギャップを感じながらも、
 ”普通”のフリをする事に段々疲れてきました。
 そして、とうとう学校へも塾へも行かなくなりました。」




<解説>

上の例のJ男君の場合は、

「不可避の生きる事と死ぬ事への不安」

「意味を見出そうとするが見いだせない事への不安」

「孤独への不安」

等から、

哲学者のサルトル等が唱えた「実存的不安」が強すぎて、
それに圧倒されている状態だと言えるでしょう。


この実存的不安には、
他にも

「自由と選択」:無数の選択肢に圧倒されてしまい、選べなくなる不安や
選択したものに縛られて、後で”間違った選択をしてしまった”等と
却って自由が無くなってしまう、等といった不安。


「責任」:自分が選択した事については責任を負わなければならないのが
世のルールです。ただ、その結果がネガティブなものになった場合には
責任を取らないといけない、、等といった不安。


「親密さ」:相手と親密になると、自分の事を相手により深く知られてしまい
相手の反応がより気になってしまったり、相手との境界線があいまいになり、
自分の自由が侵されてしまう、等といった不安。


等があります。


誰しも上記の様な事を考えると、多かれ少なかれ不安になると思いますが、

J男君の場合は、学校や進学どころでは無くなった訳ですから
以下の個性/特性と傾向を持っていると想像されます。

①不快刺激に極めて敏感である

J男君は、不快刺激(⇒不快感情)、特に不安を誘発する不快刺激と
そこから生じる不安という不快感情に極めて敏感であると考えられます。

②特に混乱(カオス)や不確定要素に対して敏感である

「自分がいつ死ぬかわからない」

「選択した結果がどうなるかわからない」

「相手とどういう関係になってゆくかわからない」

「どんな目的で人生を生きたら正解か?がわからない」

等の不確定要素が多いと、誰しも混乱するでしょうし、
不安(不快)を感じるでしょう。


そしてJ男君の様に「実存的不安」が強いタイプの人は、
この部分に対して特に敏感である(敏感さのベクトルが向いている)
と考えられます。

③分析力や意味づけに秀でている


J男君の様なタイプの人は不安を惹起する不確定要素を解消する為に、
確定させる(混乱を収束させる)為の分析力と意味づけに
類まれな能力を持っていると思われます。


例えば、

「混乱している要因は何か?」分析し

「この混乱はどういう意味があるのか?」意味づけし

「だから混乱しているんだ」納得すれば

不快なカオスから逃れられるでしょう。

④分析不可能、意味づけ不可能な課題に挑んでしまっている

J男君の様な実存的不安で苦しんでいる人は、

「生きる意味」

「いつ死ぬのか?」

「選択の結果がどうなるのか?」

「相手との関係性が今後どうなってゆくのか?」
等と

分析不可能、意味づけ不可能な課題に取り組んいると言えます。


お釈迦さんや哲学者等、そうした課題に真っ向から取り組んで
自分なりの意味づけや答えを見出す事ができた人も居ると思いますが、

多くの方は分析できない、意味づけできない、カオスから逃れられない
不快感情に、より強く囚われてゆくでしょう。




もし、
これらの私の推察が正しければ、
J男君の様な「実存/哲学的不安」に対する過敏さを持っている為に
学校へ行けなくなっているお子さんやその親御さんはどうすれば良い
のでしょうか?


次回は、私が考えるその解決へのヒントをお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2024/1/10 (水)

学校へ行けない人へ④不安過敏(1)予期不安解消のヒント

<前回からの続き>

今回は、

”不安過敏”とも言うべき、不快刺激への過敏さを持っている為に
学校へ行けなくなっているお子さんの中で、

前回のY子さんの例の様な”予期不安型”と思しきお子さんや
その親御さんに向けて、解決へのヒントをお書きしたいと思います。




<学校へ行けなくなったお子さんの解決へのヒント
 ④不安過敏(1)予期不安型>

①豊かな想像力を駆使する




(1)自分を俯瞰で分析する

”不快刺激”⇒”不快感情”に敏感なのは、
自分のせいではなく、遺伝的/先天的なもだと認識しましょう。

だから不安になり易く、傷つき易く、トラウマ化し易いのだと。


一方では、
他人の不快にも敏感である為に、母親や弟妹の事を思いやる優しさ
も持っている。

加えて、
想像力が豊かであるという生まれ持った能力で、
不安を次々と予期してしまうが、

母親や弟妹、クラスや部活の子への気遣いができたり、
絵をを描く才能にも恵まれているのだと。




(2)自分を俯瞰で見る(自己肯定)

もし、

将来自分そっくりの個性を持った娘(不快刺激への敏感さと
豊かな想像力を持ち、優しくて他人に気遣いでき、絵の上手な子)
を授かったとして、

その娘が中学生になった時に、自分と全く同じ状況に苦しんでいる
と想像してみましょう。


その娘があなたに「ママ、私はママに迷惑かけるダメな子だよね?
・・・こんな私なんて居ない方がいいよね?」と訴えて来たとすれば、
あなたは何と答えるでしょうか?


を挙げてみます。


あなた
「ゆう子、そんな事無いよ!あなたが学校行けなくなったのは当然だと思うわ。

 だって、一杯傷ついて、これ以上我慢し続けたら、
 立ち直れなくなりそうだから・・・だから休んでいていいよ!」


未来の娘(ゆう子)
「でも、このままだったら、ママを助けるどころか、
 逆に迷惑かけちゃうし・・・」


あなた
「何言ってるの!あなたが居てくれてママはどれだけ助かったか・・・
 あなたが学校行こうが行くまいが、ママはあなたが元気で居てくれたら
 それで十分なの。」


未来の娘(ゆう子)
「ママ、本当に?」


あなた
「当たり前でしょ!あなたが元気じゃないとママは辛くなるし、
 あなたが幸せでなかったら、ママも責任を感じちゃう・・・」

等々。


そして、
あなたの未来の娘が胸の中で苦しんでいると想像して、
”その子”に、上記の様に声を掛けてあげて、助けてあげましょう。


そしてもし未来の娘が、母親であるあなたに遠慮して
その苦しみを打ち明けずに独りで抱え込んでいたとすれば、

あなたは「私に心配かけない様にしてくれて有難う!」
と思えるでしょうか?


もし、
「そう思えない!」と感じたのなら、
思い切って今の苦しみをお母さんに打ち明けてみませんか?




(3)相手に意識を向ける(相手の立場に立つ)


Y子さんは自己防衛的になって

「”私”がどう思われるか?」「”私”がどう見られているか?」
という様に、自分に意識が集中している状態だと考えられます。

そんな時に、
相手に意識を向けて、相手の立場に立つ事も役に立つでしょう。

(※既に上の「(2)」では、お母さんの立場に立って頂きました)


例えば、

今迄、友達や同級生、弟妹等が失敗したり、予想とは違う反応(言動等)
をした時に、思わず笑ってしまったり、からかってしまった事
は無いでしょうか?

(もし、”私は他人を笑ったりからかったりする事はありません”という
極めて生真面目な人ならば、芸人さんや芸能人の予想に反した反応にも
笑う事は無いでしょうか?)


もしそんなシーンを思い出せたのなら、
あなたはその相手の性格や人格を否定しているのでしょうか?


恐らく、
笑ったりからかったりしたとしても、相手の事を必ずしも否定してるとは
限らないのではないでしょうか?

そういった想像ができれば成功です。




(4)望む未来を想像する


ここまでで、
自分を肯定できないまでも、否定する事が和らげば、
今度は自分の望む未来を想像してゆきましょう。


例えば、

「高校でも美術部に入って・・・でもお母さんに負担を掛けたくないから
 商業高校に入って、事務系の会社へ就職しよう。

 でも、自分の夢も諦めたくないから、昼間は働きながら学費を稼いで、
 夜間の美術の学校へ通おう。

 そうだ、高校次第だけど、美大に行けそうなら奨学金を貰おう。
 そして、副業的にイラストの仕事をして、
 家にもちゃんとお金を入れて、お母さんにはお家を建ててあげたいな。

 私は、結婚して・・・。旦那さんは優しくて私を理解してくれる人で、
 可愛い子供が二人位欲しいな。休日は家族でキャンプに出掛けて、
 満点の星空を見たいなあ・・・。きっと子供達も感動するに違いない。

 そして、子供達が巣立ったら、旦那さんさえ良ければ、
 自然の中で自給自足的に暮らしたいなあ・・・。」

等々。


その”望む未来”は、例えばそうなった時の気持ちや、周りの母親や
未来の夫子の表情や言葉等、実際にそれを今、体験している
と感じるところまで、細かく想像する事が役に立つでしょう。


その”想像”は時間と共に変わってゆくかも知れませんが、
暇さえあれば、その想像をする時間を取ってみるのも良いと思います。




次回からは、

”不安過敏”とも言うべき「不安」に対する過敏さを持っている為に
学校へ行けなくなっているお子さんの中で、

漠然とした不安の中でも、特に「自分が生きる意味」「孤独感」等の
所謂「実存/哲学的不安」によって学校に行けなくなったお子さん
や親御さんに向けて、

その例と解決へのヒントをお書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



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2024/1/8 (月)

学校へ行けない人へ④不安過敏(1)予期不安

<前々回からの続き>

今回からは、

”不安過敏”とも言うべき

「不安」(確定していない未来に起きるであろう、ネガティブな結末
 を想像した時に生じる不快感情)に対する過敏さを持っている為に
学校へ行けなくなっているお子さんの中で、

「予期不安/恐怖」が強いと思しきお子さんの例と解決へのヒント
をお書きしてゆきたいと思います。




<学校へ行けなくなったお子さんの例④不安過敏(1)予期不安型>

Y子さんの例(予期不安型)

「中学2年生のY子さんは、大人しく生真面目な性格で、
 長女として弟妹の面倒を見たり、シングルマザーの母親に気を遣って
 家事全般を手伝う様な優しい一面も持っていました。

 学校では美術部に属していて、
 彼女が描いた絵がコンクールで賞を取ったり、才能豊かな面も評価され、
 3年生が引退後は部長を任される様になりました。

 ただ、彼女は人前で発表したり本を朗読したりするのが苦手で、
 丁度半年くらい前のホームルームの時間に、
 担任”Y子さんの意見はどう?”と、意見を求められたのですが、
 突然の事に彼女は頭が真っ白になり、黙り込んでしまいました。

 そんな彼女をクラスの男子たち”Y子、顔が真っ赤だぞ!
 日本語がわからないのか?!”等とはやし立てました。

 その時からY子さんは、”また先生に当てられたらどうしよう?”
 とか
 ”顔が赤くなったり声が震えているのに気づかれたらどうしよう?”
 等と、
 授業中やホームルームの時間は常にこういった予期不安にさいなまれ
 続けました。

 そしてこの前の授業での発表の時に、
 同じように言葉に詰まって赤面した彼女をクラスの何人かがはやし立て
 同じ部活の女子もクスクス笑っている事に気が付きました。

 その時から学校へ行くのが恐怖になり、徐々に行けなくなってしまいました。

 心配した母親が訊ねても、母親に心配かけまいとする彼女は
 ”大丈夫、ただ身体が動かないの・・・低血圧だと思うから心配しないでね”
 等と、答えるばかりでした。

 ただ彼女の内面では”どうしよう・・・高校出たら早く働いて
 お母さんを助けようと思ってたのに、このまま学校に行けなかったら
 進学もできないし、お母さんの負担になってしまう・・・。
 こんな厄介者の私なんて居ない方がいいんだろうなあ。”

 そう考えると涙が次から次へと溢れて止まらなくなりました。」



 
<解説>

上の例では、状況からY子さん

①不快刺激に極めて敏感である

誰しも、突然当てられるとドキッとする(不快)でしょうし、
うまく答えられない/話せないのは恥ずかしい(不快)でしょう。

更に、誰かにからかわれたり、笑われたりといった
否定される事は嫌な事(不快)だと思います。

ところがY子さんの場合は、そういった不快刺激に対して極めて敏感な為に、
それから生じる不快感情がトラウマレベルになってしまっている
と考えられます。




②豊かな想像力を持っている

Y子さんの場合は、

”また笑われたらどうしよう?・・・そうなったら、学校へ行けない”
とか
”このまま学校へ行けなくなったらどうしよう?・・・・そうなったら
お母さんに迷惑を掛けてしまう・・・そうなったら
ここには居られない”

等と、豊かな想像力を駆使して、
次から次へと先の事を想像する能力に長けている、と感じます。
(だから絵も上手いのかも知れませんが)


但しこの場合は、その豊かな想像力がアダとなってしまい、
不安が現実味を帯びた具体的な恐怖へと形作られ、
トラウマがより強く形成されてしまう、と考えられます。




③防衛反応によって意識が自分に集中し続ける


更なるトラウマを避ける為に、自己防衛的になるのは当然だと思います。

ですから彼女の場合は、''二度と傷つけられない様に、''
”真っ白になってしまう自分”や”赤面してしまう自分”、
”学校に行けてない自分”を責めて、

意識では”私が真っ白にならない様に”とか”私が赤面しない様に”
とか”私が笑われない様に”とか”私が学校に行ける様に”

等と、
常に欠点とみなした自分の部分を”そんな事になったら許さないからね!”
と監視し続けている訳です。

これは言わば”意識的な防衛反応”と言えると思います。

ところが一方では、
無意識的な防衛反応は、更なるトラウマを避ける為に
”学校に行かせない”といった回避する戦略を採っている訳です。


そうなると、
意識と無意識の葛藤が生じ、

「学校に行かなきゃいけないのに、行けない自分」
自我が無力感を感じ、自信を失い益々防衛的になってゆくでしょう。

※これと似た、様々な社交/社会不安や
 排尿恐怖(学校等のトイレで他人が居ると小用を足せなくなる)
 等は別の機会にお書きしたいと思います




もし、これらの私の推察が正しければ、
Y子さんの様なお子さんやその親御さんはどうすれば良いのでしょうか?


次回は、私が考えるその解決へのヒントをお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2024/1/5 (金)

新年のご挨拶~難治例に特化したカウンセリングのご提供

皆さん、

新年明けましておめでとうございます


ただ、
皆さんの中には手放しで新年を祝う気持ちにはなれない、
と感じておられる方もいらっしゃると思います。


例えば、

「息子が発達障害で、この春から小学校に上がるが、不安でたまらない」

と感じておられるお母さん。


「娘は来年は高校受験なのに、一向に学校へ行く気配が無い・・・。
 不登校が永遠に続く様に感じて、娘の将来が心配です」

と感じておられるご両親。


或いは、

「年末年始は夫が家に居るので、いつも以上にモラハラを受け続ける。
 夫はきっと自己愛性パーソナリティ障害だと思うが、

 ”俺はおかしくない!おかしいのはお前だ!”と、言われ続けて
 カウンセリングにも行ってくれない。

 離婚も考えるけど、子供がまだ小さいので経済的に無理だ・・・。
 いつまでこんな事が続くのだろうか?もう我慢の限界だ」

と感じておられる奥さん。


更には、

「正月に実家に帰る事になっているけど、
 母親に会うと子供時代に母親から受けたトラウマが蘇って、苦しくなる
 ・・・。 きっと私はアダルトチルドレンに違いない。」

と感じておられる女性。


こういった、
発達障害不登校パーソナリティー(人格)障害アダルトチルドレン

そして更には、
性犯罪を繰り返し犯してしまう、アルコールギャンブル依存
買い物摂食障害ゲーム等の依存症

果ては、
双極性障害統合失調症などの所謂精神病圏の疾患等は、
精神科や心療内科へ行かれても解決/寛解させる事は難しいと思います。
(多くの場合は薬で”症状”を抑え続ける、という事になるでしょう)


何故なら、
そこにはその人の個性/特性人格の問題が絡んでいるからです。


お医者さんでは薬物療法になりますが、
個性や人格を変える薬が無いからです。

(統合失調症の陽性症状等、二次的に派生した問題には有効な薬
もありますが)

但し、
カウンセリングでもパーソナリティー(人格)障害等は、”難治例”と言われる
ケースになる事が多く、

発達障害に関わる問題にしても、
経験や知識が不足しているカウンセラーさんお医者さんには難しい
と思います。


私の場合は、
数多くのこういった”難治性”のケースを経験し、
お手伝いを差し上げて参りました。


それ故、
今迄の臨床経験と知識によって、
その人個人や親子/夫婦等の関係性の中で生じている”問題”の原因を分析し

その”問題”の解消/解決に向けての方法をご提示差し上げる事ができます。

(例えば、当のお子さんやご主人が来られなくても、親御さんや奥さんに、
 子や夫との間に生じている”問題”解決への具体的な方法
 をご提示しております)

もしあなたやあなたのご家族や大切な人が、
そういった難しい問題を抱えておられるのでしたら、
一度お越しになる事もご検討されてみてはいかがでしょうか?


そうすれば、
今年こそきっと”光”が見えて来ると思います。


※ご参考までに、下記に私がコラムに書いた記事を載せておきます。


※発達障害については、今年中に原因から対処法、症状や問題の解決策迄
詳しくお書きする予定です。




◎パーソナリティ(人格)障害関係

◎境界性人格障害(BPD)に襲われている方へ

◎パーソナリティ(人格)の10種類

◎パーソナリティ(人格)障害とは?

◎妄想性パーソナリティ(人格)障害の特徴

◎妄想性パーソナリティ(人格)障害の原因

◎妄想性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

◎シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害の特徴

◎シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害の原因

◎シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

◎統合失調型パーソナリティ障害の特徴

◎統合失調型パーソナリティ障害の原因

◎統合失調型パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

◎反社会性パーソナリティ障害の特徴

◎反社会性パーソナリティ障害の原因

◎反社会性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

◎境界性パーソナリティ障害(BPD,ボーダー)について

◎演技性パーソナリティ障害の特徴

◎演技性パーソナリティ障害の原因

◎演技性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

◎自己愛性パーソナリティ障害の特徴

◎自己愛性パーソナリティ障害の原因

◎自己愛性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

◎回避性パーソナリティ障害の特徴

◎回避性パーソナリティ障害の原因

◎回避性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

◎依存性パーソナリティ障害の特徴

◎依存性パーソナリティ障害の原因

◎依存性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

◎強迫性パーソナリティ障害の特徴

◎強迫性パーソナリティ障害の原因

◎強迫性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント




◎統合失調症関係

◎統合失調症①統合失調症とは?(概要)

◎統合失調症②症状の進み方

◎統合失調症③前駆期の症状の特徴~具体例

◎統合失調症④急性期の症状の特徴~具体例

◎統合失調症⑤休息期の症状の特徴~具体例

◎統合失調症⑥回復期の症状の特徴~具体例

◎統合失調症⑦診断基準

◎統合失調症⑧誤診されやすい疾患

◎統合失調症⑨(一般的に考えられている)考えられる原因

◎統合失調症➉本当の?原因<仮説(1)>

◎統合失調症⑪本当の?原因<仮説(2)>

◎統合失調症⑫本当の?原因<仮説(3)>

◎統合失調症⑬本当の?原因<仮説(4)>

◎統合失調症⑭寛解に向けて~薬物療法(1)薬の種類と作用

◎統合失調症⑮寛解に向けて~薬物療法(2)副作用と離脱症状

◎統合失調症⑯寛解に向けて~心理療法(1)

◎統合失調症⑰寛解に向けて~心理療法(2)

◎統合失調症⑱寛解に向けて~心理療法(3)

◎統合失調症⑲寛解に向けて~心理療法(4)



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2024/1/3 (水)

学校へ行けない人へ③心的過敏(3)О型の解決のヒント

<前回からの続き>

今回は、

”心的過敏”とも言うべき、感情的な快/不快への過敏さを持っている為に
学校へ行けなくなっているお子さんの中で、

前回のО子さんの例の様に
主にオキシトシン(愛着や絆を司る神経伝達物質)を利用し
他人との交流で不快刺激(⇒不快感情)を回避し感情の安定を図るタイプ

つまり私が言う所の「О型」のお子さんやその親御さんに向けて、
解決へのヒントをお書きしたいと思います。




<学校へ行けなくなったお子さんの解決へのヒント(3)О型>

О子さんの例(О型=オキシトシン安定型)

①子供にとっての心的な不快刺激(不快感情)を減らす工夫

まず、
子供に精神的な”安全基地”を確保する事で不安の軽減を図りましょう。

О子さんにとっての安全基地はお母さんと思われます。


ただ、
普段の明るいО子さんが、そこまで敏感であるとは
流石のお母さんでも気づかないかも知れません。


ですから、
「この娘は実はとってもデリケートなのかも知れない」と認識し

丁寧に共感し、不安を和らげてゆくといった愛着の絆を深めてゆく事
が役に立つと思います。


「ママ、この前の模試で〇〇高校はC判定だった・・・
  受からなかったらどうしよう・・・」


「Cになっちゃったから不安なんだよね」(と、肩を抱き寄せる)


「もし、受からなかったら私どうなっちゃうの?」


「大丈夫、大丈夫。万が一の時は第二志望の学校でも
  テニスは続けられるでしょ?」(と頭を撫でる)


「でも、第二志望の△△高校は学費が高いし・・・」


「そんな事を気にしてくれてるんだね!有難う。
  でもパパと話したんだけど、パパも”お金の事よりも
  О子がどの学校へ行こうが、元気で伸び伸びとしてくれれば
  それが一番だ”と言ってたし、ママもパパと同じ意見よ」


「ママ、本当?」


「何言ってるの?あなたはママとパパにとっては、一番大切な娘
  だからね」(と、笑顔でハグ)


等々。




②子供にとっての快刺激を増やす

О子さんがオキシトシン安定型の「О型」とすれば、
彼女にとっての”快”を感じる人と一緒に居る時間を増やす工夫
役に立つと思います。

・母が一緒に居る時間を作り、一緒に出掛けたり息抜きさせてあげる


・部活の顧問の先生にお願いし、短時間でも後輩の指導等で、
 顔を出す事を許可してもらう


・部活の仲間達と一緒に居る時間を増やす

 例えば、
 親同士、子同士が合意すれば、一緒に勉強したり、
 たまに集まって息抜きに出掛けたり(なるべく勉強の話題を避けた
 楽しい会話)する


・塾等、学校以外での他人との交流を深めてゆく

 志望校が同じとか、他の学校の同じ部活、比較的よく話す子等が
 塾に居れば、一緒に勉強したり、息抜きしたりする時間を作る、


等々。




次々回からは、(対人不安以外の)「不安過敏」についてお書きしたい
と思います。


<次々回へ続く>



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